ティファナ

BS-1のドキュメンタリーWAVE「希望と絶望のティファナ~トランプ就任 国境の町は今~」を途中から見た。

TBSドラマ「A  LIFE」を見て、チャンネルを変えると、テレ朝では映画「STAND BY ME ドラえもん」、フジでは「Mr.サンデー」でトランプ演説の分析などをやっていた。少しずつ見て、BSに回すとたまたまこのドキュメンタリーに巡り会ったのだ。

ティファナは、アメリカ西海岸カリフォルニア州と向き合うメキシコ国境の街だ。私もかつて、サンディエゴからバスに乗ってこの街に入った。中南米旅行の文字通りスタート地点だ。

サンディエゴとティファナの間には巨大な国境のゲートがある。高速道路の料金所を巨大にしたようなものだ。常に多くの車がここを通ってアメリカとメキシコを行き来している。多くはアメリカに働きにきているメキシコ人たちだ。しかし、彼らは夜になるとメキシコに戻る。彼らは低賃金の労働者としてアメリカ経済を支えている。

トランプ大統領が問題にしているのは、彼らとは違い、こうした国境を通らずにアメリカに入国してくる不法移民だ。

今回、このドキュメンタリーを見て、この街の今の姿を初めて知った。今、ティファナには中南米諸国からアメリカを目指す人びとが大量に押しかけ、シェルターと呼ばれる待機施設が人であふれかえっているのだと言う。

彼らの多くは、本国でギャングに脅され命の危険を逃れるためアメリカをめざしていると話す。国境の街ティファナで難民申請を待っているのだ。難民と認定されると合法的にアメリカに住むことが認められる。だからここにやってくる人たちはみんな本国での命の危険を訴えているように見える。中には本当に危険が迫って逃げ出してきた人もいるのだろう。しかし、経済的な理由や子どもたちの将来のために危険を承知でアメリカを目指す人たちもいるに違いない。難民の判定は難しい作業だ。

そして、シェルターを追い出された人たちは、違法を承知で国境の壁を超える。番組で取材した家族はホンジュラスからここにやって来てシェルターにいたが、クリスマスの日に突然追い出された。長期滞在者は順番に施設を出されるルールになっているらしい。そして雨の降る大晦日の深夜、彼らは子どもも連れて、国境の塀の下を流れる排水溝に入っていった。この排水溝はアメリカに通じているのだそうだ。

この幼い少女にとって、施設から追い出されたクリスマスの夜、雨の中排水溝に入った大晦日の夜はどのような思い出として記憶されるのだろうか。トランプ氏の演説の裏側にある人びとの姿をリアルな形で見ることができた。

価値のあるドキュメンタリーだと思った。

コメントを残す