<吉祥寺残日録>マンション理事会とキャリーバッグ #210629

私が暮らすマンションの理事会の順番が巡ってきた。

前回は2017年だったので、4年周期。

高齢者が増えたため理事の適格者が減ってしまい、すぐに順番が回ってくるようになったのだ。

どうせコロナで旅行にも行けないので、今のうちに理事を済ませてしまおうと思って気楽に受けたのだが、ここにきて急に伯母の介護で慌ただしくなりちょっと重荷に感じ始めている。

昨日、今年度初めての理事会が開かれて理事長などの役割を決める話し合いがもたれた。

理事長のなり手がなくて押し問答が続くのは毎年のこと。

今年も長い沈黙が続いた。

私は意を決してまず口火を切った。

「皆さんいろいろなご都合があると思いますが、私の事情をお伝えしますと、岡山に90前後の高齢者が4人いて、そのうち3人が介護認定を受けている状態で頻繁に帰省しなければなりません。理事会には可能な限り出席するつもりですが、できれば書記を担当したい」と・・・。

つまり、暗に忙しい理事長は引き受けられないことを伝えたわけだ。

書記は理事会の議事録を作成するのが主な仕事で、2人いるので2ヶ月に一回の議事録を担当すればいい。

もし理事会の日に東京に戻れなくても、もう一人の書記さんと相談すれば迷惑を最小限にできると判断したのだ。

私の発言を受けて、他の数人もそれぞれの都合を説明し理事長には就任できないと主張した。

こうして理事長の候補者が少しずつ絞り込まれ、長くこのマンションで暮らす長老がしぶしぶ理事長を引き受けてくれた。

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24日にフロリダで起きた老朽化マンションの崩落事故は、築50年のマンションに暮らす私たちにも無縁ではない。

日本ではまだ築50年マンションは少ないだろうが、これからどんどん増えてくる。

当然新たな耐震基準には適合しておらず、首都直下地震に耐えられるのかどうか、誰にもわからない。

しかしロケーションは最高で、管理もしっかりしているので快適に暮らせてはいるが、将来このマンションをどのように維持していくのかは難しい問題だろう。

でもそんなマンションの問題よりも、今私たち夫婦の目の前に立ちはだかるのは、伯母の認知機能が急速に悪化している問題。

昨日も今日も妻はあちこちに電話をかけて、介護関係者らと伯母の対応を長時間打ち合わせている。

いろんな案が浮かんでは消え、どうも決め手は見つからないようだ。

先日かかりつけ医から指摘された総合病院での検査と施設への入居についても真面目に検討を始めた。

その結果、来週私が妻と一緒に再び帰省し、今度は伯母の家に泊まり込んでその生活を観察しながら、なんとか病院での検査に連れ出したいということになった。

今後さらに頻繁に岡山との往復をせざるを得ないと判断し、機内持ち込み可能がキャリーバッグを買うことにした。

「ロフト」で購入したのがこちらのキャリーバッグ。

スウェーデンのブランド「MOZ」の製品で機内持ち込み可能なサイズとなっている。

少し個性があって他の人のバッグと差別化できるかなと思い、これを購入した。

さらに目印として、去年の広島旅行で買い求めていた「Love and Peace」のステッカーを貼る。

介護が目的でもとにかく飛行機に乗って違う場所に移動するのは気分が変わる。

あまり深刻に考えすぎずに、「なるようになる」の精神で伯母にとって少しでも良い環境を整えてあげられればと思っている。

「Love and Peace」という言葉が、そんな今の気分にピッタリと来た。

<吉祥寺残日録>2ヶ月半ぶりの帰省で目にした隠しようのない「衰え」 #210624

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