昨日また、残念な知らせが入った。
吉祥寺通り沿いにある老舗「手打ちそば 上杉」が突然閉店したのだ。

雑居ビルが立ち並ぶ吉祥寺の中で、ちょっと目を引く和風の一軒家。
井の頭公園で遊んだ後に、軽くお蕎麦を食べるのに、ちょうどいい場所にあった。

貼り紙には、こう書かれていた。
私共 手打ちそば上杉は7月17日(金)を持って閉店させていただく運びとなりました。(コロナとは関係ありませんので、御心配なさらないで下さいませ)
あえて、コロナとは関係ないと書いてあった。
「上杉」の女将さんが怪我をしてかなり長い間、店を閉めていて、ようやく再開した矢先にコロナが襲った。
確かにコロナのために閉店を決めたのではないかも知れないが、やめるきっかけにはなったのではないだろうか?
私が会社を辞めたのと同じ。
原因は別のところになったけれど、コロナが背中を押したという人は多い気がする。

私が店の前を通りかかった時、入り口の扉が半分開いていて、店の中では片付けが始まっていた。
コロナ禍の上杉は、以前に比べて明らかに客足が遠のいていた。
常連客には年配者が多い。
こういう店は、コロナの影響を受けやすい。
テイクアウトをやっていないので、私もこのところ足が遠のいていた。
テイクアウトをやっていないお店を応援するにはお店に行くしかないが、ここまでテイクアウトにこだわっているだけに悩ましい問題だ。

「上杉」と言えば、そばだけでなく、女将さんが飾る店先のお花が印象深い。
季節の花をさりげなく飾る。
そんな粋なお店がまた吉祥寺から消えていく。
寂しい限りだ。
私が大好きだった「よしむら」もコロナ前に閉店した。
残る吉祥寺の蕎麦屋さんで、私が好きなお店は「ほさか」と「中清」の2軒になってしまった。
この2軒には何としても、生き残ってもらわなければ・・・。
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吉祥寺@ブログ

「上杉」閉店にショックを受けた後、図書館に本を返しにいくと、五日市街道から吉祥寺大通りにかけて、若者たちが長蛇の列を作っていた。
「何だ、これ?」

行列はヨドバシカメラ方面に延々と伸びている。
整理にあたっていた関係者に質問すると、「スニーカーの抽選」とだけ教えてくれた。
「スニーカーの抽選?」
あまりに意外な答えに、思わずスマホで検索してみた。

ヒットしたのがこちらのサイト。
「インスタント」という1995年創業のスケードボードショップがナイキとコラボして今月24日にスニーカーを発売すると書いてある。
これが超レアものらしく、ネットでは先着順で発売日に一瞬で完売するらしい。
そのため、ネットではなくリアル店舗である「インスタント 吉祥寺店」に人が殺到することが予想されるために、この週末を使って事前の抽選会を行っているということがわかった。

抽選会が行われていたのは、ヨドバシカメラの隣にある「ギャラリー永谷」。
長机には2人の担当者が・・・。
密を避けるために、ギャラリー内には4人ずつしかお客さんが入れないように、入り口で入場をコントロールしていた。

とはいえ、外の行列は100m以上、五日市街道まで伸びている。
人と人との間隔は近い。
屋外だからということだろうが、密には変わりはないだろう。

この日、東京都の新規感染者数は290人。
コロナが覆う鬱陶しい日々が続いているが、週末のサンロード商店街はいつも通りの賑わいだった。
老舗「上杉」が閉店した同じ日に目撃した、スニーカーを求める人たちの長い長い行列。
私には理解できない世界が、吉祥寺の街には広がっていた。