11月に入って、吉祥寺の街もクリスマスの飾りが目立つようになった。

東急百貨店の入り口にはクリスマスツリーが登場し・・・

ダイヤ街の入り口にもクリスマスの飾りが取り付けられた。
コロナ禍で客足が遠のいていた商店街にとっては、何とか年末年始まで感染者が少ない状況が続き、失われた売り上げを取り返したいところだろう。

そんなクリスマス気分の街を抜けて、私が向かったのは根子眼科。
最近出かけると言えば、病院ということが多くなった。
いよいよシニアの仲間入りである。
歳をとると若い時には考えなくてもよかったようなことに悩まされる。
今日は眼科で、まぶたの淵にできたイボを取ってもらうのだ。

まぶたの淵にプツッと出っ張りが目立ち始めたのは、だいぶ前のことだ。
痛みもないのでそのまま放置していたのだが、先日眼科検診を受けた際に相談してみると、悪いものではないと思うけど気になるなら取りましょうと言われ、今日改めて眼科を訪ねることとなった次第だ。
普段しげしげと自分の顔を眺めることもないのだが、ちょっと気になって洗面台の鏡に顔を近づけ目のまわりを眺めてみると、まぶたの上にはいくつものイボができているように感じる。
目のまわりには無数のシワが走っていて、否定しがたい老化のサインがそこにはあった。
おばさんたちが、目のシワを気にするのはこういうことかと妙に合点がいった。
女性は毎日鏡で自分の顔を観察するので、そのたびに気分が落ち込み、なんとか少しでも若返りたいと悪あがきしたくなる気持ちも理解できる。
それほど目のまわりには年齢が表れるものなのだ。

「根子眼科」は人気のクリニックなのでいつも患者さんでいっぱいなので、午前中の診療が終わる12時半に行き、他の患者さんが全部終わったところでイボを取ってもらった。
先生はいつものルーペでまぶたのイボを拡大しながら針のようなもので表面を切開し、中に溜まっていた油のようなものを絞り出す。
そして塗り薬を塗って治療は数分で終わった。
「やはり老人性のイボですか?」とネットで調べた知識をもとに聞くと、「いや老人性じゃないですよ。稗粒種というもので若い人でもできるものです」と教えてくれた。
「稗粒種(ひりゅうしゅ)」とは、皮膚の中に白い脂が溜まるもので、若い人は目のまわりに、歳をとると額や頬など顔のどこにでもできるそうだ。
しかも、できる原因はわかっていないので、予防法もないという。
治療法は私が受けたように、針で表面に軽く切り口を作り、専用の器具を使って中身の白い塊を押し出すだけ、多少チクチクした痛みがある。
あとは化膿止めの塗り薬を2〜3日塗るだけだという。
歳をとると、些細な問題がいろいろ出てくる。
それだけ暇になったということでもあり、時間だけはいくらでもあるので一つ一つ解決していくほかに手はないのだ。

眼科の帰りに、東急百貨店の北側、先日道路が陥没しゴミ収集車がはまって動けなくなった現場に行ってみた。
今日未明に、ようやくゴミ収集車が大型クレーンで吊り上げられ撤去されたというニュースを見たからだ。
もう現場に報道陣の姿はなく、工事関係者だけが現場を見守っていた。

近づいてみると、道路を覆う目隠しの向こうにゴミ収集車の姿は消えていた。
事故の原因は、すぐ脇で行われている「葡萄屋」跡地での建設工事、地下2階まで掘った穴を支える土留めの強度が不十分だったことのようである。
とにかく現場の道路の復旧を優先させるという判断で、穴にはすでにコンクリートが流し込まれているという。
この路地で営業している飲食店への影響はまだしばらく続きそうだ。

人も街も、いろいろ問題が発生する。
それが日常だ。
無用な大騒ぎをするのではなく、専門家を見つけて一つ一つ正しく対処すること。
それが大切なことである。