井の頭公園内にあるお店はどこもダサい。昔からやっている既得権で居座っている店ばかりだ。それはそれで個性だからいいのかもしれないが、もっと洗練されて居心地のいい店ができてもいいと私は思う。

夕方帰宅すると、妻が珍しく元気で散歩に行こうという。紫陽花が見たくなったらしい。

玉川上水を歩いて井の頭池のほとりを歩く。紫陽花は葉が虫に食い尽くされ元気がない。花の付きも少ない。日も暮れて、花を楽しむ雰囲気でもなくなった。

家に戻りかけた時、店の明かりに目が止まった。

「PEPACAFE  FOREST」。公園内では一番洒落たタイ料理のお店だ。広いテラス席があり、週末は終日行列が絶えることがない。

昔行ったことはあるが、引っ越し後はいつも一杯なので一度も行かないまま１年以上が過ぎた。見ると、珍しく席が空いているようだ。平日の夜はこんなものなのかもしれない。

「お茶でも飲んで行こう」と妻を誘った。

「ドリンクだけでも大丈夫？」と入口の女の子に聞くと、OKだという。

この季節、すべての扉を開け、全店オープンデッキとなる。寒くもなく、暑くもない。

妻はエスプレッソ、私は「スミノフレモネード」（６３０円）を注文する。

食事は済ませてきたので食べないつもりだったが、メニューを見ていて、思わず「揚げカニ春巻き」（５８０円）を頼んでしまった。

妻の顔に露骨な不快感が浮かんだ。

「お茶だけって言ったじゃない」と文句を言った。私も、そのつもりだったのだが・・・。

スミノフレモネードが来た。実は私はこの飲み物を飲んだことがない。写真につられて注文した。

結果的には、イマイチだった。なんだろう。期待したようなパンチがない。

やはりモヒートにすればよかった。

そして、春巻き。こちらも別にどうということはない。

やはり妻の不満そうな顔を見ながらだと何を食べても美味しくないのだろう。

こんな感じでお店の評価するのも申し訳ないが、食べログ評価３．５４、私の評価は３．３０。

お勘定を済ませ、店を出た後も妻は文句を言った。よほど私が春巻きを注文したのが気に食わなかったのだろう。

このお店、七井橋通りの地下にある「ペパーミントカフェ」の姉妹店だ。他にも中道通りのカレー屋「モンタナ」や公園内にあるガレット屋「うさぎ館 Cafe du Lievre」も同じ系列だということを知った。

この井の頭公園きっての人気店、何が美味しいのか今度また再調査が必要だろう。