<吉祥寺残日録>岡山二拠点生活🍇 ジャガイモの芽かきと桃の木に発生した「オビカレハ」の幼虫 #220419

4月になると、ホームセンターにたくさんの苗が並ぶ。

花の苗もあるが、場所柄か野菜の苗が主役である。

トマト、キュウリ、ナス、ピーマンなどなど。

その中に、孫の名前がついたトマトの苗を見つけ妙に親近感を覚える。

ただ野菜づくりの本などを見ると、植え付けの適期は5月と書かれたものが多いようなので、今回は眺めるだけで苗を買うのは来月にしようと思う。

我が家の畑では、去年に植えたタマネギがだいぶ大きくなり、根元が膨らんできている。

初めて挑戦したタマネギ作りだが、放置したままでもそれなりには育ってくれているようだ。

表面に張った黒マルチのおかげで雑草がタマネギの生育を妨げるようなことも防げたらしい。

一方、3月に種イモを植え付けたジャガイモも発芽していた。

株によって大きさにばらつきがあるが、何が原因だかわからない。

ジャガイモ栽培では、発芽した後にやる作業がある。

「芽かき」だ。

「芽かき」とは、植え付けから2〜3週間後、発芽した芽の中で育ちの良いものを2本ほど選び、それ以外の芽を全部抜き取る作業のことで、地中にできる芋の数を減らして一つ一つを大きく育てるために行う。

私も本やサイトの情報を真似て、とりあえずやってみることにする。

地面から15〜20cmほどに育ったこれがジャガイモの芽。

この中から丈夫そうな芽を選び、他を抜いていく。

本に書いてあったところでは、2Lサイズにしたい時は芽を1本だけ残し、Lサイズなら芽を2本、Mサイズでよければ芽を3本残すのだという。

若葉をかき分けて芽を見分けようとするが、どれが芽で、どれが枝なのか意外に見分けが難しい。

どうせ商品として出荷するわけでもないので、ここは適当に抜いていく。

種イモが地中から飛び出さないように、土を押さえながら要らない芽を引っ張る。

上手にできると地中からスポッと抜けるのだが、多くの場合、途中でプチっと切れてしまう。

「芽かき」と同時に「追肥」と「土寄せ」という作業もこのタイミングで行う。

「追肥」とは、芽かきの後、株間に肥料をパラパラとまくこと。

伯母の使い残しの「油粕」を適当に撒いてみたが、後でネットで調べるとカリを多く含んだ肥料がいいと書いてあった。

油粕は窒素が多く残念ながらカリは少ない。

追肥の後は「土寄せ」。

ジャガイモの株元に土を寄せるというのだが、岡山はあまり雨が降らないので、ジャガイモを植えた畝は固まってカチコチである。

クワを使っても簡単に土寄せできないので、スコップに変えて、昨日耕した別の区画から土をもらってきて株元にちょっとだけ土を手で寄せてみた。

ジャガイモは成長すると畝から飛び出すことがあり、日光にあたってしまった芋は緑化して有毒物質を作るのだそうだ。

本当はもう少し土をかけてやったほうがいいのだろうが、今回は時間もないのでここまで、果たしてこの適当な芽かきと追肥・土寄せが芋の成長にどのように影響するのか、今後の楽しみなような怖いような。

でも圧倒的に楽しみが優っている。

桃の木がある畑に行ってみると、いない間に桃の花が咲き、すでに散ったことがわかる。

今年も、満開の桃の花を見損なってしまった。

とはいえ、花が咲いたということはちゃんと受粉していれば実がなる可能性があるということだ。

桃農家のYouTubeを見ると、桃の実を確実につけるために人がはたきのようなものを使って人工的に受粉させたり、実を大きくするために蕾の数を減らしたりしていたが、今年は自然のままに花が散った後にどのような変化が現れるのか、まずはじっくりと観察することにする。

そんなことを考えながら、桃の木を眺めていたら、すごいものを見つけてしまった。

枝の分かれ目のところで蠢くたくさんの幼虫だった。

小さな毛虫たちが密集して、一定のリズムで黒い頭を左右に振っているのだ。

あまりの気持ち悪さにギョッとして、その虫の写真を撮り、グーグルレンズで検索してみた。

すると「オビカレハ」という蛾の幼虫だということがわかった。

おそらく卵から孵化したばかりだろう。

「オビカレハ」は、梅の木を好み食害することから「梅毛虫」とも呼ばれるが、桃の木も大好物らしい。

食樹はソメイヨシノ、カキ、バラ、ウメ、モモ、リンゴ、ナシ、ウツギ、コナラ、ヤナギ、ササなど多数。枝に帯状に産み付けられた卵はそのまま越冬し、翌春に孵化する。生まれてきた茶色一色の幼虫は卵塊を中心に糸を張って集団生活を行い、餌が減ると移動する。5令幼虫になるとおのおのが巣を出て単独で行動し、その後黄色い粉のついた繭を作って蛹化。生まれた成虫がまた卵を産んで…というサイクル。このため年1化となるが、産卵数が非常に多いため大量発生も頻繁に起こる。

出典:ウィキペディア

せっかくの桃の木を食い荒らされてはかなわないと対策を調べると、毛虫用の殺虫剤で撃退できるというのですぐにホームセンターに買いに行った。

ネットで調べた殺虫剤は置いていなかったが、「ケムシ撃退」という似たような商品があり、「売上 No.1」という文字に釣られてこれを買ってきた。

庭木用のものを果たして果樹に使っていいのかちょっと不安に感じながらも、さっそく桃の木のところに行って、毛虫めがけてジェット噴射した。

すると、幼虫たちの動きが鈍くなり、やがて動かなくなった。

中には突然の攻撃に驚いて逃げ出す幼虫もいたが、目につく限り殺虫剤の生贄になってもらった。

プーチン並みの大量虐殺である。

もう少し発見が遅かったら、幼虫たちは集団行動をやめて木のあちらこちらに散らばっていただろうから、このタイミングで見つけられたのは幸いと思うしかない。

それにしても、「オビカレハ」の幼虫たちの集団ダンスは衝撃的だ。

動画で撮影して母に見せると、「ああ気持ち悪い」と絶句していた。

しかし虫たちは人間様の都合で生きているわけではない。

去年までのような耕作放棄地であれば、伸び伸びと成長できただろうが、虫の目線で考えれば彼らの住処に突然やってきた人間は迷惑千万ということになるのだろう。

でも、どうせなら美味しい桃を育ててみたいと思うので、虫たちよ、まあ許せ。

本当に自然界にはいろんな奴がいる。

近頃いろんな人が「多様性」の重要さを説いているが、人間が悪さをしなければ、もともと自然界には多様性が溢れているのだ。

<吉祥寺残日録>岡山二拠点生活🍇 初めてジャガイモの植え付けに挑戦する #220319

3件のコメント 追加

  1. Masuo KOBAYASHI より:

    東京と岡山の2拠点生活は大変でしょうが、ある意味羨ましい⁉️
    私は愛知知多と岡山美作。と言ってもこのコロナ禍で30年来続けてきた正月、春の彼岸、田植え、お盆、稲刈りの定例帰省が全くできず人生のリズムが大きく変わった、変えさせられた昨今です。
    夏野菜のナリモノ作物まで手掛けるなんて、凄いの一言です。

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