中国国外でも初の死者!新型コロナウィルスの感染者数よりもはるかに多い検査を受けられない人の数

ついに中国国外で初めての死者が出た。

フィリピンを旅行中の44歳の男性。彼は武漢から来た中国人だった。

その意味では亡くなったのは国外でも、これまでの延長線上にある。特段驚くには値しない。

ただ、である。

武漢の住民たち、またはたまたま武漢を訪れていた人たちにとってはたまらないだろう。ある日突然街が封鎖され、病気の人たちと一緒に閉じ込められている。武漢から脱出した人たちも、世界各地で「ウィルス扱い」を受け、移動や行動を制限され、世界中の人たちから冷たい仕打ちを受けるようになった。

彼らはただ、その街にいただけなのだ。

もし自分がその立場だったと考えると、背筋が凍る。もし自分だったら、どんな行動を取るのだろう? 想像するだけで、恐怖を覚える。

インドやトルコも武漢からの自国民救出を始める一方、救助の手を差し伸べられないタイ人などの絶望の声がメディアで伝えられている。

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中国政府が今朝発表した最新の数字は、感染者数が2590人増の1万4380人、死者は45人増の304人。重症者は2110人で、そのほかに感染が疑われる人が約2万人いるという。

この数字をどう見るか?

中国政府の発表する数字は信用できないというのは簡単であって、事実数字をそのまま信用することはできないだろう。

しかしそこから読み取れるものはある。

テレビやネットから流れてくる武漢の状況を見る限り、感染者を特定するための検査が十分に行われていないのは間違いない。あれほど多くの患者が病院に押しかけたのでは、検査などできるはずがないのだ。

インフルエンザと違って病院で簡単に検査できるものではない。専門機関に検体を送って培養する必要があるという。私が想像するに、中国政府はそうした検査のための器具や人員を武漢に集中していると思われる。そのため、武漢および湖北省の感染者数が群を抜いて多いのではないか?

日本でもそうだが、一度に膨大な数の検体を送られても処理ができないため、武漢と関連がある人にだけ検査が行われている。それは致し方ない方法だろう。

実際に、封鎖された武漢には検査を受けることもできない多くの感染者がいると想像する方が自然だ。帰国した日本人を参考にすると、10万人以上の感染者がいると私は考えている。

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そして気になるのは、中国の他のエリアでの感染状況である。

他のエリアでは武漢ほど集中的に感染者が発生していないだろうから、検査の体制も薄い。だから、通常の風邪や肺炎と診断された人たちの中に、相当数の新型コロナウィルス感染者がいるのではないかと私は想像している。

彼らは当然、中国政府の発表には含まれない。中には別の死因がつけられて亡くなっている方も多いのではないだろうか?

2月1日現在の数字でいうと、武漢市を含む湖北省の感染者が7153人であるのに対し、他のエリアでの感染者数は圧倒的に少ない。

浙江省599人、広東省535人、河南省422人、湖南省389人、安徽省297人、江西省286人、重慶市247人、四川省207人、江蘇省と山東省202人・・・。

そして、上海市が169人、北京市が156人となっている。

ちょっと人数が各地に平均的に分布しすぎている。これは感染の度合いを示しているのではなく、検査できるキャパシティを示しているにすぎないのではないかと私は疑っている。

武漢市および湖北省を封鎖した政府の対策の成果を示すために作り上げられた数字であり、実際には全国平均的ではなく集中的に感染者が増えている場所があるはずだ。なければむしろ怪しいだろう。

検査が追いつかないのは中国だけではない。日本だって、武漢に関連した人しか検査をしていない。もしその範囲を武漢ではなく中国全体に広げたら、きっと感染が疑われる人の数は一気に増えてしまうような気がしている。

そうした事情は、他の国でも同じ。要するに、世界的に検査の態勢がまだできていのだということをまずは知った上で感染者数の推移を冷静に見ていく必要があるだろう。

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湖北省ではすでに責任者の処分が始まったという。中央政府に批判が及ばないよう、地方の責任者が次々に血祭りにあげられていくのは想定内だ。

私が心配しているのは、ネット上にアップされている動画の撮影者とその動画に写っている人たちの今度だ。泣きわめく医療関係者や混乱する病院内の映像は、世界中のテレビやネットで繰り返し流され中国のイメージを著しく損なっている。

それに対して、中国の公共メディアが伝えているのは、武漢で進む専用病院の建設や完治し退院する感染者たちの様子、そしてカメラに向かって手でハートマークを作る看護婦さんといった綺麗で愛国心を鼓舞するような映像である。

こうした公共メディアと違う動画を勝手にアップした人たちはすぐに特定され、世界の目に見えないところで厳しい処分が待っていると想像する。

武漢から流れてくる映像には中央の指導者たちが許容できない恥が映し出されているからだ。

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明日からは上海市場が再開する。

経済活動が当分本格稼動できない状況の中で、常識的には株価の暴落も予想される。しかし、中国のことだ。あらゆる手段を使って、市場を統制しようとするかもしれない。いったん経済が逆回転しだすと、借金の上に成り立っている中国の財政も一般国民の家計もとんでもないことになってしまう。それだけは何としても避けなければならないのだ。

今週はいろんな意味で、重要な一週間になりそうな気がする。

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