<吉祥寺残日録>2997ドルNY大暴落 #200317

2週間で3回目となる「サーキットブレーカー」の発動。

ダウ平均株価は終値で前日から2997ドル安の2万188ドル。6日間の取引で3度、「過去最大の下落幅」を更新したのだ。

この日、FRBと日銀が相次いで緊急の金融政策を打ち出し、史上初めてテレビ会議システムを使ったG7緊急首脳会議も開かれたが、マーケットの動揺は抑えられなかった。

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そして大暴落の引き金を引いたのは今度もトランプ大統領だった。

記者会見に臨んだトランプ大統領は、レストランやバーでの飲食を避けるように呼びかけ、新型コロナのアメリカでの最悪期が7月か8月以降になるとの見方を示した。

さらにトランプさんは、景気後退の可能性について問われ、景気後退に陥る恐れがあることを認めた。

この発言を受けてマーケットは一段と急落。一時3000ドル以上下げる歴史的な暴落となった。

12.9%という下落率も歴史的だ。

日経新聞に掲載されていたグラフを転用させていただくと、3月16日の下落率は、1987年のブラックマンデー、1914年の第1次世界大戦、1929年の世界恐慌に次ぐ大暴落だそうだ。

こうして比較してみると、今回の騒動がどれほど歴史的かが理解できるだろう。

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なぜ今、世界のマーケットが大混乱に陥ってしまったのか?

日本ではクルーズ船の問題もあり2月初めには新型コロナへの警戒が高まった。

中国武漢での深刻な状況も日々伝えられていて、株価も欧米に先行して下落した。

しかし、欧米諸国では対岸の火事と受け止められていたため、私が予想したほどの株式市場への影響は見られなかった。

転機となったのはイタリアでの感染爆発が起きてからだ。

人は自分の問題として意識した時、初めて怖さを感じる。

ニューヨークでは外食禁止命令が出され、フランスでは全土で外出禁止命令が出た。

日本に比べ欧米諸国では急速に感染者が増え、各国政府は先を争うように経済を度外視した強硬手段を打ち出している。中国政府が採用した対策が世界のスタンダードになろうとしている。

マーケットの主要プレーヤーである欧米の投資家たちの恐怖心は、まさに今ピークを迎えているのだ。

それに比べて、日本人はむしろ「自粛疲れ」のような症状が見られ始めている。日本のウィルス対策は世界標準とは一線を画す穏やかなものに止まっているように見える。

中国モデル VS 日本モデル。

どちらが優れているのか、答えはもう少し様子を見るしかない。

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世界中で厳戒態勢が敷かれ、それを反映するようにマーケットの大混乱が続く。

しかし、である。

ブラックマンデー以来の大暴落と言っても、どこかゲームのようなリアリティのなさを感じるのは私だけだろうか?

実際、現在の株価はAIとアルゴリズムが支配する超高速取引が主流で、一般投資家が電話で取引していた一昔前とは全く違う世界になっている。

鍵を握るのが、VIX指数。市場の不安心理を示す恐怖指数とも呼ばれるもので、このVIX指数に連動して株の取引をするAI運用が過去最大の乱高下を演出している。

VIX指数は82.69とリーマンショック時を超える過去最高水準に達した。

世界中で金融緩和が進み、市場にじゃぶじゃぶにあふれたマネーがAIによって勝手に暴れ回っている。

ダウ平均が初めて2万円を超えたのは、トランプ大統領の就任直後。つい3年ほど前のことであることを改めて思い起こしたい。

それから3年ほどで1.5倍に膨れ上がったダウ平均は、わずか数週間の間にトランプ大統領就任時の水準に逆戻りしたのだ。

株価に代表される好調な経済がトランプさんの再選戦略のベースになるものだけに、新型コロナ騒動は現在進行中のアメリカ大統領選挙にも大きな影響を与えそうな気配である。

アメリカでは今、銃が飛ぶように売れているという。1992年のロサンゼルス暴動では、韓国系住民の居住エリアが黒人たちに襲われるという事件も多発した。

新型コロナウィルスに関しては、アジア系の人たちに対する差別も報告されていて、銃社会アメリカでは日本では想像できないような暴動に発展する可能性も否定できない。

コロナ倒産や大量の失業者が出るのはまだこれから。株価の底はまだまだ見えない。

今夜のニューヨーク市場がどこまで戻るのか?

もし戻らなければ、想像したくないような深みが待っているかもしれない。

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