<きちたび>2泊3日韓国出張② まだ静かな朝の南大門市場でソルロンタンを食す

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ソウルの朝。

明洞(ミョンドン)のホテルを出て、地下鉄でお隣の会賢(フェヒョン)駅で降りると目の前は南大門市場だ。

南大門市場は、王朝時代から続く巨大マーケット街。昼から夜にかけて、日本人観光客も多く訪れるソウルの人気スポットだが、私は初めて訪れた。

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平日朝7時の南大門市場はまだ静かだった。

半分の店はまだシャッターを閉ざしたまま、残りの半分は開店の準備、そしていくつかのお店はすでに営業を始めていた。

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目指すお店は、路地の奥にあった。

雑貨店に挟まれた狭い入り口の上には、魚のイラストが描かれていた。

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吉祥寺のハモニカ横丁の本場版である。

狭い通路の両脇に、飲食店やら雑貨店やらがひしめいている。

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店の名前は、「チンジュチプ」。

「地球の歩き方」で「南大門市場の裏路地食堂の名店」として紹介されていた。

24時間営業で、李明博元大統領もよく食べにきた店だという。本当かな?

知らなければ絶対に入り口のドアを開けられない類の外観だ。

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店内に入ると客は1人もおらず、2人のおばさんが暇そうにおしゃべりをしていた。

「地球の歩き方」には、日本語が通じると書いてあるが、このおばさんたちは日本語は話せないようだ。

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ただありがたいことに、壁に書かれたメニューには日本語が添えられている。

「地球の歩き方」によると、看板メニューは「牛テールがたっぷり入ったテールスープのコリトマク」だと言う。写真が掲載されている「尾の煮込み」がそれだろうか?

ただ、前夜もたらふく食べたので、定番の「ソルロンタン」(9000ウォン=約860円)を注文する。「牛の雑煮汁」と書かれた料理がソルロンタンらしい。

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それにしても、しみじみした店のたたずまいである。

テレビからはニュースが流れ、ウラジオストクで開かれた金正恩・プーチン会談の模様を詳しく伝えていた。

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テーブルの上には、スプーンと箸、調味料が置かれている。

簡素だが思いのほか清潔な印象だ。

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すっかりくつろいでいたおばさんたちは、私がひょっこり入ってきたものだから、慌ただしく働き始めた。

厨房は奥にあって思ったよりも広いようだ。

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まずは、白菜キムチ、カクテキ、ご飯と、これは何だろう?

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刻んだニラを醤油に漬けたようなものが並べられた。

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そして程なく、ソルロンタンが運ばれてきた。

韓国観光情報サイト「KONEST」によると、ソルロンタンとは『牛の頭・足・膝・膝裏の肉・胸肉・内臓などをじっくり時間をかけて煮込んだスープ料理です。素材の旨味が十分に染み出た乳白色のスープは、コクがありながらも意外にあっさり。辛くなく、朝食や二日酔いの朝に食べたりと、観光客にも人気の韓国料理の一つです。』

確かに辛くない。と言うか、ほとんど味がないので、個人的には昔からあまり好きな韓国料理ではない。

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中をかき混ぜてみると、薄い牛肉が入っている。

さらに石鍋の底には、ソーメンが沈んでいた。

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一人前の石鍋に入っているので量はちょうどいいのだが、この石鍋がとにかくめちゃくちゃ熱いので要注意。

私も一瞬指が石鍋に触れただけで、火傷してしまった。

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さて、ソルロンタンの食べ方である。

まずはそのままスープをすすってみる。とにかく熱い。そして、あまり味がしない。

辛いのが苦手な日本人にはそれがいいらしいのだが、韓国の人はどのようにして食べるのか疑問に思ってネットで調べてみた。

「カクテキの汁を投入するのが本場流」というブログが出てきた。

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そこでカクテキを投入、さらにキムチもニラも放り込んでぐじゃぐじゃにして食べてみた。

まあ味は多少濃くなったが、すごく美味しいかと言うとそこまでではない。

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このお店が悪いのではないと思っている。

カクテキもキムチも、ソルロンタンのスープそのものも味は決して悪くはない。ただ、どうもまだ自分に合った食べ方を見つけられていないのだと思う。

その日の午後に会った韓国の人にソルロンタンの食べ方を尋ねてみると、「自分の好きなように食べればいいのよ」と言われた。

帰国後、ネットで調べると確かに食べ方については書き方がバラバラで、決まった流儀はないようだ。

ただ私が見落としていた点があった。

「塩コショウ」である。

卓上に用意された塩とコショウで自分の好きな味に整えてから、キムチやカクテキで味を変えるのが基本らしい。確かに、もう少し塩味が効いていたら、あのスープは美味しくなった気がする。

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食事を終えて、市場を少し歩くと、南大門が目の前に現れた。

韓国の国宝1号に指定された由緒ある門だが、2008年に放火され焼失、2013年に再建されたばかりだ。

ちなみに、この崇礼門を国宝に指定したのは、日本統治時代の朝鮮総督府だった。

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正式な名称は「崇礼門」という。

14世紀、李氏朝鮮の開祖・李成桂がここソウル(当時は漢城)に都を定め城塞都市を築いた際、南側に位置する正門として建造された。

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南大門から駅に向かって路地を歩きながら戻る。

いろんな物が売られている。

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マリオにピカチュウ、スーパーマン。

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ドクロやバットマン。

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おでん・・・

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さまざまな唐辛子・・・

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アワビ・・・

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そして魚の干物。

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まだ閉まっていたが、マツタケや朝鮮人参を扱うお店もたくさん見かけた。

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面白い路地もあった。

通路の左右に並んでいるのは、全部タチウオ料理の専門店だ。韓国の人に聞くと、有名な通りだと言う。

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ハングルの書かれた窓ガラスの奥にテーブルが並ぶ。

日本の昔ながらの大衆食堂に似ている。

まだ準備中のようだったが、店の前では・・・

 

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チゲ鍋の用意が始まっていた。

韓国ではタチウオはチゲにして食べるのが定番らしい。

もう一箇所、興味深い場所を見つけた。

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雑居ビルの中にひしめくアクセサリー卸問屋。

小さなお店が同じフロアにいっぱい入居していて、その場でアクセサリーを作って売っている。

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私には全く無縁の世界だが、日本のバイヤーさんもこういうところで買い付けるのだという。

南大門市場にはこうしたアクセサリーの卸問屋が無数にあって、ファッション好きの個人客には楽しい穴場なのだそうだ。

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ただ、いろいろなものが揃った南大門市場を歩いていて、朝の時間帯、一番人が集まっていたのは今風のコーヒースタンドだった。

やはり、そういう時代だよね。

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会賢駅に戻ると、「5G」と書かれた韓国の通信会社KTののぼりが立っていた。

店はまだ閉まっていたが、店内にはお祝いの花が飾られていた。今月初めに世界で初めて5Gサービスを開始した韓国だが、思ったほど盛り上がってはいなかった。

過去と現在と未来が交差する南大門市場。

ちょっと面白い朝散歩だった。

 

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