我が家の近くに先週ベトナム料理店がオープンした。
アメリカで創業したお店の日本初上陸店だそうだ。

ベトナム料理専門店「WICH PHO」。
吉祥寺通り沿いのビルの地下。つい先日まで居酒屋チェーンが入居していた場所だ。駅からは近い。

エレベーターもあると書かれていたが地下1階なので階段で降りると、予想外に深い。
途中でガラス越しで店内が見えた。結構、広いお店だ。

店内から階段を見上げるとこんな感じ。
ベトナム風のランタンがエキゾチックな雰囲気を演出する。
エレベーターだと、降りたらそのまま店内。帰りはエレベーターで上がった。

店内はベンチシートが壁沿いに巡らされたテーブル席。
アオザイ姿の店員さんも全員ベトナム人のようだ。

カウンターの向こうに厨房がある。
店長らしき男性が日本語でサービスをしてくれる。とても感じがよく、何度もお茶を汲みに来てくれた。
衛生面などで厳しい日本で店を成功させてベトナムに逆上陸したいと夢を語ってくれた。

中二階にガラスで仕切られた個室もある。
全体にゆったりした作りなので、街の喧騒を忘れてゆっくり食事することができそうなお店だ。

ベトナム料理専門店を標榜するだけあって、メニューも豊富で、吉祥寺にたくさんある「なんちゃってエスニック」とは一線を画す。
私は、こういう店を待っていたので、メニューをめくりながら嬉しくなった。

ランチメニューには、生春巻きと揚げ春巻きがセットになっている。
それぞれ別のタレで食べるのだが、どちらもとびきり美味しいということもないが普通に美味しい。
奇をてらわないその味に好感を抱く。

そして、妻が注文したランチが運ばれてきた。
「鶏肉のフォー&生春巻き、揚げ春巻き&お茶」(950円)。
見た目はシンプルで、スッキリしている。

レモンと唐辛子はお好みで・・・。
当然、しっかりレモンを絞り、唐辛子を入れた方が美味しい。

吉祥寺でフォーといえば、「チョップスティック」が有名だが、個人的には「チョップスティック」の自家製麺はちょっと粘っこすぎると感じている。
フォーはパスタと違って、乾いた麺をさっと湯がいて食べるのがいい。
その意味では、この店のフォーは王道。変な小細工がない。

スープもあっさりしていて、全体に控えめ。
近くに「デ・サリタ」の奇をてらったフォーなどよりはるかに美味しい。
フォーが食べたくなったら、今後はこの店に来ることになるだろう。

一方、私が注文したのは「日替り定食」(950円)。
この日の定食は、「ウズラの卵と豚角煮定食&生春巻き、スープ&お茶」だった。

小ぶりにカットされた豚の角煮は柔らかくて甘辛い味付け。
ある意味、正統派の角煮で、汁と一緒にご飯にかけながらいただいた。
エスニックらしい料理を期待する方には向かないが、香辛料も強くないので日本人には間違いなく食べやすい。
普通に美味しい。

付け合わせのサラダのようなものは、酸味が強く漬物のようだ。
豚の脂を食べた後に口をさっぱりしてくれる。

スープは、フォーのスープと同じ感じだ。

そしてお皿に盛られてご飯。
結構量があったが、ペロリと食べてしまった。
個人的にはもう少しベトナムっぽい定食が食べたかったが、日替わりなので致し方ない。
ランチでもアラカルトが注文できるのかは聞くのを忘れたが、夜にまた来てみたいと思えるお店だった。

愛想のいい店長さんが、開店記念だと言って帰り際にこんな物をくれた。
粘土か石鹸のようだが、ベトナムのお菓子だと言う。
後で調べてみると、ハノイの名物「バインコム」というお菓子だとわかった。

とても食べ物と思えない外見だが、食べてみるとこれが意外に美味い。
柔らかいお餅の中に、緑豆とココナッツが入っている。
さほど甘すぎず、ココナッツのコクのようなものがある。バンコクで食べたお菓子にも似ている気がする。
これが一番、異国を感じさせてくれた。
吉祥寺でお店を成功させるのは大変だが、この店には是非頑張って生き残ってもらいたいと思う。
食べログ評価はまだ無し、私の評価は4.00。
「WICH PHO」 電話:0422-26-5939 営業時間: ランチタイム 11:00~15:00(L.O.14:30) カフェタイム 15:00~17:00(ベトナム珈琲無料) ディナータイム 17:00~23:00(L.O.22:00) 定休日:無休