<吉祥寺残日録>ステイホーム週間 #200425

4月最後の土曜日。

普通の年ならば、ゴールデンウィークに突入し、多くの人が移動する時期だ。

しかし、今年は違う。

小池都知事は、今日から5月6日までを「ステイホーム週間」と名付け、企業に休業を要請し、都民に自宅にとどまることを訴えている。

都外への移動も避け、帰省もなるべく避けるよう求められている。

きのう日没前に、妻に誘われて井の頭公園の西園まで散歩に出かけた。

トラックを走る人などがまだいたが、すぐに異変に気付いた。

トラックの脇に設置されている鉄棒などのアスレチックゾーンが封鎖されていたのだ。

確かに小池さんは、都立公園の駐車場や遊具などを使用停止にすると言っていたが、多くの市民が健康維持の目的で利用しているこれらの施設まで使えなくなるとは予想していなかった。

私もここに来ると、器具を使って体を伸ばしたりしているので、「ちょっとこれは困ったな」と思う。でもまあ、これも致し方あるまい。

掲示板にはいつの間にか、「緊急事態措置実施中」のチラシが貼られ・・・

公園内の木々にも、「公園の利用を自粛してください」の注意書きが・・・。

散歩、ジョギングも、マスク着用で十分な距離を保ち、1時間以内に退園するよう求めている。

確かに、休日となると井の頭公園に集まってくる人も多いので、東京都が先手を打った形だ。

このあたり、小池さんの対応は素早く、きめ細かい印象を受ける。

しかし、「ステイホーム週間」初日の今日。

テイクアウトのお弁当を受け取りに昼頃街中に出てみると、人出はまったく減っていなかった。

吉祥寺と同じく最近ニュースで取り上げられることの多い「戸越銀座商店街」はこの週末、商店街が申し合わせて店を閉めているようだが、吉祥寺ではダイヤ街もサンロードも普通に営業している。

ダイヤ街には、知らないうちにマスクを販売するお店も現れた。

洋服屋さんが店頭で少量販売しているのだが、不織布のマスクは50枚で3500円という高値である。

シャッターを下ろした韓国料理店の前でもダンボールに入ったマスクを売っていた。

こちらは20枚入りが2000円、50枚入りは4000円だ。

日本では不評の「アベノマスク」の配布が始まったと思った途端、汚れたマスクが混ざっているとのことで回収騒ぎが起きている。

日本政府が手をこまねいている間に、感染が沈静化した中国や韓国から不織布マスクが高値で流入するルートができつつあるようだ。

本当に必要な人は、高くても買うだろう。

つくづく、「アベノマスク」の愚策ぶりが際立っている。

驚いたのは、これまで閉まっていた「ユニクロ」が営業を再開していたことだ。

個人営業の小規模商店は致し方ないだろうが、集客力のあるこうした大型店が営業するのは「ステイホーム」に逆行する動きだ。

入り口で2人の店員が体温を測っていて対策をしている体裁は取っているが、そういう問題ではない気がする。

当然のごとく、次から次へと客が店内に吸い込まれていった。

「ユニクロ」には強く再考を促したい。

Embed from Getty Images

日本ではこのゴールデンウィークを利用して、国民の行動規制を一段と強める方向だが、海外では逆に規制を緩める動きが顕在化してきた。

一足早く感染を押さえ込んだとされる中国では、街に人が戻り商店の活気も戻りつつあるようだ。

ヨーロッパでも、ドイツで小規模店舗の営業が再開するなど、感染状況を慎重に判断しながら経済活動を再開する動きが出始めている。

最大の感染者を出したアメリカでも、トランプ大統領が経済再開に前のめりで、大統領支持派と反対派の間で、規制解除を巡って再び社会の分断が顕著となっている。

周回遅れの印象が強い日本だが、実際には国民の間での切迫感はまだ一部にとどまっている印象がある。

飲食業、旅行やイベント関係、中小の建設業者や町工場。基本的には短期で資金繰りに苦しむ零細企業や個人に影響が集中している。しかし、その傷は極めて深く、影響が及ぶ範囲は日に日に広がっているように見える。

多くの国民が、この危機の本当の痛みを感じるようになるのはこれからだ。コロナ不況はまだ始まったばかりだということを認識する必要がある。

そして今、最も懸念されているのが、医療や介護の現場の逼迫ぶりである。

日本のテレビでも連日報じられているが、どうも現場の取材が足りていない気がする。そんな中、イギリスBBCの東京特派員が病院内から状況を報告している映像が目に止まった。

こうして実際の病院の内部を見ると、その困難な状況が理解できる。

その一方で、日本人の医療従事者たちが、まだ冷静でやるべき感染対策をきちんと実施していることもわかる。頼もしい限りだ。

日本のテレビ局にも、こうした現場の最前線の取材をお願いしたいものだ。

もちろん、完全な感染対策を施した上で・・・。それがプロの仕事だ。

Embed from Getty Images

とはいえ、こうした医療現場の努力に甘えて、次々に患者が増やしていけば、どんなに現場が頑張っても医療崩壊は避けられなくなる。

休業要請を無視して営業を続けるパチンコ屋やそこに県外からやってくる客のインタビューなどを聞いていると、「暇だから」「何もすることがないから」という呆れた声。あまりの無責任さに怒りを覚える。

一部の無自覚な人たちの行動が、医療現場に不必要な負担をかけるのは、どう考えても理屈に合わない。

中国のような強権体制はまったく望まないが、日本でも感染症対策に特化した強制力のある法整備は必要なのだろう。

Embed from Getty Images

この連休、本当なら私はインド旅行に行く予定だった。

しかし、コロナのおかげでそれどころではない。インドは今も全土封鎖だ。

私の旅行もすべてキャンセル。

旅行会社にはあまりに多くのキャンセルが殺到し、欠航が決まった航空機のキャンセルさえなかなか進まない。

私が予約していたムンバイへの往復チケットは、予約した旅行サイト「エクスペディア」からいまだにキャンセル完了のメールが届かない始末。ちゃんと代金は戻ってくるのだろうか?

旅行関係者の苦労を思えば、文句も言えないが、コロナのせいで今年の計画は台無しになってしまった。

感染症は、戦争や放射能よりもタチが悪い。自分が動き回って感染源になるリスクがあるのだから、いくら鈍感な私でも加害者になりたくはない。

今はただ、心を落ち着けて、耐えるしかないのだ。

一年で一番気持ちのいい季節のはずなのに、じっと家にいるゴールデンウィーク。

ある意味、一生に一度の記憶に残る年になるかもしれない。

みんな一緒に、ステイホーム!!!!!

コメントを残す