<吉祥寺残日録>1日あたりのコロナ新規感染者、初の1000人超え #200729

特に驚くこともないが、新型コロナウィルスの新規感染者数が日本全国で初めて1000人の大台を突破した。

武漢が封鎖され、コロナの脅威が認識されてから半年が経っても、日本の検査能力はまだ十分に整備されていない。中国では武漢市民1000万人のPCR検査を行ったというのを聞くと、あまりのレベルの差に愕然としてしまう。

まあ、中国から発信される情報を100%信じているわけではないが・・・。

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一時は、東京が突出して感染者が多いとされていたが、日に日に首都圏以外の感染者の増加が顕著となり、今日は大阪で初めて200人超え、愛知や福岡、沖縄などでもこれまでで最多の感染者が見つかった。

そして、最後まで感染者ゼロを守っていた岩手県でも初の感染者が確認され、1日の新規感染者数は1264人となったのだ。

正直な話、検査をしたから感染者が見つかっただけのようにも見え、どこまで急速に感染が広がっているのかよくわからない。

悲しいが、それが日本の現実だ。

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ただ、情けない状況は日本に止まらず、世界各国似たり寄ったりとも言える。

アメリカやブラジルの感染者は一向に減る気配すら見えず、インドや中南米諸国では爆発的な勢いで感染者が増えている。一時、感染を押さえ込んだように見えたヨーロッパでも、日本同様日々の感染者数が増えていて、東南アジアの優等生と呼ばれたベトナムなどでも増加が見られるようになった。

結局は、経済の回復を意識して人が動くようになると、それに合わせてコロナは増えていく。

このウィルスはそういうウィルスなのだ。

だから、どの国も当初のような全面的なロックダウンにはもう戻らない姿勢を鮮明にしている。多少の犠牲が出ようとも、経済は回していく。観光業が壊滅しないよう、マイナス面には目をつぶって可能な範囲で人の往来を認めようというのが現在の世界の趨勢となった。

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どの国でも、若者たちが感染者の大半を占めているのも共通している。

今もし私が若者だったら、やはりビビって家に閉じこもって仲間に馬鹿にされるよりも、自分は度胸があるんだとばかりハメを外して騒いでいたかもしれない。病気よりも臆病者だと周囲から見られる方がよほど嫌だったはずだ。

還暦を過ぎて、私は特にコロナを怖いとは思っていない。

昔からそうなのだが、死ぬ時は死ぬだろうと普通の人たちよりは達観している人間なのだ。

だからと言って、意味もなく買い物に行ったり、会食をしたりはしない。もともと買い物や会食が私にとってさほど重要なことではないからだろう。

コロナで一番残念なのは、何と言っても旅行が自由に行けないことだ。

旅行に行きたい気持ちは満々で、今だと普段より空いていて狙い目だとは思うし、私自信が旅先で感染して死んでもいいとは思うのだが、私がコロナを撒き散らし感染を広げるのだけはやはり嫌なのだ。

だから我慢している。

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そうして旅好きな私のような人間が一斉に動きを止めたことにより、今日発表された全日空の4−6月期の決算は過去最悪の1590億円の赤字となった。コロナ の収束時期が全く読めないため、通期の業績見通しも「未定」とした。

政府は比較的感染を押さえ込んでいる中国や韓国との間で出入国の規制を緩める交渉を始めたい意向のようだが、中国の発表する感染者のデータはにわかには信用できない数字なのだ。

香港では再び感染者が急増し、近く予定されていた議会選挙が延期されるとの見通しが示される一方で、あの広大で人口が密集している中国本土では感染者がほとんど見つかっていない。

いくらITを駆使したコロナ対策を行なっているとはいえ、そんなことがありえるだろうか?

疑い深い私には到底素直に受け入れられない「大本営発表」にしか見えない。

そうして、コロナをめぐる世界の状況を見ていると、今年初めのように一つ一つの情報に反応して政府の対応を批判するのが馬鹿馬鹿しくなってくる。

感染者が数人とか数十人の間はある程度データも信用できる気がするが、数がどんどん増えてくると、どうせ市中感染の一部を捉えているに過ぎないと考えるようになるからだ。日々発表される数字にある程度の傾向は読み取れるだろうが、その数字で一喜一憂しても仕方がないと諦めの境地なのだ。

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それにしても、安倍政権が進める「GO TO キャンペーン」のお粗末さはあまりにひどい。

旅行産業にお金を流したいのはわかるが、政府が一部の旅行商品を補助するというのはいささかやりすぎだろう。

旅行は自分の金で行けばいいのだ。

補助が生み出す旅行需要は、補助終了とともにピタッと終わる。

一度安い値段を目にした旅行者は、元の料金に戻った時には値段が高く感じて旅行を控えるようになるのではないかと心配する。

むしろ全日空や宿泊施設などのどうしても残したい業者を直接支援する方がいい。

旅行代理店などはすでに時代遅れの産業なので、遅かれ早かれ淘汰されるわけであり、今回の「GO TO」はそんな旅行代理店に過剰に便宜を図っているのはやはりピントが外れていると言わざるを得ない。

そして、国会閉会後、安倍総理の姿が全く見えないのも気になるところだ。

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コロナ禍が長期化する中で、深い傷を負っているのはもちろん旅行業会だけではない。

キャノンは四半期決算で初の最終赤字となり33年ぶりの減配を発表したことから今日1日で13%以上株価が急落した。

日産も通期の業績見通しを6700億円の最終赤字と発表し、これまた株価が10%以上下がった。

さらに、三越伊勢丹も21年3月期の最終損益を600億円の赤字との見通しを発表した。

日本を代表する企業が苦境に陥っている。

巨大IT企業に世界の資金が集中する中で、従来の構造から踏み出せない日本企業は日銀や年金資金に株を買い支えてもらって何とか息をしている状況だ。

ここはひとつ、全ての業界を一律に守るのではなく、守るべき業種と再編を促すべき業種の見極めを政府が厳しく行うことが求められている、と私は思うのだが・・・。

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