井の頭公園の桜が、すっかり散った。
代わって、新緑が日に日に存在感を増し、私の好きな季節がやってきた。
それにしても、今年、東京の桜は「歴史的」と言えるほど長持ちした。
3回も週末に花見が楽しめるなんて、滅多にない気がするので、一応書き残しておこうと思う。
東京で桜の開花が発表されたのは、3月21日だった。
都心よりも少し遅い井の頭公園の桜も、24日には3分から5分咲になっていた。
3月27日には、全国のトップを切って、東京で桜の満開が宣言された。
上の写真は、週末の31日。花見客のボートで井の頭池が埋まるいつもの光景が展開された。
天候にも恵まれ、七井橋の上は人であふれ、身動きもできない状況だった。
お花見目的の外国人の姿も最近では多く、井の頭公園が東京での桜の名所として外国でも知られるようになったようだ。
翌4月1日の朝。
平日の朝は七井橋の上も通常に戻り、ゆっくりとお花見ができる。
この日、新元号「令和」が発表された。
そして、次の週末・・・
4月6日土曜日の朝、池に花いかだができていた。
今年の桜もこの週末でもう終わりだなと思ったが、ご覧のようにまだまだ満開。この週末も、橋の上は人でいっぱいだった。
そして、今年の桜はここからがしぶとかった。
桜が咲いて3週目の週末。まだ桜は残っていた。
さすがに、かなり花は落ちたが、木を選べばまだ十分に花見を楽しむことはできた。
ただ、3週目ともなると、みんな花見も飽きてきたと見え、七井橋の通行量は通常の週末程度に落ち着いた。
4月14日の日曜日。
井の頭公園の西園に行ってみると、ピンクと白の桜の競演が見られた。
ピンクはソメイヨシノ、そして白い花はオオシマザクラだ。
私はこのオオシマザクラが好きだ。
白い花と新緑が同時に楽しめる。
散歩していた人が、一人また一人と咲き誇るオオシマザクラに近づき、珍しげに眺める。ソメイヨシノを見飽きた今年は、涼しげなオオシマザクラに惹かれた人が多かったのかもしれない。
この日は曇っていてうまく写真に撮れなかったが、満開のオオシマザクラの木の下に入って外を眺めると、とても優雅な気分に浸れた。
どうやら下向きに花を咲かせた枝が多いせいのように思える。
こうして過ぎ行く時代を惜しむかのように、平成最後の桜はほぼ4週間にわたって咲き続け、徐々に散っていった。
今年は晴天だが気温が低い日が多く、激しい春の嵐がなかったせいだろう。
戦争がなかった平成という時代を象徴する、今年の桜だったのかもしれない。
さて、令和最初となる来年の桜は、どんな感じになるのだろうか?