岡山から戻ってくる時、トマトの棚を倒して未熟なままの緑のミニトマトを大量に持ち帰った。
追熟して赤くなったものを少しずつ食べていたのだが、時間が経つうちに水分が抜けて干からびてきた。

このまま置いておいても食べられそうにないので、何か青いトマトを使ったレシピがないかとネット検索してみる。
熟していないトマトを食べる方法として一般的なのは、ピクルスやジャムにする方法のほか、アメリカ南部ではスライスした青トマトをフライにする「フライド・グリーントマト」というレシピもあるようだ。
しかし未熟なミニトマトは小さいのでフライには向かない。
そうして探していたら、青いトマトを使ってメキシコ料理で使う「ホットソース」を作るというレシピを見つけた。
本当は、「トマティーヨ(Tomatillo)」というホオズキの一種を使うのが正式らしいが、未熟なトマトが「トマティーヨ」の代用品になるらしい。
このままだと捨てられる運命にある未熟なミニトマトだから、うまくいかなくても惜しくはないと思って、このレシピを試してみることにした。
使う材料は・・・
- 青いトマト
- ハラペーニョ
- ニンニク
- オリーブオイル
- 塩
ハラペーニョというのは、メキシコ料理でよく使う青唐辛子のことで、当然我が家にはないので街に買い出しに出かけた。

アトレの八百屋や外国の食材も扱う三浦屋にも行ってみたが、生のハラペーニョは売っていなかった。
加工品ならあるというので、三浦屋の隣にあった「カルディ・コーヒーファーム」を覗いてみると、いくつかハラペーニョの加工品が置いてあった。

ハラペーニョのスライスや刻んだものなどがあり、「タコスやホットドッグのトッピングに!」などと書かれている。
どうせ大量に使うことはないので、一番安くて使いやすそうな「刻みハラペーニョ チューブ」(321円)を購入することにした。

家に帰って、妻と一緒にホットソース作りに挑戦する。
まずは、干からびて美味しくなさそうになったミニトマトを捨て、まだ食べられそうなものだけを選び出す。

次に、使えそうなミニトマトを全部半分に切っていく。
小さくて数が結構多いので面倒な作業ではあるが、私が自らナイフでカットした。
トマトを切り終えると、ニンニクを2片、カットしてトマトと一緒にボウルに入れる。
レシピでは青トマトの大玉3個、およそ780グラムを使ったと書いてあったが、我が家のミニトマトはそれに比べて少量と思われるが、あくまで我流で適当にアレンジしながら真似をしてみることにする。

カットしたミニトマトとニンニクに、オリーブオイル大さじ2杯と塩小さじ1杯をかけて全体に混ぜる。
本当はこの段階で、生のハラペーニョをスライスして一緒にオリーブオイルで混ぜるらしいのだが、私の場合はチューブのハラペーニョなので、この段階では加えず後から入れることにした。

オリーブオイルに絡めたミニトマトとニンニクを、オーブンのトレイに並べていく。
この間に180度に予熱しておいたオーブンに入れる。

オーブンを使った料理は初体験なので、ここは妻の指導を仰ぎながら、恐る恐るオーブンの中にトマトを乗せたトレイを押し込む。
残り物のトマトを処理するにしてはなんだか本格的な料理みたいだ。

20分ほどオーブンで焼くと、表面に焦げ目がついてドライトマトのようになった。
レシピでは水分がトレイに溜まると書いてあったが、我が家のトマトはすでに水分が抜けていたとみえ、全く水気がなかった。

オーブンから出したトマトがある程度冷めるのを待ってから、これを今度はミキサーにかける。
この段階で登場するのが、カルディで購入した刻みハラペーニョだ。

製造元は調布にあるユウキ食品。
タイ料理やインド料理の材料などで知られるメーカーだ。
このメーカーがメキシコ料理で使うハラペーニョまで販売しているとは知らなかった。

焼いたトマトとニンニクにハラペーニョを加え、ミキサーを回すと・・・

なんだか、それっぽいソースができたみたいだ。
焼いたせいか青トマトの青臭さは消え、メキシカンっぽい匂いがする。
少し舐めてみると、トマトの酸味が強く後から辛味がやってくるようなホットソースになっていた。

とりあえずソースはできたので保存容器に入れて、これを何に使うかを考える。
このレシピが載っていたのは、「いなわら亭」というちょっと変わったサイト。
そこにはこのソースについて、以下のような食べ方の提案がされていた。
食べ方としては、まずはシンプルにタコスやケサディーヤなど、メキシコ料理のお供に。
グリルした野菜のソースとしても美味しいですし、パスタのトッピングとしても。ドレッシングのベースにしたり、カレーのブートアップにもいいですね!
わたしの辛いもの好きの友人は、トルティーヤ・チップスのディップにしたと言っていました。これもアリですね!
お肉やお魚を召し上がる方は、BBQなどでグリルした時のソースとして使うのもおすすめです。
引用:いなわら亭
オムレツや目玉焼きなどの玉子料理に添えたりしても、ちょっと刺激的でいい感じです!

私はパスタと一緒に食べてみることにした。
まずスパゲッティを茹で、ペペロンチーノ風にオリーブオイルに絡めたシンプルなパスタを作る。
三浦屋に行ったついでに、ちょっと贅沢にイタリア風豚バラ肉の塩漬け「パンチェッタ」を加える。

ホットソースをいきなりかけるのも不安だったので、ソースは別皿に入れて様子を見ながらパスタに絡めていくことにした。
さらに、チーズとワインを加え、イタリアンな夕食が出来上がった。

恐る恐るホットソースをスパゲッティにかけてみた。
ちょっと水分が足りないのか、粘りっ気が強すぎるようだが、まあ不味くもない。
ホットソースはまだ半分残っているので、今度はもう少し美味しい食べ方を工夫したいと思う。
<吉祥寺残日録>60男の調理修行🔪 図書館で借りた『パスタ大全』を見ながら「スパゲッティ・カレッティエッリ」を作る #221007