政府の専門家会議は日本の感染状況について、「引き続き持ちこたえている」という認識を維持した。
午後7時から始まった専門家会議の決定概要が、朝から報道されている現実を見ると、専門家会議はあくまでお飾りであり、決定内容は事前に一部の専門家と政府・厚労省が決めていることがこのことからもわかる。
今回の提言では、軽症者や症状がない感染者について自宅隔離を求めたことは評価できるが、検査についてはほとんど言及がなく、感染が確認されていない地域では学校活動や屋外スポーツなどの再開も奨励した。
爆発的感染を意味する「オーバーシュート」という言葉を何度も繰り返し、暗に未確認の感染者の存在をほのめかしつつ、メディアの関心を新たな言葉に向けさせようという意図も見え隠れする。
いつもながら、どうもスッキリしない。
欧米諸国に比べ、日本の感染者が少ないのはいいことだが、実態を調べようとせず問題に正面から向き合わない日本政府の姿勢に不信感が消えないのだ。
日本では一時に比べて自粛ムードが緩んできているが、世界的には今が混乱の極みかもしれない。
マーケットの大混乱が連日続く中で、ここに来て日頃あまり気にしない新興国市場の動きが気になっている。
たとえば、フィリピン。
ドゥテルテ大統領がマニラへの流入を封鎖して注目されたが、今日のマニラ市場の株価は13.34%下落した。
韓国でも株価急落でサーキットブレーカーが発動。今日の終値で8.39%下落し、10年ぶりの安値を更新した。ウォン安も急速に進み、韓国国内では1997年の通貨危機の再来を警戒する声も出始めた。
韓国の中央日報の記事には、通貨危機が心配される外貨不足の国として以下の国が列挙されていた。
アルゼンチン、イタリア、トルコ、インド、インドネシア、ブラジル、パキスタン、イラン、南アフリカ。
新型コロナウィルスはいつの間にか、南半球にも広がり、オーストラリアでは全国民に対し出国を禁止する鎖国を宣言した。
南米大陸でもコロナショックが始まっていて、アルゼンチン、ペルー、チリなど次々に国境封鎖を発表し、株価も急落。昨日もブラジルで10.35%、アルゼンチンで14.16%の大暴落となった。
こうした数字を眺めながら、欧米のコロナパニックの次に世界を襲うのは新興国で起きる通貨危機や暴動、デフォルトという非常事態だろうと予想する。
原因は、先が見えない新型コロナ危機によって世界の投資家たちが一斉に株も債権も売って、最も安全なドルの現金を買っていることである。
世界経済が収縮する際に起きる「マネーの逆流」が世界的な規模で起き、新興国を潤してきた余剰資金が猛烈な勢いで逃げ出しているのだ。
マネーが逃げ出しているのは新興国ばかりではない。
今日の東証リート指数も18.51%下落した。日本の不動産市場からも巨額の資金が逃避している。
ここ数日、テレビでも新型コロナ騒動の不動産価格への影響も取り上げるようになった。
世界経済が後退する局面では、不動産価格が下落することは避けられない。特に、中国人が買い漁っていたタワーマンションやリゾート地は値崩れするだろう。
バブル崩壊で痛い目にあった経験からすると、この先どんな時代が待っているか、ある程度予想がつくが、ずっと右肩上がりできた中国の人や日本の若者たちにとっては驚くことの連続になるかもしれない。
そういえば、中国では今日初めて、新たな感染者がゼロになったそうだ。
中国メディアは、笑顔で武漢を離れる医療チームの若者たちをまるでアイドルのように演出している。
全国から数千人の医療スタッフを武漢に送り込み、戦場のような大流行を2ヶ月で封じ込んだ彼らは文字通りヒーローである。
習近平政権は、今後は経済の回復に全力を挙げる姿勢だ。
新型コロナウィルスをいち早く押さえ込んだ中国経済がいつ頃復活できるのか?
それが今後の世界経済のカギを握っている。
ポピュリズムと保護主義が広がって、世界はどの国も鎖国状態になるでしょう。日本も江戸時代に逆戻りです。
(=^ェ^=)