朝起きてきた妻が頭痛がすると言うので、昨日の午前中は畑には行かず、おとなしく家で時間を過ごした。
そうだ、タネを蒔こう!
3月の予定の中に、野菜のタネを蒔くというのがあって、これなら家でできる作業である。

3月にまず蒔きたかったのはこの2つ。
キャベツと白菜だ。
去年の秋に苗から育てたのだが、買った苗からそれぞれ1個しか収穫できないため費用対効果が悪いと判断し、この2つの野菜はタネから育ててみることにしたのだ。
YouTubeで農家がアップしている種まきの動画を見て、そのやり方を真似ることにした。
その農家のオススメは、普通の土ではなく種まき用の培土と「バーミキュライト」という園芸用土を使う方法だった。

早速車を走らせてホームセンターに行き、40リットルの種まき培土と2リットルのバーミキュライトを買ってきた。
バーミキュライトとは、蛭石という鉱物の一種を加熱風化処理したもので、多孔質で非常に軽く、保水性・通気性・保肥性があり、主に土壌改良剤として使われるらしい。
いずれにせよ高い物ではないので、これで苗ができるなら無駄な投資ではないだろう。

まずは、種まき培土を空のプランターに入れる。
土というよりも木屑のような感じで、白い粒々がたくさん含まれていた。

この種まき培土にあらかじめ水を撒いて全体に水分を含ませる。
加減がわからずに、YouTubeの動画よりも水分をかけすぎてしまった気がする。

湿らせた種まき培土を園芸用のポリポットに入れていく。
このポットは去年ホームセンターでいろいろな苗を買った時に苗が入っていた容器で、移植後捨てずに取っておいたものである。
黒がたくさんあったので、黒いポット6個に白菜のタネ、カラフルなそれ以外のポット6個にキャベツのタネを蒔くことに決めた。

まずは白菜のタネから。
ホームセンターで買ってきたのは「春まき春光白菜」というタネ。
「味としまりの良い晩抽早生種」と書かれていた。
晩抽というのは、野菜に花が咲くのが遅いという意味だそうで、春蒔きのタネの場合、晩抽性がないと早く花が咲いて食用に適さなくなるということらしい。

袋の中からタネを取り出す。
黒くて丸い小さなタネだ。
こんな小さなタネからあの大きな白菜ができるのかと思うとなかなか感慨深い。

用意したポットの中央に人差し指で1cmほどの穴を開ける。
その穴にタネを1個ずつ落として、軽く土をかける。
実に簡単だ。

続いて、キャベツ。
こちらは「四季どり やわらかキャベツ」という品種のタネを買ってきた。
袋には「耐病性に優れたやわらかい早生種」「一代交配」と書かれている。
一代交配とは何か?
サカタのタネの説明はこうだ。
『形質(色、形や性質、特徴)が異なり、それぞれに長所をもつ2つの品種を親としてかけ合わせて(交配)作り出された、子(雑種一代目の品種)のことです。別名「F1」とも呼びます。』
つまり、成長したキャベツからタネを取ってそれを次の年に蒔いても、全く同じキャベツはできないということらしい。
とはいえ、現在栽培されている野菜のほとんどはこの一代交配だそうで、素人が気にする問題ではないようである。

キャベツのタネも先ほどの白菜同様、黒くて丸くて小さい。
両方のタネが混ざっても間違いなく私には区別できないだろう。
これらのタネをカラフルな方のポットに1個ずつ蒔いた。

こうしてタネを蒔き終わったら、バーミキュライトの出番。
バーミキュライトを袋から取り出してみると、まるで細かな木のチップのようで、実に軽い。
とても鉱石だとは思えない素材だ。

培土の表面が乾かないようにバーミキュライトで培土を覆い隠していく。
12個のポットの表面が見えなくなったところで再び全体に水をかけ、これで種まきの作業は終了。
観察したり写真を撮ったりしながら30分弱、実に簡単だった。

午後には妻も少し元気を取り戻し、裏の畑にほうれん草などのタネを蒔きたいと言い出した。
去年ラディッシュなどを栽培した畝をそのまま使い、せっかくなのでここでも種まき用の培土をマルチの切れ目に撒き、「ここに好きなタネを蒔けばいい」と妻に伝える。

タネの蒔き時をチェックし、妻が選んだのはこの3種類のタネ。
伯母が使っていたサラダほうれん草と小松菜、そして我々が買ってきた「サラダセット」といういろんな青菜のミックスシードである。
サラダセットには、ブロンズ、グリーンリーフ、エンダイブ、サラダ菜、チコリ、クレソンが含まれていると袋には書いてあった。

種まき培土を敷いた畝に一本の筋を掘り、妻はそこにパラパラとタネを蒔いていく。
ほうれん草などの葉物野菜はこうして筋状にタネを蒔いて、芽が出た後に間引いて育てるのが一般的だ。
これらの野菜は収穫までの間隔が短いので、ちゃんと発芽したら来月にも食べごろになるだろう。

本格的に農作業を始めて2年目。
今年のテーマはタネから育てることだ。
タネが発芽するためには水やりを欠かさないこと。
種まきの後にはホースでしっかり水をやり、今月はこれが毎日の日課となる。
果たしてちゃんと芽が出てくれるのか・・・心配でもあり、楽しみでもある。
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