昨日からまた岡山に帰省した。
東京は今日も猛暑日で、これで8日連続の猛暑日のタイ記録となるそうだが、岡山も負けず劣らずクソ暑い。

いろいろ用事を済ませて伯母の古民家にたどり着くと、銀色のトタン屋根が太陽に焼かれ、地面はカラカラに乾燥していた。
空き家にしていたこの2週間あまりの間に何か異変が起きていないか、まずは確認して家の内外をひと回りする。

先月剪定した松の木は異常なし。

先月妻が植えた「ルリマツリ」は枯れずに頑張って薄紫の花を咲かせていた。

しかし、その脇にあるツバキの木に異変が見つかった。
枝のところどころに白いものが付着しているのだ。
病気にかかったかと思って調べてみると、どうやら「アオバハゴロモ」という昆虫の仕業らしいということがわかった。

「アオバハゴロモ」の幼虫はこの白い綿のようなものの中にたくさんいるらしいのだが、あまり大量に発生すると樹勢が衰えることもあるので農薬で駆除するという。
ただそれほどひどい被害は出なさそうなので、しばらく様子を見て対応を考えることにする。

裏庭の花壇には通称・猫じゃらし「エノコログサ」が繁茂している。
ある程度、草刈りをして帰ったつもりだったが、わずか2週間でこの始末だ。

入口の花壇には、伯母が植えていた「アガパンサス」が3輪と「アジサイ」が1株。
それ以外は「ドクダミ」に占拠され、それを見た妻はがっかりしていた。

家の中は、さすがに大きな変化はなかったが、玄関の土間で1匹のムカデが干からびた状態で死んでいた。
去年の夏、妻が寝ている横を大きなムカデがはったと言って大騒ぎしたのを思い出す。
家の周囲にムカデ除けの薬を撒いたのだが、やはり自然には勝てないらしい。

それでも先月、私たちが寝る和室にエアコンを設置していたのは本当に大正解だった。
早速エアコンが大活躍。
いつもは奥の部屋で寝ている妻も、熱帯夜はエアコンの部屋で寝ることにした。

ブドウ畑を覗くと、ちょっと嬉しい変化があった。
小さかったブドウの粒が大きくなって、きれいなブドウに育っている。
粒が密集し過ぎているので、これを摘粒し袋かけをするのが今月の仕事だ。

お墓の畑に行ってみると、今度は衝撃の光景が私を待っていた。
夕日をバックにトマトとキュウリの棚を確認した時のことだ。

心配していた通り、キュウリが巨大化し「お化けキュウリ」になっていたのだ。
しかも、1本や2本ではない。

コイツもアイツも、全部のキュウリが巨大化していた。

キュウリは花が咲いてからほぼ1週間で収穫のタイミングになるため、ある程度巨大化することは予想していたが、後から花が咲いたものは普通のキュウリになるものだと思っていた。
ところが、どうやら巨大化したキュウリが全ての栄養を吸収し、後から咲いた花は実をつけることができなかったようだ。

ツルの上の方には、花が咲いた形跡があちらこちらに残っていたが、それらは力なく干からびてしまっていて、キュウリがほとんどできていなかったのだ。
キュウリは実をつける時期に大量の水と肥料を必要とするという。
ちょうどその大切な時期に留守にして、雨も降らず異常な高温が続いたため、「お化けキュウリ」だけがぶら下がることになったのだろう。

仕方なく、「お化けキュウリ」を全部収穫しカゴに入れて持ち帰る。
全部で14本、長いものはカゴのサイズぎりぎりの大きさで、ずっしり重い。
果たしてこんな「お化けキュウリ」は食えるのだろうか?

一方トマトは乾燥に強いだけあって、比較的順調に育っていた。
いくつか赤く色づいてきたものもあるが、ちょうど今回の滞在中、収穫時期を迎えそうな雰囲気だ。

ミニトマトも、この2週間の間にたくさんの実をつけ始めていた。
これは赤くなるのが毎日楽しみである。

中には実が割れてこのまま放置しておかない方が良さそうなトマトもあり、この日はそうした実だけを収穫した。
とりあえず、乾燥しきった畑に水を撒く。
キュウリにはたっぷりと水を与え追肥も行ったが、果たして復活して新たなキュウリを実らせてくれるだろうか?

サツマイモはまずまず順調に育っているように見えた。
その脇に植えたショウガはどうやら失敗で、芽が出なかったようだ。

雑草に覆い尽くされた畝では、申し訳なさそうに小さな大根がかろうじて生き残っていた。
一緒に蒔いたラディッシュは全滅のようだ。

トマトの根元に蒔いたバジルの種も玉砕したらしい。
苗から育てるものに比べタネから育てようとした作物は成功の確率がかなり低い。
しばらく雑草の王国となっていたこの場所では、無数に眠る雑草の種に打ち勝って作物の種が発芽するのはかなり厳しいと見える。

収穫してきた「お化けキュウリ」の中で一番小ぶりなのを選び、傷んだトマトと一緒に食べてみた。
キュウリは洗い桶いっぱいの大きさである。

トマトの方は、傷んだところを切り取ってやれば普通に食べられる。
私が作ったトマト第1号はとても瑞々しい美味しいトマトだった。

そして、問題の「お化けキュウリ」。
妻は少し硬くなった皮を剥き、大きくなったタネも取り除いたうえで、スライスしたキュウリを塩揉みにしてくれた。
これがなかなか美味しいのだ。
巨大化してもキュウリはキュウリ、ちゃんと美味しく食べられひとまずホッとする。

今月は毎朝畑に行って、トマトとキュウリの様子を見守ることになるだろう。
自分で育てた野菜を収穫する楽しみ。
次々に収穫のタイミングを迎えるトマトとキュウリが家庭菜園で愛される理由がよくわかった気がする。
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