暖かく春の訪れを感じる三連休。妻が屋上に行ってみたいというので、ついて行った。
晴れてはいるが、新宿の高層ビルは霞んでよく見えないほどだ。
部屋からは見えない西側の景色も屋上からは眺められる。
三鷹駅北口のツインタワーが見えるが、今日は富士山はまったく見ることができない。
ちょうど特急あずさが通り過ぎた。
そのまま部屋に戻らず、一人で井の頭公園を散歩する。春のスケッチだ。
まず目についたのが黄色い花。「サンシュユ」という花らしい。
「ハルコガネバナ」ともいう早春の花木。昔、中国から目まい薬として渡来しました」と案内板には書いてあった。
残っている梅の花とのコントラストもなかなか鮮やかだ。
そしてこの季節、目につくのが白い花だ。
「こぶし」の花だ。
「早春を告げる花として、葉より早く小枝の先に6枚の花弁の白い花を咲かせる。“花が咲いたら豆をまけ”、“花たんと咲けば豊年”など農業とのつながりが深い」と案内板に書いてあった。
公園内のあちらこちらで咲いているが、弁天様を望む池のほとりの木はとても大きい。
そして、この日私が一番目を奪われたのは「つばき」だった。あの椿だ。
椿はどちらかといえば嫌いな花だった。
というか、これまで開ききった花しか見たことがなかった。つぼみがほころんだばかりの花の美しさに驚いた。この色、この形。和菓子のようだ。
少し開き始めた花。
さらに開いた花。
正面から見ると、こんな姿だ。
白い花もある。でもやはり蕾が美しい。
私がこの蕾に気づいたのは、一人の女性が携帯で写真を撮っていたからだ。
そして、女性が去った後、私が写真を撮った。それを見ていた中国人観光客の家族が私が去った後、この椿を取り囲みやたらと写真を撮っていた。中国人も椿が好きなのだろう。
咲く花があれば、散る花もある。
これは山茶花だろうか。私はずっと椿と山茶花の区別がつかなかった。
こうして四季折々に公園を歩き、命の移ろいを丁寧に観察していれば、何かが見えてくるものもあるだろう。心穏やかに、いい年のとり方をしたいと思う。