<吉祥寺残日録>竹内結子さんの自殺 #200927

女優の竹内結子さんが自殺したらしい。

TBSの「サンデーモーニング」を見ていた時に、速報スーパーが飛び込んできた。

竹内さんにお会いしたことはないが、「えっ!」と思った。

隣では妻が、「この間、子供産んだばかりなのに」と呟いた。

何があったのか、自殺の理由はまだわからない。

私は彼女が去年再婚し子供を産んだことも知らなかったので、理由をあれこれ詮索する気もないが、やはり「なぜ?」という気持ちは拭えないでいる。

彼女が出演した映画やドラマは、たくさん見させてもらった。

中でも、私のお気に入りは、映画「いま、会いにゆきます」。

泣ける、とっても素敵な映画だった。

竹内さんは、どこか脱力したような役がとても似合う女優さんだった。

シリアスな役柄よりも、自然体でどこか儚さを漂わせるような役が素敵だと私は思っていた。

それは単に私の好みの問題かもしれないが、今となってみると、その儚さそのままに彼女はすうっと私たちの前から消えていった。

一体、彼女の心の中で何が起きたのだろう?

とにかく今は、竹内結子さんのご冥福をお祈りしたいと思う。

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このところ、国内の自殺者が増えているという。

8月の自殺者数は全国で1849人、去年の同じ時期より240人以上増えた。

増加率は15%。

中でも、女性の自殺者は急増していて、8月は前年比40%以上増えたのだという。

それがコロナの影響なのかどうかはわからない。

ましてや、竹内さんの自殺と関係しているかも不明だ。

自殺には個々様々な理由があるので、安易な分析は避けなければならないだろう。

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その代わりというには、あまりにも話がずれてしまうが、先日私がちょっとショックを受けたニュースのことを書いておこうと思う。

北アフリカのリビアでは、独裁者カダフィを倒した革命の後、激しい内戦が続いている。

トルコが支援する暫定政府軍とロシアが支援する反政府軍事組織による内戦だ。

しかし、その最前線では多くのシリア人傭兵が戦っているというのだ。

トルコもロシアも長年にわたるシリア内戦に深く関わっている大国。

その両国がお金でシリア人をスカウトして、傭兵としてリビアに送り込んでいるという。

リビアの最前線で、シリア人がシリア人と戦う奇妙な構図。

しかも、シリア人傭兵たちの目的はあくまで金なのだ。

母国で収入を得るすべのない若者たちが、家族を養うためにリビアの最前線に向かっている悲しい現実がそこにはある。

母国で普通に仕事ができれば、誰も好き好んで他国の戦争に加担などしない。

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長年の内戦によってシリアでは社会が完全に破壊されてしまった。

生活の手段を失った人たちは難民として国外に逃れているが、出国した先では絶望的な難民生活が待っている。

そして母国に残った人たちも、こうして傭兵となって命がけで家族のために金を稼ぐしか生きる方法がない。

見ているだけで、心が苦しくなってくるような絶望的な状況。

これに比べれば、日本社会はなんと平和なことか・・・。

でも、人間の心の問題は、そんなに単純ではない。

経済的な理由は常に自殺の大きな原因だが、それだけでは自殺の問題は解決しないのだ。

シリアのような国でも必死で生きようとする人がいる一方で、日本のような平和な国でも自ら死を選ぶ人もいる。

私は、人には自らの死を選ぶ権利はあるという考えの持ち主なので、自殺した人を責める気は毛頭ないが、もしその人が本当なら死にたくなかったのに、死を選ぶしか方法がなかったとするならば、それは社会の問題である。

何か、救う方法を考えなければならない。

今日、井の頭公園では、保育園児たちの運動会が開かれていた。

幼い子供たちのぎこちない奮闘ぶりは本当に愛らしく、心の底から応援したくなる。

でも、無邪気な子供たちも、成長すればいろいろな問題に直面する。

その時、どのように考えるかで生きやすさもきっと変わってくるはずだ。

目の前のことが苦しければ、無理にがんばらなくて逃げればいい。

生きるのは大変だけど、別の道はきっとある。

どうすれば、一人でも多くの人たちが、生きる意味と力を見出せるのか?

私にできることがあれば、誰かの支えになれたらと、竹内さんの訃報に接して思った。

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