財布を紛失した

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昨日のことだ。

地下鉄の改札を出ようとした時、財布がないことに気づいた。

「あれっ?」

一瞬、何が起きたのか理解ができない。

いつも財布を入れているポケットだけでなく、上着のポケットや考えられるあらゆるところを探すが見つからない。

「電車の中に落としたか?」

そう思って、駅の職員に届ける。今降りた電車の車内をチェックするよう手配してくれたが、車内には見つからなかったとの知らせが届いた。

財布の中にパスモの定期券が入っていたので、財布が駅に届けられた場合には、パスモの情報をもとに連絡をもらえるという。

駅員さんは「東京メトロ線内でのお忘れ物のご案内」という紙を示しながら、「東京メトロお客様センター」に連絡するとその時点で拾得物があるかどうか確認できると言って、電話番号が書かれた紙をくれた。

早速、お客様センターに電話してみたが、該当する財布はまだ届いていないという。まだ、なくして30分もたっていない。何れにしても、もう少し時間がかかるだろう。

財布には定期券の他にも、クレジットカードや銀行のキャッシュカード、運転免許証や健康保険証なども入っていた。

「これは、困った」

落ち着くにつれて、困ったことがいろいろと頭をよぎる。

「まずは、クレジットカードを止める必要がある」と思った。

いつも電車に乗っている私にとって、駅の改札で財布を出し入れすることは長年体に染み込んだ行動だし、電車の座席に座っていてポケットから財布が落としたこともない。そうしたことを考えると、スリにあった可能性がかなりあると考えたのだ。

旅行好きの私は、ANAカードとJALカードの2枚を常時持ち歩いている。なるべくマイルを貯めるためだ。

すぐにカード会社に電話して、財布をなくしたことを伝え、一時的にカードを停止してほしいと依頼した。

しかし、こうした場合にカードを一時停止という手続きはないそうで、完全に使用停止にして再発行するしかないと言うのだ。

我が家では、公共料金など多くをカード払いにしているので、一旦妻に連絡しようと思ったのだが、こんな時に限って妻が電話に出ない。

妻はスマホを家に置いたまま買い物に出ていたようで、仕方なく妻に相談することなく2枚のカードを止める手続きを電話で依頼した。

手続きは電話1本で簡単に行え、1週間後に再発行されたカードが自宅に届くと言う。ただ困ったことに、再発行されるカードは番号が変わってしまうらしい。

ということは、カード払いの手続きをすべてやり直さないとならないということだ。考えるだけで面倒臭い。妻の不機嫌な顔が目に浮かぶ。

カード会社からは、警察にも届けを出すよう勧められた。もしカードが不正に使用された場合、警察への届け出をしていると支払いが免除されるらしい。

早速、近くの交番に行く。

お巡りさんは先客に対応中で、しばらく交番の前で待たされる。先客の女性も何かをなくして交番に遺失物の届けを出しに来たようだ。

私の番になり、お巡りさんに事情を話すと、届け出用紙に「いつどこでなくしたのか、財布の中に何が入っていたのか」細かく記入するよう求められる。お巡りさんはその紙を見ながらパソコンに入力していく。ご苦労様だ。

私がそうして手続きをしている間も、交番には次々に人がやってきた。何かを拾ったと言って届けに来る人もいれば、何かを無くしたと言って相談に来る人もいる。もちろん、単に道を尋ねる人も来る。交番は、想像以上の大賑わいである。

「ずいぶん忙しいんですね?」とお巡りさんに聞くと、「表参道の派出所に比べたら全然大したことはないですよ」と笑った。

その時、一人の女性が財布とスマホを拾ったといって交番に来たのだが、交番の混雑ぶりを見て「明日出直してきた方がいいですかね?」と言って帰ってしまった。お巡りさんもパソコンに入力しながら、「では明日お願いします」と答えているのを見て、私の財布ももし見つかったとしてもなかなか連絡は来ないのだろうと思った。

こうして無事に「遺失届」を提出して「遺失届受理番号」というのをもらい、交番を出たところで妻から電話が入った。

財布をなくしカードを停止したことを伝えると、妻は呆れたように私の痴呆を疑った。

「きのうは整体の時間を忘れるし、この間は使えない株主優待航空券を買って飛行機に乗れなかったし・・・」

財布をなくしたのは自分なので、何の反論もできない。

妻はその後、カード払いにしているすべての支払い先をチェックして必要な手続きを調べ上げた。妻は私とは違ってマメで、こういう事務処理能力には長けている。

まさに、破れ鍋に綴じ蓋。ありがたいことである。

そうして電話を切った直後だった。再び妻から電話がかかってきた。

「今、東京メトロから電話があって、渋谷駅に財布があったらしいよ。すぐに電話して」

妻から伝えられた銀座線渋谷駅の電話番号にかけると、確かに財布はあると言う。改札を入ったところに落ちていたと言うのだ。

「どういうこと? 改札を通った後で財布をしまおうとして失敗したということだろうか?」

これはボケというしかない。あるいは、誰かが盗もうとして誤って落としたのか? そんなことはないだろう。妻が言う通り、私がボケたということかもしれないが、どうにも合点がいかない。

幸いポケットに小銭が残っていたので、それで切符を買って渋谷駅に駆けつけた。

事務所に行くと、すぐに私の財布が出てきた。中身もすべて無事。犯罪の匂いはまったくしない。やはり、私がボケたのか?

でも、これでひと安心だ。

免許証や保険証、通勤定期は無事だった。これらがすべてなくなっていたら、再発行の手間と費用はバカにならない。

ここは、「災い転じて福となす」しかないだろう。

カードを紛失して再発行となった以上、このタイミングで、私が従来から希望していたカードの切り替えをしようと考えた。

私が使っていたJALカードのブランドはJCBだったのだが、JCBは海外で使えないことが多く、どこの国でも使えるVASAかmasterカードに変えたいと思っていた。

そこでJALカードに問い合わせたところ、ブランドが違えばJALカードを2枚併用することも可能だそうで、まずは希望するブランドのJALカードを申請し、そのカードが届いた後で必要なければ再発行されたJCBカードを解約すればいいと教えられた。

早速、JALマスターカードをネットから申請した。3週間ほどで手元に届くらしい。JALのお客様番号は変わらず、貯まったマイルも引き継がれる。

ちなみに、再発行のタイミングで、ゴールドカードなど別の種類のカードに変えることはできないそうだ。もし希望するなら、再発行のカードが届いた後で新たにカードの変更を申請するしかない。

ここ数年、休みが取りやすくなり旅行する回数も増えているので、退職後もにらんで、この機会にマイルが効率的に貯められる方法を研究してみようと思っている。

何事も経験。

今回の失策もポジティブに受け取って、自分の今後のライフスタイルを見直すきっかけにできればと考えている。

もしそれができれば、本当に災い転じて福となるだろう。

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