この路地は何度も通っているのに、こんな店があることをまったく知らなかった。
妻が岡山に帰省して2日目の夜、イタリアンに行くことに決めた。小麦が頭痛に悪いと思い込んでからイタリアンに行く機会がずっと減ったからだ。
ネットを調べて見つけたのが「BUCA(ブーカ)」。輸入食品を扱う「Carnival」の2階にその店はあった。
階段を上がった突き当たり、まさに隠れ屋のような店だ。
店内はバーのような落ち着いた雰囲気。カウンター席のほか、二人がけのテーブルがいくつかと4人がけのテーブルが一つ。大人2人で来る店のようだ。
この場所に店を開いて4年になるという。
まずはグラスの白ワイン。「MERI」というサルディーニャのワインだ。
750円。いつも行くような店よりもちょっと値段が高い。
この店はワインにこだわりがあるようで、1人2杯以上ワインを頼まなければ、チャージ料金がかかる仕組みだ。
食べ物もそこそこの値段なので、心して選ぶ。
「トリッパと白いんげんのトマト煮込み」(1100円)。
要するにイタリア風もつ煮込みだ。私はパリ時代にトリッパにはまった。メニューにあるとついつい頼んでしまうのだ。
トマトとチーズの味が染み込んだトリッパは本場の味である。
トリッパを注文してから気づいたのだが、「前菜5種盛り合わせ」は1人分から頼むことができるらしい。そう言えばネットでもこの店で必ず食べるべき料理としてこの前菜5種盛りを紹介していた。
順番が変だが、「前菜5種盛り合わせ」(1400円)を頼んでみた。確かに美味しそうだ。
目を引くのは真ん中の「プーリア産ブッラータチーズとザクロ、ボローニャ産ハム“モルタデッラ”」という前菜。ただ個人的に一番美味しかったのは手前の「活真鯛カルパッチョ、レモンとケッパーのソース」だった。
照明が暗いのでうまく写真が撮れないが、どの料理も見た目はいい感じである。
2杯目は赤ワイン、「当店限定」という文字に惹かれて「フォンターナ・ディ・グリッリ」というグラスワインをいただく。850円。
これはあまり私の好みではなかった。
そして締めはパスタ。
「ブカティーニ;アマトリチャーナ(グアンチャーレのトマトソース、ペコリーノチーズ)」(1700円)というのを選んだ。
アマトリチャーナだからトマトソースだろうということだけ予想がついた。
濃厚なソース。ブカティーニはシチリア発祥の穴あきのロングパスタだ。普段日本で食べるパスタとは明らかに違う。本場の味なのだ。
料理のレベルは高い。こだわりの店だ。でもこの値段では、ケチな妻を連れて行くことはできないだろう。
食べログ評価3.63、私の評価は3.50。