ゴジラと縄文人

奥歯が痛い状態が続き、きのうから流動食しか食べていない。

今日は金曜で特段の予定がないため、昼食も家でお粥を食う。かなり煮くずれたお粥でも粒が残っているのでどうしても多少口を動かさざるを得ず、そうして少しでも歯が当たろうものなら激痛が脳天を突き抜ける。そして顎が重くなり、頬にも鈍痛が出てくる。

固形物を口にせずロキソニンで痛みを抑え出勤する。

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「シン・ゴジラ」という映画が人気だというので歌舞伎町に観に行った。

ハリウッド版のゴジラが世界的な大ヒットを記録したのを受けて、エヴァンゲリオンの庵野秀明と「進撃の巨人」の樋口監督が組んで12年ぶりに製作されたゴジラシリーズの29作目だ。初めてフルCGでゴジラを描いた。公開4週ですでに興収50億円に迫る。

内容は政府や自衛隊の協力を得て、ゴジラが東京に現れた時にどのように対応するかをできるだけリアルに描こうとした。結局、想定外の事態に政府は振り回され、自衛隊の武器は効果がなく、米軍による核爆弾攻撃の直前まで追いつめられる。

まあ狙いはわかるが、ちょっと小賢しい印象もある。新幹線やJR電車に爆弾を積んでゴジラにぶつけたり、高層ビルをゴジラの上に倒す作戦などちょっと笑えるシーンもある。

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ゴジラと並行して小林達雄著「縄文人の世界」という朝日選書を読み始めた。

「縄文土器は理科学的測定方法によると世界最古の年代を示している。土器の来歴の解明は、日本考古学界の最重要課題の一つとなっているが、具体的な研究成果はなく、二、三の仮説の提案にとどまっている。」

仮説は、①土器が日本列島で発明されたとする説、②土器の原郷土を大陸に求める説、③土器発明の多元説だ。著者の小林氏は多元説をとる。西アジアの新石器文化の中から土器作りが始められたが、東アジアにも土器発祥地が存在したと考え、日本もその有力候補だという。

日本の土器が初めから煮炊き専用だったのに対し、西アジアの土器のほとんどは貯蔵や盛り付け用だった。しかも、西アジアの土器が8000年しか遡れないのに対し、縄文土器は1万2000年以上前のものとみられている。1960年に長崎県吉井町福井洞穴で重要な発見があった。その後、佐世保市泉福寺洞穴や神奈川県大和市の上野遺跡、鹿児島県加世田市のかこいノ原遺跡でも土器の発見があった。

「土器は、人類が化学的な変化を応用した最初の出来事である。」

石器は素材を割ったり削ったりして作る減量型だが、土器は粘土を次々に足しかさ上げしていく増量型である。そして粘土を焼くことで水に溶けない物質に変えた。さらに土器を使って煮炊きすることでそれまで食べられなかったものが食品に変わった。

縄文文化の大きな特徴は、多種多様な食料の利用だ。

全国の貝塚などから発見される食料を研究すると、哺乳動物、貝類、魚類、鳥類、植物性食料など500種もの食料を食べていたとみられる。少数の種類に限定しないことで、季節の変化について常にそれなりの自然の恵に預かることができた。そして自然の生態学的な安定につながった。

肉のまずい動物まで獲って食べた。肉の美味しいシカやイノシシだけにこだわらず、他の動物も食べることにより、遠くまで遠征する必要がなくなった。貝塚からはイルカやクジラの遺骸も多く見つかっている。鳥や虫も食べていたと考えられる。

そして主食はクリ、クルミ、トチ、ドングリなどの堅果類であり、貯蔵穴を掘って冬に備えた。岡山県山陽町の南方前池遺跡では、湧水地に貯蔵穴を設けてドングリを保存しながらその水で自然にアク抜きをするという知恵も働かせた。

「アク抜き法の開発で、広範囲の堅果類が一挙に食料資源化したことがわかるだろう。これにより、縄文人の食料事情の安定性は飛躍的に発展した。縄文文化は、狩猟採集社会としては世界でも一級の水準に達した背景は、ここにこそあったのである。」

自然の恵を美味しくいただく日本文化は、実は縄文時代にすでに生まれていたのかもしれない。興味深い話だ。引き続き縄文について調べていきたい、と思った。

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