妻が不在だと行く店が変わる。
今日は、昼ごはんを食べられなかった代わりに早めに会社を出て、午後4時に吉祥寺に帰ってきた。お腹が空いたので、昼夜兼用のご飯を食べようと決める。
以前から行ってみたかったお店。
それが赤い看板の「TONY’sピザ」だ。
この店名は、ご主人がアメリカに留学中に訪れたニューヨーク・タイムズスクエアにあったピザ屋にちなんだものだそうだ。
井の頭通りから路地を入ったところにあるモダンとレトロが同居したような店構え。
代々木で開業したのが1968年、日本でまだピザが知られていなかった頃だ。だからピザを打つ姿が外から見えるようなお店にした。そのポリシーを今も守り、ご主人は店の入り口でピザを作っている。
窓ガラスには「49」の文字。来年、創業50年の節目を迎える。
夕方4時という中途半端な時間だったので、お客さんはおらず、皆さん休憩中だった。カウンターの上にはアメリカのナンバープレートが飾られている。
店内はもう何十年も変わっていないのだろう。椅子もテーブルもとても年季がはいっている。
古いアメリカンポップスが流れ、まるで「アメリカン・グラフィティ」の世界だ。
メニューの表紙には、開店当時のお店のイラストが・・・。
今よりこじんまりしているが、可愛いお店だ。
メニューには「三種のチーズたっぷりピザ」と書かれている。お店のホームページにはこんなこだわりが・・・。
『ピッツァの本質は何といっても「チーズ」です。オランダ産のエダムチーズ・デンマーク産のマリボチーズ・ドイツ産のモッツァレラチーズという3種類のチーズを、塊で仕入れているんです。それぞれのチーズの個性に合わせた削り方で今でも毎日お店で削っています。削りたてのチーズを使うと全然味が違うんですよ。新鮮なチーズをたっぷり使うのが”トニー流”です。』
そのこだわりの「ミックス」(790円)がこちら。
確かにチーズたっぷりのピザ。しかし、一番の特徴は丸くないことだ。8分の1にカットされたピザが2枚、お皿に載せられて運ばれてきた。
ここはイタリアンスタイルピッツァではなく、ニューヨークスタイルのピッツァなのだ。
手で持って食べる感じでもないので、ナイフとフォークでいただく。
イタリアンに比べトマトのジューシー感があまりない。チーズを食べるタイプのピザだ。
そして生ビールを合わせる。「レーベンブロイ」の生ビール(550円)。
お勘定をしながら、ご主人に聞いてみた。
「4分の1だけ出して、残りの4分の3はどうするんですか?」
するとご主人は、「それが問題なんですよ。他のお客さんを待ちながら作るタイミングを考えるんだけど、誰も来ないと仕方ないです」と言いながら容器の中に作り置きしたピザを見せてくれた。お客さんがいない4時に店を訪れて申し訳ありません。
個人的にはやはりイタリアンスタイルの方が好みだが、入り口で手作りしてくれるご主人の人柄はとても魅力的だった。老舗のピザ屋さんには50年を超えて頑張っていただきたい。
食べログ評価3.59、私の評価は3.30。
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