昨日は東京での新型コロナ新規感染者が286人と、かなりやばい感じになって来ていたが、夕方のニュースの時間、私はずっとアベマTVを見ていた。
もちろん、藤井聡太七段が渡辺明棋聖に挑んだ棋聖戦五番勝負の第4局。
渡辺棋聖が敗れた第2局と同じ差し回しで再び攻撃を仕掛け、AIも渡辺棋聖やや有利との見方をする中で終盤戦を迎えていた。

棋聖と王位の2つのタイトル戦に臨むにあたり、藤井七段はそれまでのスーツ姿から和装に変わった。
藤井七段はまだ高校生。
しかし、一段と落ち着きを感じさせ、勝てば史上最年少のタイトル獲得という大事な勝負にも気負いは一切見られなかった。

そして午後7時10分。
渡辺棋聖が投了し、藤井七段が110手で勝利を掴んだ。
17歳11ヶ月でのタイトル獲得、30年ぶりに最年少記録を更新した瞬間だった。
解説の棋士たちも、どこで藤井七段に流れが傾いたのかうまく解説できないようだった。
渡辺棋聖がどこかで大きなミスを犯したということもなく、終盤お互いに時間がなくなる中で、ずるずると藤井優位の状況ができ上がっていく。
これが、藤井七段の将棋である。
デビュー当時から詰め将棋では圧倒的な強さを見せ、早指し将棋も得意とする藤井七段は終盤持ち時間がなくなってもミスを犯さない。AIが示すベストな手を淡々と繰り出していくのだ。
素人の私から見ても、AI時代の棋士だなあと感じる。

AIの登場で、それまでの定石が大きく変わった。
過去に囚われない分、藤井七段の棋風は自由であり、将棋ファンだけでなく私の妻のような駒の動かし方もわからないど素人まで魅了するのだろう。
しかしAI将棋は、若い挑戦者たちを間違いなく育ててくる。藤井人気で今、将棋盤がかつてなく売れているという。
人間のトップ棋士がAIに負けてから数年が経つが、これからはAIを相手に腕を磨いた若い棋士同士が戦う時代ややってくる。
藤井七段がタイトルを総なめする「藤井時代」は、そう遠からずやってくると予想するが、同じく藤井くんを脅かす第二、第三の藤井くんの出現も案外早いかもしれない。
それはそれで、楽しみだ。
まずは、藤井聡太新棋聖におめでとうの言葉を贈りたいと思う。
1件のコメント 追加