岡山は朝から快晴だった。

朝7時から畑の草を刈り、お昼には伯母を車に乗せて田んぼの場所を確認に行った。
もう何年も前から田んぼはよその農家に作ってもらっていて、伯母はもうどこが我が家の田んぼなのかはっきりわかならなくなっていた。
田舎では契約などという形式張ったことはやらないとはいえ、代が変わってしまうと相続した土地かどこになるのかわからなくなってしまう。それが、日本の農村の現実である。
耕作放棄地が増える要素の一因に、こうした土地管理の問題もあるのだと思う。

昼寝をして、私は一人で買い物に出かけた。
一度行ってみたいと思っていたのが「ワークマン」。
働く人の味方であるだけでなく、最近ではそのファッション性と価格が注目されている。

初めて足を踏み込んだワークマンの店内。
まず最初に作業着のコーナーを見てみると、品揃えはまさにアウトドアショップだ。
しかも、値段が安い。
高くても3000円台、多くの商品は1000円台で買える。
汗を掻く労働者には、複数枚を手軽に着回せるこの値段はありがたい。

私も買ってみた。
1900円の長ズボン、580円の帽子、399円のネックゲイター、そして980円のサンダル。
本当に買いたかったのは、伯母から勧められた地下足袋だったのだが見当たらない。
諦めて、レジで聞くと「売っている」という。

気づかなかったはずだ。
棚に地下足袋は並んでおらず、箱に入ったまま並んでいたのだ。
地下足袋が一番高くて、3768円だった。

伯母の家に戻り、早速地下足袋を履いてみた。
初めて履く地下足袋。
指が割れた靴下を持っていなかったので、裸足で履くことにした。
「こはぜ」と言うんだろうか? あの薄い金属板をどうやって止めていくのか最初はかなり戸惑った。

何とか地下足袋を履けて、そのまま草刈りに出かけた。
長年地下足袋を愛用してきた伯母は、「指が割れているから安定感が違う」と主張する。
確かに、それまで履いていた長靴に比べて軽量で、足にフィットしている感じがする。

初心者の場合、まずはファッションから入ってみるというのも、長続きするための一つの方法だろうと私は信じている。
先月買った草刈機と今月手に入れた地下足袋。
私の月一農業も、少しずつ軌道に乗ってきた気がしている。