坐禅

このところ妻が「禅」に興味を抱いている。

サンロードにある曹洞宗の月窓寺で毎月第一火曜日の早朝、坐禅会が開かれるのは以前から知っていたが、妻がこれに行ってみたいと言ったのをきっかけに、一度のぞくことにした。

11月は1日が火曜日。ところが、言い出しっぺの妻はこのところ頭痛がひどく、今月はパスすると言う。いきなり出端をくじかれ、私も何が何でも行くとは決めず、成り行きに任せることにして床に付いた。

目を覚ますと、なんと5時20分だった。坐禅会は6時から。「これは行けということだな」と感じてベッドから起き出し、服を厚めに着込んで一人で出かけた。

外はまだ暗く、雨が降っている。寒さを意識して、下は暖パン、上はフリースにライトダウンを着ていく。これだけ着ていると、まだ11月初め、さすがに寒くはない。

寺に着いたのは、午前5時45分を少し回った頃。数人の人が寺の玄関で靴を脱ぎ、お堂の中に入っていく。玄関をあがり、廊下を右手に行った所に受付のようなものがあり、名前と初めての人は住所を書く。

そのまま廊下を進むと、荷物を置く部屋がある。ライトダウンとフリース、靴下を脱いで置き、廊下を少し戻って坐禅の部屋に入る。すでに部屋の中は一杯で、廊下に座るように案内される。縁側のような廊下にはすでに数人が障子に向かって座っている。私もそこに並んで座る。

6時になると、「初めての人は手をあげてください」と言われる。手をあげると僧侶が来て、「座布団を持って付いてきてください」と別室に案内される。ここで住職から坐禅の説明があるという。今日初めての人は、私ひとりだった。どうやら珍しいことらしい。

しばらく待つと住職が現れた。それほどの年齢ではなさそうだが、なかなか落ち着いた感じのお坊さんだ。向き合って座る。説明が始まった。

この座布団のようなものは「坐蒲(ざふ)」と言うらしい。坐蒲には名前を書く白い小さな布が付いていて、これを後にして使う。

座る時は、前を向いて合掌低頭(ていず)、これは両隣の人への挨拶で「隣位問訊(りにもんじん)」という。続いて、後を向いて合掌低頭、これは向かい側の人への挨拶で「対坐問訊(たいざもんじん)」という。

そして、坐蒲に浅めに座り、足を組む。両膝が畳に付くことが重要で、両膝とお尻の三点で安定した姿勢を作る。両足を組む座り方を「結跏趺坐(けっかふざ)」という。

手は右手を左足の上に置き、その上に左手をのせ、両手の親指を合わせる。この手の形を「法界定印(ほっかいじょういん)」という。

目は「半眼」といって見開かず細めず自然に開き、視線はおよそ1メートル前方におとす。

坐禅の姿勢が調ったら、3回大きく息をする。細く長く息を口から吐くという。上体を振り子のように左右に動かす。続いて前後にゆする。身体をまっすぐに正しく落ち着かせる。

坐禅の最中は呼吸のことだけを考え、それ以外の雑念を捨てるように心がける。雨や鳥の音にも惑わされないようにする。そのため、初心者はゆっくりと息を吐きながら、心の中で「ひとーーつ」「ふたーーつ」と数を数えるのがいいらしい。

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