<吉祥寺残日録>段階的緩和の「ステップ1」 #200528

緊急事態宣言が解除され、東京都では3ステップに分けて段階的に自粛を緩和することになっている。

現在は「ステップ1」。

飲食店などの営業が夜10時まで認められるのを始め、博物館や美術館、図書館が入場制限付きで開館できるようになる。

私はずっと図書館に行きたいと思っていたので、武蔵野市立図書館のホームページを確認してみた。

私がいつも利用する吉祥寺図書館は28日から再開すると書いてある。

今日だ。

「きっと混み合うだろうな」と心配しながら図書館に行ってみると、どうも様子がおかしい。

駐輪場には自転車が止められないようになっている。

「やってますか?」

外に立っていた職員の人に聞くと「まだいつ再開か決まっていません」との答え。

「あれっ? 今日から再開って書いてなかったっけ?」

中を覗き込んでみると、入り口を机でブロックして、フェイスシールドをした職員の人がそこで対応している。

聞くと、コロナ前に予約した本だけを受け取ることができるのだそうだ。

現在図書館のサイトからは新たに本を予約することはできない。つまり、新たに本を借りることはまだできないのだ。

帰宅して再度図書館のホームページを確認すると、ちゃんと書いてあった。

  • 入館することはできません。
  • 窓口・ホームページでの新規の予約は受け付けていません。
  • ご用意している予約資料は、3月31日以前に予約いただいた資料です。

しかも、混雑を避けるために、図書館カードの奇数の人は奇数日、偶数の人は偶数にしか予約した本を受け取れないのだそうだ。

「ステップ1」になれば図書館が利用できると思っていた私の思惑は完全に打ち砕かれた。

では、他の文化施設はどうだろう?

そんな疑問が沸き起こって、自転車を走らせて見て回った。

まずは、コピス吉祥寺の中にある「武蔵野市立吉祥寺美術館」。

こちらは、3月2日から休館していたが、6月1日から再開することが発表された。

マスク着用が求められる他、入場の際に体温の測定のほか、氏名や連絡先の記入も求められるという。

では「三鷹の森ジブリ美術館」はどうか?

2月25日から休館しているジブリ美術館は門が閉まったままで、再開に関する情報は書かれていない。公式サイトを見ても、いつからチケットが買えるのか何もわからない。

「ステップ1」とはいえ、現場は簡単には再開できないようだ。

「ステップ1」ではスポーツ施設も再開できることになっているが、井の頭公園に付属するテニスコートは無人のまま。

よく見ると、東京都が管理するテニスコートや野球場は6月30日まで使用中止だと書いてあった。

井の頭公園名物のボートも営業中止のまま、今日の段階では再開の情報は一切ない。

井の頭公園のベンチには、何やら貼り紙がしてあった。

見ると「新たな公園利用のルール」とのタイトルのもと、ランニングでもマスクを着用、公園は少人数で利用などのルールが書かれていた。

どうもまだ、公共部門ではすぐに緩和とはならないようだ。

そんな中、コンサートなどが行われる武蔵野公会堂は6月9日から再開するという。

東京都の出口戦略によれば、劇場などの自粛が緩和されるのは「ステップ2」となるはず・・・。小池都知事はできれば今週末にも「ステップ2」に移行したい考えだと伝えられている。

小劇場などが利用する「吉祥寺シアター」には、5月31日まで臨時閉館との貼り紙があった。6月以降の予定はまだ立っていないようだ。

閉館期間中に予定していた舞台は全て中止となる。もちろん施設使用料は全額返金されるそうだ。

とはいえ、スムーズに「ステップ2」に移行できるかどうかはまだ予断を許さない。

今日、吉祥寺からほど近い小金井市の病院でクラスターが発生したらしいというニュースが流れた。長男家族が暮らしている自治体でもあり、身近な場所で感染が確認されると緩みかけた心が再びピリッとするのを感じる。

それでも、今日は平日にも関わらず、吉祥寺の街には大勢の人が歩いていた。

緊急事態宣言が解除されたということで安堵感を感じる人も多いようで、日経平均株価は連日上昇し2万2000円台を回復した。

コピスの地下では、こんな人もお見かけした。

赤白の横じま模様で知られる吉祥寺在住の漫画家・楳図かずおさんだ。

日々の感染者数を見ながら、自宅にこもっていた高齢者も少しずつ街に戻ってきつつあるようである。

「ステップ2」になると、営業が再開される代表的な施設といえば映画館。

吉祥寺の代表格「吉祥寺オデヲン」はもちろん営業はしていない。チケット売り場のシャッターにも「当面の間、臨時休業」としか書かれていなかった。

上映作品のポスターが1枚の貼っていない光景は、やはり異常だ。

パルコの地下にできたミニシアター「アップリンク吉祥寺」も再開のめどは立たない。

臨時休業期間に少しでも収入を得るため、アップリンクでは会員向けに60本の映画が見放題となるオンライン映画館「アップリンク・クラウド」というサービスを行なっている。

果たしてどの程度の売り上げとなるのだろう?

良質な映画館だけに頑張って生き残ってもらいたいと思う。

そうして「ステップ2」を待ちわびる人たちを横目に、本来なら「ステップ3」の対象となるパチンコ店は緊急事態が解除される前から営業を続けている。

接待を伴う風俗店の一部も同様だ。

強制力のない自粛要請のこれが限界なのだろう。

「ステップ3」でも営業再開が認められないライブハウス。

吉祥寺の老舗ライブハウス「曼荼羅」は6月1日からランチ営業を始めることを決めた。

本来のライブハウスとしては見通しが立たないため、飲食で少しでも日銭を稼ぐ作戦だ。

何れにせよ、緊急事態宣言が解除されても、油断ができない日々が続く。

「街に出るなら、マスクを1箱買ってきて」という妻のリクエストに応え、ダイヤ街で1500円(税別)のマスクを一つ買った。

ダイヤ街で初めてマスクの路上販売を目撃した頃、値段は50枚入りで4000円だった。それが1ヶ月しないうちに半値以下に下がった。

ケチな妻は「そのうちドラッグストアにも並ぶようになる」と言って、路上のマスクを買おうとしなかったが、1箱1500円まで下がったと私が伝えると念のために買い置きしようと考えたようだ。

この先もっと下がる可能性が高いが、世界中の人がマスクをする以上、昔の価格には戻らないかもしれない。

家に帰って箱を開けると、マスクとともに「合格証」と書かれた中国語の紙が入っていた。

販売していたアパレルショップの店員の話によると、「服を仕入れている中国の業者にマスクを作ってもらった」と言う。

「中国人はどうしてそんなに簡単にマスクが作れるんだろう?」

マスクの品質には多少の疑いがあるので、流行が下火になっている夏の間に使ってコロナ前に買ったマスクを冬に取っておこうと考えている。

いつの間にか、井の頭公園のアジサイが咲いていた。

アメリカでは新型コロナによる死者がついに10万人を超えたそうだ。

周囲の感染状況に気を配りながら、今のような生活がこれからもしばらく続きそうだ。

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