<吉祥寺残日録>不眠症治療薬で副作用!夜中突然、妻に異変が・・・ #220413

妻の不眠症が我が家の一大事になっている。

3回目のワクチン接種を終えた頃から、夜寝ても短時間で目が覚め、そのまま朝まで眠れない症状が出始めた。

最初のうちは、「いずれ体が睡眠を必要とする時がくるからあまり気にせず目が覚めても無理に寝ようとしなくていいんじゃない」などを声をかけていたんだが、次第に不眠症が悪化し、一睡もできずに一夜を明かすようになった。

それでなくても心配性の妻は、自分はうつ病で、このまま認知症になってしまんじゃないかと先に先に心配をしている。

睡眠が取れないと体のあちこちに異変が生じてきて、ついに妻は医者に相談することを決意した。

一昨日、以前一度診てもらったことのある吉祥寺のメンタルクリニックに行き、いろいろ話を聞いてもらったうえで睡眠薬を処方された。

「デエビゴ錠 5mg」という錠剤だった。

「デエビゴ」は、エーザイが2020年から販売している一番新しい不眠症治療薬で、覚醒の維持に重要な物質であるオレキシンの働きをブロックすることで、睡眠状態を促すという。

脳の機能を低下させることで睡眠に導く従来の睡眠薬に比べて、自然な眠気を誘い依存性が少ないというメリットがあるとされている。

医師からは、どうしても眠れない時だけ飲めばいいと言われたそうだ。

薬をもらった最初の夜、妻はやはり夜中になっても眠くならず、「デエビゴ」を試してみることにした。

だいたい普通の人よりも薬が効きすぎるので、妻は勝手に錠剤を半分に割って飲んだりしているのだが、「先生に言われた通りに飲んだ方がいいんじゃない」と私が言ってこともあり、処方された通り「デエビゴ」を1錠飲んで眠りについた。

しばらくすると、寝息が聞こえ、「寝られたんだ」と私は少し安心した。

しかし1時間後、妻がうめき声をあげ始めたと思ったら、私に助けを呼ぶ声が聞こえた。

ベッドに行くと、妻は朦朧とした状態でガタガタ震えていた。

何やら悪夢を見て目が覚めたらしく、体が勝手で震えるのだという。

まるで昔の映画「エクソシスト」を思い起こさせるようなこれまでに見たことのない妻の異常な姿、これはきっと薬の副作用に違いないと思う。

妻の体を抱きしめたり、背中をさすったりするが一向に震えは止まらない。

「寒いのか?」と聞くと、寒くはないと言う。

この状況を放置しておくと危ないかもしれないと私も妻も感じたが、救急車を呼ぶべきかどうか迷った。

用心深い妻は財布の中に、こうした際に相談できる「救急相談センター」の電話番号を持っていると言うので私はすぐに電話してみた。

そこで看護師の女性に症状と処方された睡眠薬の話を伝え、妻も電話口に出て自覚症状について詳しく話した。

そうしている間に、妻の震えは次第に収まってきた。

どうやら症状は一過性のものだったらしい。

症状が改善してきたことを伝えると、看護師さんは誰かと相談したうえで、「もし夜中に再度異変が起きたらすぐに電話してください」と言って朝まで様子を見ることになった。

夜中に病院に駆け込むのも大変だ。

このまま副作用がおさまれば、家で静かにしていた方がいい。

後でネットで調べると、「デエビゴ」の副作用としてごく稀に悪夢や金縛りの症状が見られると書いてあった。

妻はまさにこの「稀なケース」に該当したのだ。

翌日、私も同行して、薬を処方したメンタルクリニックを再び訪れた。

いかにも精神科の医師といった物静かな中年の先生だったが、夜の様子を話すと「他の薬は緑内障の心配もあるし・・・」とちょっと困った様子だ。

妻が薬に過敏だという話をしていたので、一番副作用の少ない「デエビゴ」を処方したのに、その薬でも副作用があったというので、とりあえず他に処方できる薬もなく、1週間経過を見て改めて相談することになった。

完全予約制のこのクリニックでは待合室に多くの客が待っているという状態はないのだが、私たちが診察室から出ると、次の患者さんが二人ほど待っていた。

副作用の話を電話で伝え急遽予約を入れてもらったので、他の患者さんを待たせてしまったのかもしれない。

いずれにせよ、都会のメンタルクリニックのニーズは高いようで、吉祥寺にもいくつものクリニックがある。

睡眠は人間にとって極めて重要だが、うまく寝られない人というのはたくさん存在する。

妻の母親も長年不眠症で苦しんでいて、妻はその体質を受け継いだのだろう。

私のように呑気に昼寝ができるような人間には、こうした過敏な人たちの悩みは本当の意味ではわからないのかもしれないが、できるだけ安心できる環境で見守ってあげられればと思う。

妻の調子が悪いと、全てのことが狂ってくる。

家庭の平安は、女の人の健康が支えていることが今回の騒動で改めて思い知らされた。

<吉祥寺残日録>妻の体調不良により懸案だった家事にトライする #211129

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