<吉祥寺残日録>トイレの歳時記❄️七十二候「地始凍(ちはじめてこおる)」に考える来年からの「隠居」計画 #211112

今日から暦は立冬の次侯「地始凍(ちはじめてこおる)」となる。

「寒さで大地が凍り始める頃」という意味なのだが、実際には東京は暖かな日が続き、今日も朝から素晴らしい小春日和となっている。

10月には平年より寒い日が続いていたのに、11月に入ると一転して10月並みの陽気が続いているのだ。

まあ暖かい方が過ごしやすいが、どうも天気というものは暦通りには進まぬものである。

来週から再び岡山に帰省するのを前に、ちょっとしたお土産を買いに街に出たついでに、井の頭公園をひと回りしてきた。

弁天橋を渡ると、中の島に植えられたメタセコイアやラクウショウ の木々がオレンジや黄色に色づき、真っ青な空をバックに心ときめくような景色を見せてくれている。

日陰では少し空気がひんやりして感じられるが、日差しが降り注ぐ場所ではちょっと暑いほどで、Tシャツにパーカーを引っかけているだけなのに、歩いていると汗ばんでくるぐらいだ。

数日前から風が吹くたびに大量の木の葉が舞い散るようになった。

桜や梅、桃の木などはもうとっくに葉を落としてしまっている。

それでもまだ、紅葉の主役であるイロハモミジの葉は緑のまま、紅葉のピークはまだまだ先のように感じられる。

狛江橋の上から井の頭弁財天の方向を眺めると、背後のイチョウの葉が黄色くなっているのに気づいた。

あのイチョウは近くからだと他の木々に邪魔されて、いつの間に黄葉したのか、私は全く知らない。

同じイチョウでも西園にあるそれはまだ緑のままで、同じ種類といえども個体差が大きいと感じるばかりだ。

井の頭線の下を潜って、三角公園へと向かう。

ケヤキの並木もある程度色づいているが、これ以上色が濃くなる前にもうその葉を散らしている。

適度に落葉したケヤキの木は、ちょうどいい加減の木漏れ日を作り、ベンチで日光浴をするお年寄りたちに気持ちの良い空間を提供している。

暑くもなく、寒くもなく。

東京の冬は、晴天率が高いのがいい。

立冬を過ぎた頃から日本海側では天候の不順な日が続き、北海道では雪が降り始めているという。

今年の冬はどこか雪国に行ってみたい・・・そんなことを思っている。

そういえば今朝、妻から思わぬ提案があった。

「来年は岡山中心で暮らしたい」というのだ。

どうもこのところ妻は体調が今ひとつのようで、東京ではやらなければならないことが少なすぎることが原因かもと思うようになったらしい。

岡山にいれば、畑の世話などやるべきことがたくさんあって、作物の世話をしながら日々の変化を楽しむこともできる。

そして高齢の親たちもそろそろ近くにいて必要な時にサポートできる方がいい、そう考えているのだろう。

私もすぐに同意した。

来年はまだ、気楽に海外旅行に行くのは無理だろうから、国内旅行は少しずつ始めるつもりだが、岡山の農地を将来的にどうするのか自分である程度腰を据えて取り組んでみて計画を立てようと思っていたからだ。

先月、放置されていたブドウ畑と格闘してみて、多少手応えを感じ、もう少しちゃんと向き合いたいという気持ちも芽生えた。

ただ私がやりたいことの一番は、知らない国へできるだけ多く旅行することなので、本格的に残りの人生を農業に捧げる気持ちは全くない。

それでも妻は以前から、きっと私が岡山に移住すると言い出すだろうと予言し、「自分は東京がいい」と言い続けていたのだ。

ところが、妻の方が岡山への移住に惹かれ始めている。

私から見れば、妻の方が私よりもずっと農業向きの人間なのである。

真面目にコツコツとやるべきことを続けていく、特に子育てのように何かを育てることがもともと好きな人なのだ。

ただ妻は人付き合いが苦手で、田舎の人間関係に適応できるかについて昔から悩んでいた。

体力的にも自信がなさそうだ。

でも最初から人生の方向を決めてしまわなくてもいいんじゃないか。

認知症になった伯母が入院したことで、私たち夫婦が必然的に空き家と農地の管理を任されることになった。

交通費は多少必要だが、宿泊費などは特に心配する必要もないのだから、滞在したいだけ岡山にいて、東京に戻りたくなったらマンションに帰ってくればいい。

二つの家という選択肢を持つ贅沢をせいぜい有効に利用させてもらって、行ったり来たりしながら将来のことは考えればいいではないか。

そのうち、高齢の親たちがますます放っておけなくなり、嫌でも岡山にいなければならなくなるのだから。

まあこうやって、生きる道は次第に決まっていく。

せいぜい日常生活ではお金を節約して、たっぷりある時間をうまく使って自分に合った生き方を探していけばいい。

それが許されるのがシニアの特権。

目指すは、江戸時代の人が理想とした「隠居生活」である。

9日に大往生した瀬戸内寂聴さんのように、「十分に生きた我が一生でした」と言って死ねるように、余生をせいぜい頑張って楽しんでいきたいと思う。

<吉祥寺残日録>吉祥寺に引っ越してから5年!これからの人生で大切にしたいこと #210214

【トイレの歳時記2021】

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