ブドウの収穫をメインとした今月の岡山帰省も残すところ3日。
東京に戻る前にどうしてもやっておきたいミッションがあった。

それはサツマイモである。
今年5月に苗を植えたまま、ずっと放置しておいた。
ようやく葉が茂り始めた頃、サツマイモを植えた畝に大きな穴が2つ3つ開いているのを見つけた時はやはりショックだった。
ここにもイノシシが来るのか?
この穴はどう見てもイノシシが掘り返した跡のように見える。
「まあ食われたら仕方がない」
そう開き直って放ったらかしにしていたのだが、今回畑を見回った時、一面雑草に覆われた畑の中で健気にもサツマイモたちが生き残っているのを発見した。

見たかぎり葉っぱは元気そうで、猛暑日が続いた今年の夏の暑さにも負けずしっかりと育っているようだ。
イノシシもその後は現れていないらしく、新たな被害は発生していない。
そうなると急に欲が出てくるのが人間というものだ。
来月にはもうサツマイモが収穫できる時期になる。
あと1ヶ月、イノシシから守りさえすれば、去年のようにサツマイモが収穫できる可能性が出てきたわけだ。
よし!イノシシからサツマイモを守ろう!
以前購入したまま納屋に置きっぱなしになっていたイノシシ除けのネットを畝の周囲に張り巡らすことに決めた。

今朝、6本のプラスチック製の杭を立てるところから作業は始まった。
雨さえ降っていれば簡単な作業なのだが、あいにく岡山ではこの夏ほとんど雨らしい雨が降っていないため、畑はカチカチ、ハンマーで杭を打ち込もうと思っても硬い地面に弾かれて全く入っていかない。
納屋にあった細い鉄製の棒を持ってきて重い鉄のハンマーで土に打ち込んでみる。
さすがに鉄の棒は釘のように土に深く刺さったが、引き抜こうとすると今度はどんなに頑張っても抜けないではないか。
困ってしまい家に戻ってスコップと水の入ったタンクを取ってくる。
鉄の棒が刺さった穴に水をたっぷり流し込み、周辺の土をスコップでほぐしていくとようやく抜くことができた。
やはり乾燥した土をほぐすには水が効果的だ。
これに気づいてからは、杭を打つ場所をあらかじめ水で柔らかくして鉄の棒を少しずつ打ち込みながら穴を大きくしていく。
そして最後はその穴にプラスチックの杭を鉄製ハンマーで打ち込んで、畝の周囲に6本の杭を立てることができた。

なんとか杭が立ったので、妻を呼んできてイノシシ除けのネットを張っていく。
ネットの大きさは高さ1.6メートル×長さ20メートル。
高さはちょうどよいが、ネットの下を何かで止めなければイノシシ除けの意味がない。
畝の周りを一周すると、長さ20メートルではちょっと足りないようだ。
何か別のものを使って補強する必要がありそうである。

完璧とは言えないものの、一応イノシシからサツマイモを守る囲いができた。
イノシシの視点から考えれば、今の時期、わざわざ我が家の貧弱なサツマイモを狙わなくても、周辺には美味しいブドウや野菜がたくさん実っている。
たまたまうちの畑を通りかかり、サツマイモに遭遇しない限り、食われることはないのではないか。
そんな楽観論も頭をもたげてくる。
今月末には友人たちが岡山に遊びにくる予定なので、ブドウ狩りとともにサツマイモ掘りも楽しんでもらおうと思っている。
それまで後半月。
なんとかイノシシには大人しくしていてもらいたいものである。