医療が逼迫しているとして大阪府は初めて大阪独自の「赤信号」の点灯を決めた。
このまま感染者が増え続けると、8日にも用意している重症患者のための病床の7割が埋まる計算で、吉村知事は医療崩壊を防ぐために不要不急の外出自粛を府民に呼びかけた。
私の次男一家も大阪府民なので、どんな状況になるのかちょっと気がかりだ。
年末には家族で上京し、東京にいる親族で会食する計画も立てているが、果たしてどうなることやら・・・。
コロナの感染者は世界的にも増加の一途を辿っていて、昨日までの全世界の感染者数は6500万人、死者の数も150万人を超えた。
1日の死者が1万人を超える日も珍しくないという。
医療現場からは悲鳴にも似た危機感が発信されるものの、一般の国民や政府には第一波のような危機意識は感じられない。
世界的に広がる「コロナ慣れ」や「自粛疲れ」、それにワクチンへの期待感も合わさって、厳しい行動制限はなかなか受け入れられない状況となっている。
ワクチンといえば、イギリスがいち早くファイザー製のワクチンを承認し、週明けにも接種を始めるという。
ロシアもこれに対抗して、自国で開発したワクチンの接種を開始するようプーチン大統領が指示、アメリカでも年内にはワクチン接種が始まる見込みだ。
この半年の経験で、人それぞれコロナに対する自身の考えというものが定まってきている。
そのため、政府や専門家の意見を素直に受け入れない人も増えているのだが、まあ自由を標榜する社会ではそれもやむを得ないかもしれない。
新型コロナウィルスという厄介なウイルスは、自由の度合いが強い国ほど感染が広まりやすい傾向がある。
アメリカで一番流行り、中国ではほぼ押さえ込んだ、そして日本はその中間。
日本に根付いた「自由」には、常に一定の社会的な同調圧力がついてまわる。
それはコロナ対策にとっては有効だったが、中国ほど強制的なものではないので、やはり限界はあるのだ。
さて、そんなコロナは私の行動にも少なからず影響している。
2日前の話である。
ハローワークで紹介してもらったパートの仕事の面接が、午後3時半から予定されていた。
ところが、そろそろ出かける用意をしようと思った3時前から雨が降ってきた。
このところずっと家にいるのに、よりによって外出しなければいけない時間に雨が降るとはついてない。
そう思いながらパソコンを開いて雨雲レーダーをチェックすると、3時10分ごろ一瞬雨雲が切れる予想になっていた。
そして本当に、3時10分になると雨が弱くなった。
私はそのタイミングを逃さず自転車で武蔵野税務署に向かった。
我が家から税務署までは自転車で5分ほど、ほとんど雨には濡れずにたどり着くことができた。
この税務署には遠い昔、確定申告で来たことがあるが、今回応募したのはその税務申告作業のお手伝いの仕事のようだった。
2月から3月にかけて、多くの人が一斉に税務申告に訪れる。
いろんな雑用が一時期に集中するので、とにかく140人もの人手が必要なのだろう。
税務署の屋上には「ネットが便利 申告・納税 e-TAX」と書かれた看板が立っている。
デジタル化を掲げる菅政権だけに、コロナ禍で行われる来年の税務申告はこれまでとは少し様子が違ってくるかもしれない、と思った。
約束の時間より10分ほど早かったが、待つ場所もないので指定された2階の総務課に行ってみた。
面接だと告げると若い担当者が個室に案内してくれた。
ほとんど待つことなく、若い女性と年配の男性が現れ面接が始まった。
私は履歴書とハローワークからの紹介状を出す。
履歴書の備考欄には、親の介護のために不定期で岡山に通っていること、妻がコロナ禍での就業に反対していることを書いておいた。
女性の担当者はそれを見て、「大丈夫なんですか?」と聞いた。
私が「そういう状況なので、お話を聞いてから判断したい」と伝えると、女性は労働条件などについて説明してくれた。
仕事は月曜から金曜までの週5日であること、1月から働いてもらう仕事もあるが、3月の2−3週間だけの短期の仕事もあるという。
私が「ご迷惑をおかけしたくないので、短期の方が望ましい」と伝えると、短期の方は希望者が少なくまだ枠がたくさん空いていると言った。
話し合いの結果、現状では3月段階での親の状況やコロナの状況が見通せないので、今の段階での正式採用は見送り、時期が近づいてもし応募数が足りていなかった場合には税務署の方から電話をもらうということで合意した。
いずれにせよ、合否の連絡が数週間後にくるという。
とにかく、これで失業手当をもらうための就職活動の条件はクリアできた。
この税務署の仕事は毎年決まって募集があるという。
家から近く、短期でしかも1日4−5時間という仕事は、私にとって好ましいと感じた。
これまで60年以上、税金のことなどほとんど知らずに生きてきた。
すべて会社に任せっきりで何の知識もない。
パートをしていれば少しは税金や社会の仕組みのことが頭に入るかもしれない。
来年3月は無理かもしれないが、いつか体験してみようと思っている。