ゆりあぺむぺる

三連休の中日。朝からひどく蒸し暑い。

朝、妻に起こされ久しぶりに公園を走った。妻は近頃、早朝に井の頭公園を散歩しているようだが、私はどうも早起きする元気が出ず、ゴロゴロと貴重な早朝のフレッシュな空気を吸う機会を失っていた。

久しぶりに公園を走るが、今朝に限っては早朝にも爽やかな空気はなかった。

公園から戻ると、妻がミネラルウォーターを買い置きしておこうと提案した。基本的にケチな妻なので、すぐに必要のないものを買うという行為は極めて珍しい。

どうやら朝のニュースで水不足の話題を見たらしい。断水になる日が来るかもしれない。断水にならなくても、ミネラルウォーターが買い占めのため値上がりするかもしれない、と危機感を感じたようだ。

2リットルボトルを2ダース購入した。これだけあれば当分大丈夫だろう。宅急便のお兄さんには申し訳ないが、水はネットで買うのが一番便利だ。

さて、そんな暑い休日。多少休日らしいことをしようと今日もランチに出かけた。午前11時過ぎの外気はクラクラするほど暑い。

以前から何度か行こうとしていつも一杯だった老舗の喫茶店に行ってみることにした。

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このお店、「ゆりあぺむぺる」という。

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吉祥寺駅南口の通称パークロードにあるレトロな喫茶店だ。私の学生時代からあった。すでに40年にはなるという。

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この喫茶店、2階にも席があるようだが、3、4階へ上がる入口がない。おそらくオーナーが住んでいるのだろうと勝手に想像した。

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11時半の開店直後、シニアのカップルが階段から降りてきて外に出て行った。おそらくあれがオーナー夫妻だろうと私は睨んだ。

この「ゆりあぺむぺる」という喫茶店は、近くにある老舗ライブハウス「曼荼羅」の系列店だ。「MANDALA  GROUP」は吉祥寺だけでなく、都心にもライブハウスや音楽スタジオを持ち、アーティストのマネージメントもやっているらしい。

あのご夫婦がきっとそのオーナーなのだ。

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開店直後ということもあっていつも混んでいる店内は私たち2人だけだった。

太い木の梁をインテリアとして強調した店内は、かなり暗い。黒い制服に身を包んだイケメン2人が働いている。そういうお店だ。

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入り口にはこんな絵が飾られ、その先に2階に上がる階段がある。

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1階の照明はこんな感じ・・・。静かにクラシックが流れる。

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カウンター下の木の床は、独特の質感を漂わせている。

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店の一番奥には壁にくぼみが作られ花が飾られていた。ロシアの教会のようだ。

そういえば「ゆりあぺむぺる」という店名、どういう意味なのか。家に帰ってから調べてみた。どうやら宮沢賢治の詩から取られているらしいということがわかった。

「小岩井農場」という長い詩の「パート九」に、「ユリア」と「ペムペル」が出て来る。

景”]この詩は宮沢賢治が小岩井農場を訪ねた時の情景を詠んだものだそうだが、「ユリア」と「ペムペル」は幻想の中に現れる人物のようだ。

YouTubeでこの「小岩井農場 パート九」を朗読してくださっている方がいらっしゃったので、ちょっと共有させていただく。こんな詩だ。

私にはまったく詩心というものがない。だからこの詩の素晴らしさもまったくわからず、オーナーがこの店に「ゆりあぺむぺる」と名付けた意味もまるで理解できない。

しかし、この店の雰囲気はこの詩の世界とどこかで繋がっているのだろう。

そう思って見回してみると、このお店で唯一外界と繋がる窓からの景色が残念だ。

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この写真ではよくわからないが、「磯丸水産」と書かれた居酒屋のまるで詩的でない看板が小洒落た窓辺いっぱいに広がるのだ。この店は40年前にはなかった。借景は如何ともし難いのである。

さて、誰もいない店内でランチを注文する。

ランチメニューは3種類でいずれもコーヒーか紅茶がついて1280円。さすが老舗。ちょっと強気だ。

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妻は「チキンサラダプレート」を注文。バタートーストとココナッツ・ブランマンジェが付いている。

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女性はよくサラダランチを食べているが、私のようなおっさんにはどうも馴染めない。

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私はシンプルに「スパゲッティ・ボロネーゼ」を頼む。

このスパゲッティはあまり私好みではなかった。なんだろう。ちょっと違うのだ。

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ミニサラダが付いているのだが、こちらはレンコンの白が映えて見た目がカワイイ。

でもやはりこの店は喫茶店である。コーヒーは美味しかった。

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妻はホット・・・

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私はアイスコーヒーをお願いした。

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テーブルに置かれた銀のトレイには、あらかじめ砂糖やミルク、ガムシロップまで用意されている。

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たっぷりとミルクを入れ、アイスコーヒーを飲む。暑い夏にアイスコーヒーは昭和の定番だった。最近、私はあまりアイスコーヒーを飲まなくなったが、今日はこれに限る。

食事中、12時の時報が鳴った。

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店の奥に取り付けられている「カッコウ時計」。

「カッコー、カッコー」と、律儀に12回鳴いた。

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お勘定のレジもこだわりの逸品だった。さすが「MANDALA  GROUP」なのだろう。

一度、ライブハウス「曼荼羅」にも行ってみたいと思う。

食べログ評価3.34、私の評価は3.20。

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