政府は沖縄を除く地域での緊急事態宣言を20日で解除することを正式に決定した。
東京は来月11日まで「まん延防止等重点措置」に移行し、酒類の提供については条件付きで午後7時まで認めるというのが政府が示した方針だった。
ただ、下げ止まりが顕著な東京都は、酒を提供できる客の数を1〜2人に制限するなど独自の規制を検討している。
東京オリンピックの観客についても議論が百出しているが、予定通り開催する方向は徐々にはっきりしつつある。
同じワードを繰り返すだけの菅総理とダンマリを決め込んだ小池知事の粘り勝ちというところか・・・まあ予想通りの展開だ。
ここにきて感染者数が激減した岡山県は緊急事態宣言が解除され、まん延防止措置の対象地域にも入らなかった。
これを見越して、私は来週水曜日から数日間、岡山に規制する予約を入れていた。
88歳になる母は、来週月曜に2回目のワクチン接種を受ける予定なので、それに合わせて帰省しようと思ったのだが、本人が一人でゴロゴロしたいというので帰るのは水曜日となった。
89歳の伯母については、訪問介護のサービスが始まったが、本人は「一人でやれますから結構です」と拒むため、看護師さんもヘルパーさんも伯母と話をするだけの状態が続いている。
それでも、週に2回、一人暮らしの伯母の様子を見てもらえるのはありがたい。
畑の草もすっかり伸び放題になっているだろうから、短期間ながらやることはいっぱいある。

さらに、明後日20日には、去年延期された三男の結婚式がある。
緊急事態宣言下での結婚式となったため、親族が参列する披露宴は中止し、神前の結婚式とウェディングドレスに着替えての写真撮影だけとなった。
最低限の友人を招いてのパーティーはやるそうだが、そちらもお酒は出さないそうだ。
何から何まで異例づくしの結婚式ではあるが、それはそれで逆に記憶に残るかもしれない。
緊急事態宣言解除とともに私の生活もにわかに慌ただしくなる中で、私は昨日ちょっと頑張ってワクチン接種の予約をいち早く手に入れることに成功した。

きっかけは、自衛隊が大手町で行っている大規模接種センターで大量の空き枠が出たため、急遽接種対象の年齢を64歳以下に拡大するというニュースだった。
ただし、接種を受けるためには各自治体から送られてくる接種券が必要だという。
しかし東京23区でも64歳以下にまで接種券が配られているのは中野区と墨田区のみ、わが武蔵野市も24日から接種券を発送する予定で、予約開始は7月2日からというスケジュールである。
「でも、ひょっとしたら」と思い武蔵野市のホームページを確認してみたのは、一昨日の夜だった。
すると・・・

案の定、「自衛隊東京大規模接種センターでの接種予約に伴う専用接種券の発行について」というページが新設されていた。
『自衛隊東京大規模接種センター(東京センター)での接種を希望し、現時点で正式な接種券(シール台紙)がお手元にないかたへ、臨時窓口を開設し、専用接種券(自衛隊東京大規模接種センター専用)を事前配布いたします。』
しかも、配布日時は17日の午後1時からとなっている。
私は妻とも相談し、ダメもとでトライしてみようと決めた。

昨日は朝から激しい雨が断続的に降り続いていた。
ネットで雨雲レーダーを確認するとお昼すぎには止みそうなので、それを待って自転車で武蔵野市役所に行くことにした。
お昼のニュースを確認すると、前日には3万近く残っていた予約枠が午前10時段階で7000ほどに減っていた。
「これはやっぱり無理かなあ」と思いながら、雨があがったタイミングを見計らって市役所に向かう。

配布窓口は市役所の西棟8階の会議室に設けられていた。
自転車置き場に自転車を止めて西棟に向かうと、足早に同じ方向に進む女性がいる。
「この人もきっとワクチン狙いだろう」と想像しながら一緒にエレベーターに乗り込む。

私が配布会場に入ったのは12時30分ごろ。
配布予定時間の30分前だったが、すでに会議室には多くの人が待っていて接種券の配布が始まっていた。
窓口の職員さんから申請書と整理券を渡される。
私の番号は70番台だった。
きっと早くから押しかけた人が大勢いて、混乱を防ぐために市役所も時間を繰り上げて配布を始めたのだろう。
「私が接種券をもらう頃には予約枠はもう一杯だろう」とこの時点で諦めの気持ちになる。

市役所では混乱を避けるため、同じフロアの別会議室に「待合室」を用意していた。
会議用の机が並び、その部屋でも多くの人が待っている。
私は最前列に空いた机を見つけてそこに座り、渡された申請書に必要事項を記入しながら自分の順番を待った。

「新型コロナウイルスワクチン自衛隊大規模接種センター専用接種券発行申請書」は、名前や住所、電話番号や生年月日を記入するだけの簡単なもので、2つの同意チェック欄があった。
- 本申請により発行される接種券は自衛隊大規模接種センターでの予約及び接種にのみ使えること、武蔵野市内での個別接種や集団接種の予約及び接種には使えないことを確認しました。
- 正式な接種券(シール台紙)は、自衛隊大規模接種センターでの接種に必要であることを確認しました。
それぞれの項目にチェックを入れ、これで申請書は完成。
あとは自分の番号が呼ばれるのを待つだけだ。
配布予定の午後1時が近づくにつれ、人の数が増え、廊下にまで人があふれているようだが、待合室の最前列に場所を確保した私はそれほど感染リスクを感じることもなく、ただ静かに時間を過ごした。

午後1時すぎ、私の順番が近づいてきたのを確認して配布場所の会議室に移った。
間隔を開けて並べられた椅子はすでにいっぱいで立ったまま順番が来るのを待つ。
配布カウンターは4つ用意され、比較的スムーズに作業が進んでいるように見える。
私の番号が呼ばれたのは1時5分ごろ。
結局待ったのは30分ほどで、思いのほか早かった。
申請書を渡し、運転免許証で身元を確認すると職員の後ろに置かれたプリンターから接種券が印刷される。
妻の分も一緒に発行できるというのでお願いした。

こうして1時10分すぎには接種券をゲットし会議室を出ると、到着時とは様子が違ってエレベーターホールにまで人があふれていた。
少し早めに来て、正解だった。
市役所の外に出ると、ダメもとでスマホから自衛隊のサイトにアクセスし接種予約を試みてみる。

もらったばかりの接種券に書かれている市区町村コードと接種券番号を入力し、自分の生年月日をを選んで次に進むと6月27日までの空き枠の有無が表示された。
予想通りすでにほとんどの日が予約終了となっていたが、唯一最終日の27日だけ○印が付いていた。
27日をクリックすると空き枠が表示され、夕方の18時と18時半だけわずかに接種枠が残っていた。
「お〜、ラッキー」
早速18時を選んで予約のボタンを押す。
すると予約完了の表示画面に切り替わり、あっけなく予約が取れてしまった。
私の1回目のワクチン接種日は6月27日。
2回目はおそらくその3週間後ということになるだろうから7月中にはワクチンを打ち終わるはずだ。

武蔵野市役所の正面には、「東京2020オリンピック聖火リレー開催」と書かれた大きなパネルが設置されていた。
予定通りならば、7月16日に吉祥寺駅から武蔵野市役所あたりまで聖火リレーが行われる。
多くの自治体が一般道での聖火リレーを取りやめる中、武蔵野市はどうするのだろう?
聖火リレーなど所詮、電通とスポンサーのためにやっているだけなので無理に人混みを作る必要はない。
重要なのは、世界のアスリートたちが競技に集中できる環境を整えることだ。
聖火リレーもパブリックビューイングもその意味では必要ない。
ただ観客がある程度いた方が、パフォーマンスが上がりそうな気がするので、政府が考えている上限1万人という観客については私は賛成だ。
ただし、遠くの人には我慢してもらって東京及び近県の人に限定するのはいいと思う。

市役所の帰り、激しい通り雨に遭遇したが、パン屋で雨宿りをしてやり過ごし、家に帰った頃には青空が広がった。
コロナによる自宅引きこもり生活が始まって1年半。
ようやくワクチンの順番を確保して、私の心にも明るい兆しが見えてきた。
ワクチンを射ったからといってすぐに生活が大きく変わるわけではないが、岡山に暮らす年寄りたちには会いやすくなるだろう。
国内旅行の可能性も広がってくる。
慎重な妻はまだワクチンをためらっているが、一歩出口が近づいてきた、こんな気持ちだ。
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