昨日、仕事で岡山に日帰り出張だった。
曇り空の下、低空でアプローチする機窓から小豆島が見えた。
西日本を襲った豪雨の被害は日に日に増えて、ついに死者200人を超えた。
岡山県も大きな被害を被った。災害が少ない岡山だけに、県民も行政も防災意識が薄く、被害情報の取りまとめも他県に比べ時間がかかっているように見える。
倉敷ほどではないが、岡山市の東部の平島地区も浸水被害を受けた。
上空から見た岡山の姿は、川やため池が茶色に染まっている以外は目立った被害は見られずちょっとホッとする。
1日も早く、被災者の皆さんが平常の生活に戻れるよう祈りたいと思う。
岡山市内での打ち合わせを終え、一人暮らしの母親を訪ねた。帰りの飛行機まで少し時間があったからだ。母に関して、最近気になる事件があった。
今月6日の朝、母から私の携帯に電話が入った。
母はいつもより焦った調子で、あるハガキの話を始めた。
その日の朝、郵便受けに1枚のハガキが入っていたという。差出人は法務省、「消費料金に関する訴訟最終告知のお知らせ」というタイトルが付いていた。
「貴方の利用されておりました契約会社、もしくは運営会社側から契約不履行による民事訴訟として、訴状が提出されました事を改めてご通知いたしますとともに、訴訟取り下げ最終期日を経て裁判を開始させて頂きます。」
訴訟取り下げ最終期日は7月6日。つまり母がハガキを手にした当日だった。
母は慌てて、ハガキに書かれていた電話番号に電話したという。しかし、相手との話に少し不信感を持ったらしく、「息子と相談します」と告げて一旦電話を切ったのだと母は言った。
話を聞いて私は「それは詐欺だよ」と母に言った。
母は、「詐欺かな」とちょっと驚いたような、ちょっと安心したような声をあげた。電話での振込詐欺には気をつけていたが、ハガキというのはあまり考えていなかったようだ。
私は母に「念のため警察に電話して相談すれば、対応方法とかを教えてくれるはず」と伝え、母は指示通り警察に電話した。警察からは、最近その手口の詐欺が増えていて、もし電話がかかってきても「警察と相談しています」と言ってすぐに切ってくださいとアドバイスされたという。
ネットで調べると、昨年から法務省を名乗る詐欺ハガキ事件が増えていることがわかった。
詐欺集団もいろいろ考えるものだ。
実家を訪ね、母からそのハガキを見せてもらった。
「法務省管轄支局 国民訴訟お客様管理センター」
どう見ても、おかしな組織名だ。あまり行政機関についての知識がない人間が考えた名前なのだろう。
文章も明らかに、不自然だ。こんなのに騙されるんだなあ、と改めて高齢者の判断力の危うさを感じた。
それでも、一般の人にとって、民事訴訟、差し押さえの強制執行といったワードはビックリするだろう。しかも、訴訟取り下げ最終期日が当日となっている。
相手に考える時間を与えない。これは詐欺の常套手段だ。
母は、とりあえず被害は免れたが、この手のハガキが今日も大量に送られているのかもしれない。
皆さんもくれぐれもお気をつけください。
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