まさに「コロンビアの奇跡」というしかない。
飛行機の墜落事故で親を亡くした1歳から13歳の4人の兄弟が、子供だけで40日間もアマゾンのジャングルで生き延び無事救出されたというニュースが世界中を駆け巡った。
墜落した飛行機に偶然大量の食糧が積んであったのだろうか?
この信じられないニュースを聞いて、当初そんなことを想像した。
ところが意外な真相が明らかになる。
4人は先住民ウイトト族の兄弟で幼い頃からジャングルで生き延びる術を身につけていたというのだ。
特に13歳の長女が食料の調達から寝場所の確保まで的確なリーダーシップを発揮したことが奇跡の生還に繋がったとコロンビア政府は大々的に発表した。
生物多様性の宝庫である熱帯雨林では、多くの危険もあるが知識さえあれば食料となる果実や植物もたくさん存在する。
アマゾンの先住民たちは先祖代々、ジャングルで生きる術を語り継いできたのだ。
都会人が失ってしまった自然と共生した生き方が今もしっかりと受け継がれているということである。

アマゾンの子供たちには到底及びもつかないが、私も去年から農作業を始め、自分が食べるものについてもその時期採れる野菜をベースに発送することが増えた気がする。
昨日は、母にあげるために収穫した白菜の半分が手元に残ったため、これをどうやって消費するかでメニューを考えた。
ネットで白菜料理について調べる中で、キャベツの代わりに白菜を使った餃子に目が止まった。
私は未だかつて自分一人で餃子を作ったことがない。
豚のひき肉さえ買ってくれば、後の材料や調味料は全て家にあるもので賄えそうだ。

こうしてタネから育てた白菜とブドウ畑で勝手に育っているニラを使って、初めての白菜餃子に挑戦することになった。
材料は白菜300グラム、ニラ適当、そしてスーパーで買ってきた豚ひき肉190グラムだ。

参考にしたのは、ネット検索で最初に出てきた「白ごはん.com」のレシピ。
まずは白菜をみじん切りにする。
シャキシャキした白菜は見た目以上にカットが簡単で、包丁で細かく切り刻んだ後、ざっと洗って少量の塩を混ぜ水が切れるまで10分ほど置いておく。

今度はひき肉に味付けするタレを調合する。
- 醤油 … 大さじ1
- 酒 … 大さじ1
- おろしにんにく … チューブで1㎝分
- 砂糖 … 小さじ2
- ごま油 … 小さじ2
- 味噌 … 小さじ1
- 塩 … 小さじ1/3
- こしょう … 少々
これらをボールに入れて混ぜ合わせる。
おろしにんにくは切らしているので省略した。

豚ひき肉に先ほど作ったタレをかけ、手でよく揉む。
同時に、みじん切りにした白菜に細かく切ったニラを混ぜる。
レシピでは生姜もみじん切りして加えることになっているが、生姜がないのでチューブのおろし生姜をタレに加えて代用することにした。

最後にひき肉と白菜を一つのボールに移し、全体がよく混ざるように手でかき混ぜる。
これで、餃子の餡は完成だ。
まあ、なんとなくそれっぽくなってきた。
白菜を大量に刻むのは面倒だが、レシピを見ながらやればさほど難しいことはない。

こうしてできあがった餃子餡を少しずつ餃子の皮で包んでいく。
この作業は時々妻を手伝ったこともあるのでなんとなくわかる。
大谷翔平のメジャーリーグ中継を見ながら24個の餃子を包み終わった。

餃子の焼き方も同じレシピを参考にした。
妻が作る我が家の餃子はお店で出る焼き餃子とは少し違っていて、ほとんど焼き目もつかない。
でもせっかくならば、お店で食べるような焼き餃子を作ってみたいとレシピ通りに真似てみた。
驚いたのは火をつける前にフライパンの上に餃子を並べてから中火で焼くということだ。
その際、油は敷かないのだという。

フライパンの底から小さい音が聞こえはじめたら、そこから1分ほどそのまま焼きます。同時に熱湯75~100mlも用意しておきます。
1分後に熱湯をまわしかけ、弱火にしてすぐ蓋をして、そこから5分蒸し焼きします。
5分後に蓋を外します(お湯が残っていれば少し火を強めて水分を飛ばします)。
水がなくなればパチパチと音が変わってくるので、そうなれば油大さじ1/2ほどを淵からまわし入れます。
引用:白ごはん.com
この手順に従って私も餃子を焼いていった。
まず油なしで焼き、熱湯をまわしかけて5分蒸し焼きにし、最後に少量の油を入れて焼き目をつけるというのだ。

5分経って蓋を取ると、餃子の中の空気が膨張したらしく風船のように膨らんでいた。
最後にフライパンの縁に油を回し入れ、焼き目をつけたがちょっと焼きすぎたようで一部完全に焦げた餃子もできてしまった。

この餃子をまず昼食べて、夜はワインと一緒に食べた。
妻の餃子に比べてお店の焼き餃子には近くそれはそれで美味しかったのだが、妻が作るニンニクやパクチーを入れた特製タレで食べる餃子の方が美味しいようにも感じた。
40年にわたる夫婦生活ですっかり妻の味に慣れてしまったということだろうか。

餃子で有名な赤坂の「珉珉」を思い出し、醤油は使わずお酢と胡椒をベースに餃子のタレを作ってみた。
ラー油の代わりに食べる辣油も入れてみたが、どうもしっくりこないので、徐々に醤油を増やし普通の餃子のタレになっていった。

こうして昼夜2回で合わせて16個の餃子を食べたが、まだ8個残ってしまったので冷凍し後日また食べることにする。
普段何気なく食べている餃子だが、今後白菜やキャベツを食べる際には重要な選択肢となってくるだろう。
手に入る食材をベースに料理を考える。
それこそが実は人間本来の暮らしであり、とても根源的な食生活と言えるかもしれない。
今後も自分で育てた野菜をベースにさまざまな料理に挑戦していけたらと思っている。