<吉祥寺ライフ>コロナ時代の歯医者さん #200529

還暦を過ぎたあたりから、3ヶ月に1回程度、歯医者さんでお口のメンテナンスをしてもらっている。

ところが、コロナのおかげで医者に行く気がせず、歯医者さんからのメールも無視する形ですっかりご無沙汰してしまった。

私の行きつけの歯医者さんは、「いせや本店」にある「黒田クリスタル歯科」。

ちょっとインチキ臭い名前だが、若い男性の歯科医のほかはほとんどが女性スタッフで、とても丁寧にお口の掃除をしてくれる。

クリニックは入り口のドアを開けたまま、診療を行っていた。

もともと清潔なクリニックだが、今は受付カウンターにも感染予防のための透明なシートを設置していた。

受付に立つとまず、消毒液で手を殺菌するよう促された。

続いて、受診当日問診票という紙を差し出され、質問に答えるよう求められる。

熱の有無、同居人の状況、海外への渡航歴などの質問だった。

すべて「いいえ」にチェックを入れると、受付は終了で椅子に座って待つよう促された。

待合室の棚からは通常の雑誌類は撤去され、誰も読みそうもない医学系の資料が並んでいた。

「当院では、院内感染防止について細心の注意をはらっております」

院長から患者へのメッセージらしい。

そうして院内の様子を眺めていると、すぐに呼ばれた。歯のレントゲンを撮り、女性スタッフがいつものようにお口の清掃をしてくれる。

「患者さんは、どう?」と聞くと、一般のお医者さんに比べたら、「歯科医はまだいいかもしれない」との答えが返ってきた。

私のようなメンテナンスの客はキャンセルする人もいるが、歯が痛かったり、治療中だったりの患者さんは、そのまま放置するわけにはいかないのだという。

「なるほど、確かに」

裏を返せばそれだけ、一般の内科医に通っているのは「不要不急」の患者が多いということだろう。

たっぷり1時間ほどかけて口のクリーニングをしてくれた後、男性歯科医と交替した。

歯科医は私の歯のレントゲンをチェックしたり、口内の写真を眺めながら細かく説明してくれた。

医者と一緒に患者も目の前のモニターで自分の口の中の様子を見ることができるのが、私がこのクリニックを気に入っている理由である。

「特に、問題はありませんね」

歯科医は、そう結論づけた。

私は数ヶ月前から、食後に食べていたシュークリームなどのデザートをやめて、「金のミルク」という飴を舐めるようになった。

「デザートを減らすのはいいけど、ずっと飴を舐めていたら歯が悪くなるんじゃない」と妻に時々指摘され、「確かにその可能性はある」と密かに気にしていたのだが、歯科医に太鼓判を押してもらったことで、今後は心置きなく飴が舐められるのは今日の成果だ。

クリニックを出ると、夏の青空が広がっていた。

自粛のせいか、今年は空の色がきれいな気がする。

次に歯医者に来るのは3ヶ月後、その時は延期することなく診てもらえるだろうか?

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