<吉祥寺残日録>とうとう白内障の手術を受けることになった #200825

白内障と診断されたのは、6月の初めのことだった。

それから50日、紹介状をもらったまま放置していた。

両眼で見る分には特に支障もないし、人工レンズに変えると水晶体のように調整ができないと聞いたからだ。

いずれは手術を受けないといけないと理解しているが、もう少し先でもいいかなと考えているうちに、私の左目はますます見えづらくなった気がする。

親の介護などでは自動車を運転しなければならない。

時間に余裕がある間にやってしまった方がいいかと観念して、眼科に行く決心をした。

6月に受診した吉祥寺の「根子眼科」から紹介された白内障の名医「清水眼科」は、吉祥寺駅から西に2駅行った武蔵境駅北口の駅前にあった。

武蔵境駅前にそびえるスイングビル。

武蔵野市の施設もあるこのビルに入居しているということは、このエリアではかなりのやり手クリニックと考えられる。

公式サイトによると、清水院長は1987年に駅の南口で開業して以来30年あまりの間に、実に13000件もの白内障手術を行ったと言う。

エレベーターで3階に上がると、広々としたクリニックがあった。

「清水眼科」

診察時間は9時半からと書いてあったので、少し早めにと思って9時すぎに行ったのだが、どういうわけか入口はすでに開いていて多くの患者さんがすでに待っていた。

その理由は後でわかった。

初診は9時半からなのだが、2回目以降の患者さんはもっと早い時間に来るように指定されたりするのだ。

根子眼科からもらった紹介状を受付に出して初診の手続きをする。

コロナ対策のため、一人おきに座るようになっているソファーで待っていると、思いのほか早く名前を呼ばれた。

このクリニックではとても多くのスタッフを働いていて、まるで流れ作業のようにな軽やかさで検査が行われていく。

まず最初に行う視力検査でも、視力検査用のマークである「ランドルト環」が4つも並んでいる。

待っている患者たちが次々に名前を呼ばれ、4人同時にそれぞれの担当スタッフの問いかけに答えながら視力を測っていく。

私の場合、朝だからか右目の調子がすこぶる良くて、何と1.5もあった。

昔はこのくらい楽勝で見えていたのだが、最近では0.5ぐらいまで落ちていた。

右目の視力が改善したのは、会社を辞めてベランダから遠くを眺める時間が増え、それが良い効果を生んでいるのかもしれない。

しかし、肝心の左目はさっぱりだ。

一番上の大きなマークからぼやけて見える。

矯正レンズを入れてもらって何とか4段目ぐらいまでは答えたのだが、それが限界。

この眼球、いや正確に言うと「水晶体」は、もはや使い物にならない。

視力検査の後も、何度が名前を呼ばれてカーテンで仕切られた奥の小部屋でいろんな検査を受けた。

眼球の内部をチェックするためであろう、どの部屋も照明は暗く設定されている。

いちいち何の検査かは教えてもらえなかったが、いただいた小冊子には具体的な検査名が書いてあったので、一応書き写しておく。

「清水眼科」では、白内障の手術前検査として以下のものを実施するそうだ。

  • 視力検査、屈折検査
  • 眼圧検査、眼底検査
  • 血液検査
  • 超音波検査(眼内レンズの度を決める)
  • 角膜内皮細胞測定

一通りの検査が終わり、最後に院長による診察がある。

「清水眼科」の院長は、女医さんだった。

清水先生は、開口一番、こんな趣旨のことを言った。

加齢による白内障は多くの場合周辺部から濁ってくるのだが、私の場合は水晶体の中心部が濁る比較的若い人に見られる白内障で、このタイプは進行が早いので早めに手術をした方が良い。

後でネットで調べたら、加齢による通常の白内障は「皮質白内障」、私のような水晶体の中心部が濁る白内障は「前嚢下および後嚢下白内障」と呼ばれるらしい。

私が「わかりました」と手術を受ける意思を伝えると、清水先生は「手術は毎週月曜なので来週の月曜はどうですか?」と単刀直入に聞いてきた。

「えっ、来週ですか?」と心の準備ができていなかった私はちょっと躊躇した。

月末にはいくつか仕事の予定が入る可能性があり、まだスケジュールが確定していないのだ。

「後で電話で予約しても大丈夫ですか?」と聞くと、「いいですよ」と実に反応が素早い。

こうでなければ、一人でこれだけの数の患者をさばくことなどできるはずがない。

「手術の前に事前の説明を聞くために一度来院し、手術の翌日にも術後の経過を確認するために来院してもらう必要があります」

そんな手術前後の段取りが告げられて、院長の診察は短時間で終わった。

受付で支払いとともに、今後のスケジュールについてスタッフと調整する。

さっき清水先生には手術の日は少し検討すると答えたつもりだったが、受付に回ってきた書類には来週月曜手術となっているらしい。

まあ、それならそれでもいいか。ダメなら後で変更してもらえばいい。

私は、来週月曜日の手術に同意した。

すると、「事前説明は明日の朝でも大丈夫でしょうか?」と女性スタッフが畳みかけてくる。

こうなったら、あれこれ考えるのもバカバカしくなって、言われるがままのスケジュールでOKを出した。

どうせこっちは暇なのだ。

仕事の予定が入ったら、その時どうするか考えればいい。

こうして、来院からわずか1時間ほどで、すべての検査が終わり、来週の手術の予定も決まった。

来院時、待っている患者の数を見て絶望的な気分になったが、このクリニックの回転率は驚異的で、「患者を待たせない医療」が実現していた。

恐るべし・・・清水眼科。

ここは、白内障患者のための手術工場なのかもしれない。

コロナ禍で病院経営が厳しいという話はよく聞くが、このクリニックに関してはコロナ不況どこ吹く風といった印象を受ける。

世の中には、いろんな病院があるものだ。

病院の帰り、以前から一度行きたかった「武蔵野ふるさと歴史館」を訪れる。

清水眼科から近かったからだ。

帰宅後、仕事の予定も確認し、スケジュールを調整してみる。

清水眼科からは、かかりつけ医で直近の血液検査のデータももらってくるように言われたので、「吉祥寺メディカルクリニック」に行って先生に相談すると用意できるのは早くて木曜日になると言われた。

諸々検討して、来週月曜の手術はやはりちょっと厳しいと判断した。

早速清水眼科に電話をかけ、手術とそれに伴う通院をすべて1週間遅らせてもらうようにお願いをする。

何だか、バタバタした一日だった。

でも、遅かれ早かれ近いうちにやらねばならないことである。

こうして私は、9月7日に白内障の手術を受けることになった。

その顛末は、改めてこのブログに書き残しておこうと思っている。

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