そばが食べたいと妻が言った。
駅前の「ほさか」だというので、私もすぐに同意して食べに出かけた。
ところが、途中で引っかかってしまった。
丸井の脇の七井橋通りにある「椿屋珈琲 花仙堂」。
チェーン店だとはわかっているが、一度試してみたいと思っていた。
頭痛になるからとパスタは控えていた妻も、最近頭が痛くならなくなってパスタでもいいというので、入ってみることにした。
階段を降りていくと、なぜか入り口に野点傘と床几台。
和の空間なのだろうか?
店内に入ると、やはり和である。
階段箪笥に小物が並んでいる。
だが、その向かいには、和菓子ではなくケーキが並ぶ。
そんなお店のようだ。
店内はとても広い。
そして落ち着いた民芸調のインテリアで統一されている。
緑のソファーに白いカバーがかけられている。
いにしえの高級喫茶店。
そして一番驚いたのは、メイドさんだ。
今時秋葉原でなければ、これは珍しい。
昭和を通り越して明治のカフェといったコンセプトなのだろうか?
壁に飾られた絵画に目が止まった。
これは井の頭公園だ。
なかなか、いい。
こちらの大きな絵も、井の頭公園が描かれている。
落ち着いた大人の喫茶店。
まだ昼前なので、空いていた。
誰かとゆっくり話をしたい時にはいいかもしれない。
ランチメニューはパスタとカレー。
それぞれ、サラダかスープがつく3点セットかケーキセットを選ぶようだ。
値段は、高い。
私も妻もパスタの3点セットを選んだ。
私はスープを頼んだが、スプーンと比べるとわかる通り、すごく小さい。
でも、濃厚なクリームスープで、美味しかった。
妻はサラダを選んだが、こちらはいたって普通だ。
パスタが運ばれてきた。
妻が選んだのは、「広島牡蠣と帆立の焦がし醤油(正田醤油使用)」。
3点セットで1230円+税だ。
気になったのはお皿。
ロイヤルコペンハーゲンのようである。
見た目はソース焼きそばのようだ。
通常の醤油味の和風パスタに比べても色が濃い。
一見美味そうなのだが、食べてみるとちょっと違った。
正直、美味しくない。妻も同意見だった。
日本のお店で食べるパスタで不味いという経験はあまりないが、このパスタははっきりいって私には不味かった。
私が選んだのは、「たらことうに・いくら・紋甲いか」。
3点セットで1280円+税。
ウニといくらがたっぷり乗っかっていて、とても豪華に見える。
代々木八幡「ハシヤ」の「タラコとウニとイカのスパゲッティ」を食べて以来、私にとってこの組み合わせは常に最高の好物となっている。
しかし・・・
この店の「たらこ・うに・イカ」は違った。
原型をとどめより高級感を演出しているウニだが、寿司ネタのようにそれ単体で食べるのではない。
混ぜると、どうもしっくりこない。
いくらの塩気ばかりが強く主張していて、全体として美味しくない。
生パスタが売りのようだが、コシがなくて美味しくない。
私の中にある至上の「たらこ・ウニ・いか」のイメージが完全に破壊されてしまった。
食べなければよかったと思った。
食後にコーヒーがセットになっていて、これもロイヤルコペンハーゲンのカップで登場した。
コーヒーは可もなく不可もなく。
パスタは最悪だったが、店の落ち着きやメイドさんの風情は素敵なので、今度来ることがあったら、カレーとケーキを試してみたいと思った。
食べログ評価3.46、私の評価は3.10。
「椿屋珈琲 花仙堂」 電話:050-5593-5942 営業時間:10:00~23:30 定休日:無休
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