吉祥寺の五日市街道近くに、新しいお店ができたことを知った。
変わったお店のようだ。
住宅街の地下駐車場の入り口に小さな看板があった。
「四歩」と書いて「しっぽ」と読むらしい。
「お食事と日用品と古道具」と看板に書いてあった。
スロープを降りていくと、外にたくさんの食器が並べられ、販売されていた。
どうやらここがお店の入り口らしい。
中はまるで家具屋さんの倉庫のようだ。
もともと倉庫だったようで、窓はなく天井が高い。そして外からは想像できないほど、広い。
半分がカフェで、半分が雑貨屋さんになっている。
お店オリジナルのお茶が売られていたり・・・
「四歩」と帯封がされた手ぬぐいが売られていたり・・・
「マスク本」と称する文庫本が売られていたりする。
「マスク本」とは何か? 説明書きが添えられていた。
『いつも作家や題名、あらすじで本選びをしていませんか。たまには純粋に文章とだけ向き合って運んでみませんか。 手がかりは最初の数行。自分の嗅覚だけをたよりに選んだら意外な本と出会えるかもしれません。』
ということで、包装紙の上に書き出しの数行が貼られ、読めるようになっている。
お店のこだわりがたっぷりと詰まったセレクトショップのようだ。
一方カフェの方は、広い空間をうまく活かしたシンプルでおしゃれな作りだ。
わざと壁に向かって座る2人席がたくさん用意されている。
開店間際に行ったのでまだ空席もあったが、次々にお客さんが入ってくる。圧倒的に若者ばかり。カップルを中心に、子供づれのファミリーやひとり客も多い。
五日市街道から少し入っているので、知らない客が入ってくる場所ではない。みんなネットやSNSを見てやってくるのだろう。
厨房の中も、客席も、働いているのは全員若い女性だ。
しかも、インテリ感のある女子大生的な女性ばかりだ。彼女たちの間で交わされる会話を聞いていると、事務的でささやくように静かだ。
食器類も整然と並べられていて、女性誌に登場しそうな、いかにもインスタ映えするお店である。
この空間、いかにも妻好みであり、私もすぐに気に入った。
お店のメニューもいたってシンプルだ。
メインは日替わりの「本日のごはんセット」(1080円)。
毎日2種類用意され、今日は、Aが「チキン南蛮」、Bが「アジとししとうの照り焼き」だそうだ。
そのほかに、おにぎりやカレー、お子様セットやデザートがあるらしい。
私は、Aの「チキン南蛮」を注文した。
チキンは小口にカットされ、タルタルソースにはまだ卵感が残っている。
特段奇をてらったところはなく、文句なく美味しい。
小鉢が3種類・・・
味噌汁と漬物がセットになっている。
どれもやさしい味付けで妻好み、味がしっかりついているところは私好みだ。
こちらが妻が注文した「アジとししとうの照り焼き」だ。
アジのボリュームもたっぷり。
こちらも美味しかった。
食後の飲み物もセットに含まれる。
ホットコーヒーは、緑の無骨なカップに入れられていた。
このお店、今年3月に三鷹から移転してきたばかりだと言うが、もうすっかり若者たちの間では有名店になっているようだ。
とてもいいお店を見つけた。また孫たちを連れて来てみたいと思う。
と、ここまで書いたところで、このお店が実は私が三鷹に住んでいた頃時々利用していた家具屋兼カフェの「デイリーズ」と同じグループだと言うことを知った。道理で、センスがいいはずだ。
「デイリーズ」についてこのブログに書いたことはないが、三鷹駅の南口をまっすぐ進んだ古いビルの2階にある三鷹では珍しく雰囲気のいい家具屋さんだ。その一角にカフェがあり、好きな椅子に座ってランチを食べることができる。
そして、以前このブログで書いた「横森珈琲」も同じグループだった。このグループ、どのお店も居心地がいい。お気に入りだ。
食べログ評価3.50、私の評価は4.00。