吉祥寺の人気店というのはいつ行っても満席だったりする。
その代表例が、このお店だ。
「エペ」という名のパン屋さんなのだが、その奥にビストロがある。この3年間、何度かトライしたがいつも満席か予約で一杯だった。もちろん予約すればいいのだが、その日の気分で店を選ぶ私たちには鬼門だった。
午前11時の開店からすでに満席。圧倒的に女性が多い。
平日のランチもマダムたちでとにかく満席なのだ。
古い建物をリフォームしたこのお店、パンを作っているところが通りから見えるようになっている。
今は冬だから冴えないが、外側の植栽もとてもきれいに手入れされ、とてもフォトジェニックなお店なのだ。
たまたま図書館に本を返しに行く途中、店の前を通りかかると、窓際の席が空いているのに気付いた。ダメもとで入ってみると、キャンセルが出たので入れるという。1時半と時間が遅かったのも幸いしたようだ。
店の入り口は、パン屋さんになっている。
ちょっとレトロなカウンターの上に、様々なパンが並ぶ。妻も時々、食パンなどを買ってくる。
外からよく見えるように、窓際にもパンが飾られている。
お店の作り方が、いかにも女性誌的であり、吉祥寺的である。
そのすぐ横には、パンを焼くオーブンが並び、まさにできたてのパンを売っているのだ。
そして、パン屋さんの奥には厨房があり、店員さんたちが慌ただしく働いている。
ここがお目当のビストロだ。
さほど広くないスペースに、2人がけの小さなテーブルが並ぶ。椅子が不揃いなのも、いかにも吉祥寺風だ。
通りに面した大きな窓から入る外光と暗めの照明が、心地よい空間を演出している。
木の梁がむき出しのままの天井。
内装にさほどお金をかけていなさそうなのに、おしゃれな空間に仕上がっている。
このお店、近くにある人気ピザ店「Mother’s」の系列店だ。
平日にはランチメニューがあるが、週末はアラカルトのみ。
メインはやめて、前菜を2品ずつ選んでシェアすることにした。
1人400円払うと、お店ご自慢のパンを料理に合わせて選んでくれるという。
まず1品目。
妻が選んだ「山盛りのキャロットラペ」(500円)。
千切りにしたニンジンをドレッシングで和えたシンプルな料理だ。
私は絶対に頼まないと思いながら口に入れると、これが美味しい。爽やかな酸味があり、これはワインが欲しくなる。
2種類のパンが提供された。
手前のパン、焦げた皮の部分がコーヒーの味がした。
バターをたっぷりとつけて、パンをいただく。
どちらも美味しく、あっという間に食べてしまった。
このバターナイフも、本場っぽい。
2品目は、私が選んだ「生ハムの出汁で煮た白インゲン豆のスープ」(720円)。
わざわざ「これはオススメ」とメニューに書かれていた。
「2人分に分けてお持ちしましょうか?」と聞くので、お願いした。
2人に分けても十分の量があった。予想したよりも塩辛い。
パンをパクパク食べてしまったのを後悔する。
3品目。
私が選んだ「鶏レバーのなめらかパテ 〜レバーとパンのマリアージュ〜」(720円)だ。
まるでシャーベットのような見た目のパテ。
私はパテをパンにつけて食べるのが好きだが、この店のパテは名前の通り通常のものよりなかりなめらかだ。
妻は少しお酒が入っていると言う。
私にはわからないので店の人に聞くと、ブランデーが少し入っているということだった。これがなめらかさの原因かもしれない。
3種類のパンは、それだけで美味しい。
特にオレンジの入ったパンは絶品で、パテをつけるのがちょっともったいないようだ。
パテをたっぷりつけてパンをいただく。
フランスの味がした。
そして最後の4品目。
妻が選んだ「レンズ豆のコロッケ 〜フォンドボーのソースで〜」(750円)。
見た目がとても良い。
中は豆だけかと思っていたら、コンビーフのようなスジ肉が入っていて想像以上に凝縮されたコロッケだった。
フォンドボーはフランス料理でよく使われる子牛の肉や骨からとった出汁。全体的に濃いめの味付けなので、ここでもまたパンを食べてしまったことを後悔する。
コロッケを食べ終わること、「パンの追加はいかがですか?」と焼きたてのパンを持ってきてくれた。どうやら、私たちは食べるペースが速すぎるようだ。
厨房の前には、様々なパンがテーブルに置かれていた。
これを切って、料理に合わせてテーブルに持ってきてくれたのだ。
パンと美味しい前菜で十分お腹がいっぱいになる。やはりグラスワインがあった方がいい。
吉祥寺の人気店。店員さんも感じよく、とても素敵なランチだった。
食べログ評価3.59、私の評価は4.20。
「Boulangerie Bistro EPEE」 電話:050-5594-1229 営業時間:10:30〜23:00 定休日:無休 https://www.facebook.com/BoulangerieBistroEPEE/
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