<吉祥寺残日録>工事中の原爆ドームを見ながら考えたこと #201125

広島旅行から先ほど帰って来た。

羽田空港に着いてニュースをチェックすると、小池都知事の記事が目に止まった。

政府と一線を画する姿勢を保っていた小池さんだが、今日の記者会見で「感染対策短期集中」という新しい標語を打ち出しした。

今月28日から来月17日まで、「不要不急の外出」を控えるよう都民に呼びかけ、飲食店には営業時間の短縮を要請したようだ。

背景にあるのが、ここに来て急増する重症者の存在がある。

医療現場からは悲鳴があがり始めているという。

欧米と比べるとまだ、日本の感染者数は桁が違うのに、なぜ?

と、私は思う。

ロシアでさえ、アリーナをコロナ専門病棟に改装するなどの緊急対応をしているのに、日本の病院は今も平時モードでやりくりしようとしているように見えてしまうのだ。

緊急事態宣言の頃、一時的な行動制限で感染爆破を防いでいる間に医療態勢を整えると言っていたのに、この半年間、政府も医療界も何をしていたのだろう?

でも、そんなことを批判しても始まらない。

とにかく今は、医療現場を信頼して、私はステイホームに協力するだけだ。

さて、今回の旅行だが、「一度も広島に行ったことがない」という妻の話から始まった。

岡山で生まれ育っても、意外にお隣の広島県には行ったことがないらしい。

かく言う私も、初めて広島を訪れたのは就職した後だった。

今日の午後、呉で「大和ミュージアム」などを見学した後、飛行場に向かう途中で原爆ドームに立ち寄ってみた。

ところが・・・

原爆ドームはなんと工事中だった。

建物の周囲に足場が組まれ、まるで老朽化したマンションの大規模修繕のような光景である。

私たちは、元安川沿いの遊歩道を歩いて現場に行ったのだが、近くに行くまでそれが原爆ドームだとは気づかなかった。

この保存工事は、原爆ドームの傷んだ部分を補修し、現状を調査する目的で今年の9月から始まり、来年3月まで続くらしい。

それでも、妻は念願が叶って嬉しそうだったし、私も新しいスマホの超広角レンズを使って世界遺産の撮影を楽しんだ。

そして、たとえ工事現場であっても、やはりこの場所に立つと、昭和20年8月6日に引き戻される不思議な感覚を覚える。

晴れ渡った暑い夏の朝、「軍都」広島の空から悪夢が降って来た。

たった一発の爆弾が、一瞬にして10万人以上の命を奪ったのだ。

この人類史に残る悲劇の現場ヒロシマには、今日も多くの子供たちが先生に連れられ訪れていた。

戦後75年、連綿と続けられてきた広島の平和教育。

被爆者をはじめ広島の関係者の皆さんには本当に頭が下がる。

しかし、原爆を投下したアメリカ軍の核の傘に守られる今の日本は、核兵器禁止条約に賛成することさえできない現実がある。

ひねくれ者の私は、さらに普通に日本人とは少し違う意見も持っている。

核兵器だけをことさら強調する核廃絶運動に、少なからぬ違和感を感じているのだ。

酷いのは、核兵器だけではない。

ミサイルも、機関銃も、化学兵器も、たとえ原始的な白兵戦だろうとレイプだろうと、戦争という行為のもたらす悲惨さは何も変わらない、それが私の考えだ。

日本の子供たちが先生に連れられて原爆ドームを訪れる光景は、私には、南京の大虐殺博物館を見学する中国の子供たちとかぶって見えてしまう。

自分たちが受けた被害だけを語り継ぎ、加害の歴史を子供たちに教えなければ、妙な被害者意識だけがお互いに醸成されてしまうのではないか?

子供たちが感じるであろう被害者意識が、将来の戦争につながる危険性を私は危惧する。

そんなことを感じながら、1泊2日の広島の旅から戻って来た。

この旅の記録は、いずれこのブログでまとめるつもりだ。

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