<吉祥寺残日録>眠い眠い日曜日、岡山往復のお陰で旅行熱が抑えられているかも #211024

岡山での農作業の疲れが出たのか、朝から眠くて仕方がない。

撮りだめたテレビ番組を見ていてもいつの間にか眠ってしまっている。

おまけに、この天気だ。

昨日に続いて澄んだ青空が広がり、窓際にはたっぷりの日差しが差し込んでいる。

この窓際にマットを敷いて、そこに寝転んで録画番組を再生しているのだから、知らず知らずのうちに眠りに落ちるのも無理はない。

昨夜マンションの理事会に参加し、書記役としてその議事録をまとめなければならないのだが、ちっともやる気が起こらないのだ。

そんなダルダルな今日午前中に見たのは、昔の大河ドラマ「黄金の日々」の再放送である。

今から40年以上前、1978年に放送されたこの作品は、安土桃山時代に活躍した商人・呂宋助左衛門を主人公にした波乱万丈の物語だ。

原作は城山三郎、主人公の助左衛門を市川染五郎(現在の松本白鸚)が演じている。

43年前の作品なので松たか子の父である染五郎もまだ若者で、ヒロイン役が栗原小巻、秀吉役に緒形拳と懐かしい面々が登場する。

若き日に船が難破して流れ着いたフィリピンに再び渡り交易をすることを目標にして戦国の世を生き抜いた助左衛門が、ついに自分の船を仕立ててルソン島に渡るというのが今日見た回だった。

そこで旧知のフィリピンの人々を助けて植民地化を進めるスペイン軍と戦うのだが、これは史実ではなく創造の産物であろう。

ただ、300年の鎖国の前に日本人が海を渡ってアジアを駆け巡っていた時代があったというのは、紛れもない事実である。

日本国内では群雄割拠の国盗り物語が進行するそんな激動の時代に、自らの才覚だけを頼りに海外に乗り出した日本人がいたという事実は、旅行好きな私に力を与えてくれる。

もう一本見たのは、NHKの「世界ふれあい街歩き」。

テレビカメラが一人称で外国の街角を巡り、視聴者が自ら旅する擬似体験ができるという人気番組である。

私がわざわざ録画したのは、街歩きの場所に魅力を感じたからだ。

「中央アジアの庭園都市 アルマトイ〜カザフスタン〜」

私にとって未知のエリアである中央アジアの大国カザフスタン、一度ぜひ行ってみたいと思いつつも国にも街にも何のイメージも持っていなかった。

日本ではあまりテレビで紹介されることもなく、個人的にはとても興味津々でこの番組の録画を見た。

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まず感じたのは、想像していたよりもずっと緑に溢れる近代的な都市だということである。

人口150万人を擁するアルマトイはカザフスタン最大の都市で、1997年まではソ連から独立したカザフスタン共和国の首都だった。

ロシア帝国とそれに続くソビエト連邦によって開発された計画的な街並みは旅行者にとってはさほど面白そうには見えなかったが、ほとんどテレビで見たことがなかったので個人的にはとても新鮮だった。

何よりも街の南にそびえる天山山脈の白い頂は魅惑的で、ぜひ雪のある季節に訪れたいと思わずにはいられなかった。

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とはいえ、今の私は昔ほど旅行熱が高くない。

コロナで海外旅行に行きづらいということも影響しているのだが、考えるにこのところ毎月のように東京と岡山を往復していることも関係があるように思える。

旅行に行きたいという衝動は、日常を離れて自分が知らない世界に触れたいという欲求によってもたらされる。

その点、岡山という何度も行った場所であっても、そこで介護や農業という未知の体験をし、新たな知識に触れることによって、「知りたい」という欲望がある程度満たされているのではないかと私は推測している。

岡山との往復でもそれなりのお金は必要だが、旅行するのに比べれば支出はずっと少ない。

隠居生活に入り、年金以外の定期的な現金収入が無くなった私にとっては、岡山で「知りたい」欲求を適度に満足させ旅行にかかる出費をセーブできれば、老後の生活設計にはプラスに働くのではないか・・・。

眠くて眠くて仕方がない日曜日に、私はそんなひらめきを得た。

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とはいえ、いつかは必ず中央アジアを旅するだろう。

大切なのは持続可能性を高めること。

しっかりと吟味して、有益な旅をしたいと思っている。

一帯一路

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