<吉祥寺残日録>緊急事態宣言再延長で迎える「それぞれの水無月」 #210601

今日から6月。

旧暦でいえば「水無月」となる。

梅雨の季節に「水無月」というのは不思議な気がしていたが、その由来を調べてみると・・・

水無月の由来には諸説あるが、水無月の「無」は「の」を意味する連体助詞「な」であり「水の月」であるとする説が有力である。神無月の「無」が「の」で、「神の月」を意味するのと同様と考えられる。田植が終わって田んぼに水を張る必要のある月「水張月(みずはりづき)」「水月(みなづき)」であるとする説もある。

出典:ウィキペディア

なるほど、「水の月」か。

そういえば昨夜も夜中に雷が鳴って一時激しい雨が降ったようだ。

若い頃にはとにかく晴れが好きだったが、歳をとると雨が好きになってきた。

緊急事態宣言は今日から6月20日まで再延長されたので、どうせどこへも行けないのならば、せいぜい「水の月」を楽しみたいと思うばかりだ。

6月20日といえば、三男が結婚式を予定しているまさにその日である。

去年9月の挙式をコロナのために延期し、再設定したのが6月20日だった。

「もうすでに入籍を済ませ一緒に暮らしているのだからコロナが収まるまで再延期したらどうだ」とアドバイスしたのだが、本人たちはどうしてもここらでけじめをつけたいらしく、結果的には親族を招いての披露宴は行わず、神前での結婚式をごく身内でやった後、披露宴会場で新婦がウェディングドレスに着替えて家族だけで記念撮影をするだけになった。

うちは3回目なのでどういう形でも結構だが、相手方は一人娘さんなので先方のご両親は本当にそれでいいのだろうかとちょっと心配している。

でも、今のご時世、すべてが思い通りにいかないのも致し方がないことだろう。

コロナといえば、高齢者へのワクチン接種も少しずつ軌道に乗ってきた。

「1日100万人の接種を目指す」との菅総理の号令の下、おっとり刀で用意していた自治体もケツを叩かれ、少しずつスケジュールが前倒しされている。

企業単位で行う一般接種も6月21日から開始する方向で計画が動き始めているようで、ワクチンが到着し次第、打てる人からどんどん打つという当たり前の方針がようやく浸透し始めたようだ。

岡山で一人暮らしをしている私の母は、かかりつけ医がすぐに予約を取ってくれたらしく、昨日1回目のワクチン接種を無事に終えた。

少しホッとしたような声で電話をかけてきたが、何の手伝いもできないことをもどかしく感じる。

一方、同じく一人暮らしをしている伯母の方はまだワクチン接種の予約ができていない。

田舎暮らしなのでそれほど大急ぎでワクチンを打たなくても良さそうだが、かかりつけのお医者さんが月に1回のペースで往診してくれることになったので、その時に相談すればいいかと思っている。

伯母は先日「要支援1」の認定を受け、妻がいろいろ遠隔でやりとりをしてくれたおかげで、先週末から訪問看護のサービスが始まった。

毎週1回、看護師さんが自宅を訪れて血圧などを測ってくれるのだが、案の定、気丈な伯母は看護師さんに「元気だからもう結構です」と言って血圧も測らせなかったと連絡があった。

でも無理に嫌がることをしなくても、時々誰かが顔を見て話を聞いてくれるだけで十分である。

看護師さんもプロなので、気難しい老人の対応には慣れているようで、自由に帰省できない身としては本当にありがたい限りだ。

私はといえば、相変わらず穏やかな日々を送っている。

このところ定期的に歯医者に通い歯周ポケットのお掃除をしてもらっていたのだが、昨日でようやく一通り終わった。

歳とともに歯茎が下がり、歯周ポケットにも歯垢が溜まっていたそうだ。

私が通う「黒田クリスタル歯科」では、診察台の前に置かれたモニターに口の中の写真を映し出しながら、私の歯の状態を詳しく説明してくれる。

インフォームドコンセントがしっかりしているお医者さんは、やはり安心してかかることができる。

医療関係者のワクチン接種は9割以上が1回目を終えたということで、この歯科でも全員1回はワクチンを打ったという。

打ち手不足解消のため歯科医も接種ができることを政府が決めたというので、「先生もワクチン接種に駆り出されるんですか?」と聞いてみると、「どうも歯科医が出しゃばるのは地元のお医者さんたちが嫌なようですよ」と言って今の所ワクチンには関わらない予定だと話していた。

武蔵野市のワクチン接種は遅い。

まだ75歳以上の市民にしか接種券を郵送しておらず、一般の接種などいつになるのかわからない。

武蔵野市の職員は自治体としては日本一高い給料をもらっているはずだが、決して給料に見合ったほど仕事が早いわけではないようだ。

自分の自治体の対応に不満がある場合、有権者としては次の選挙で市長を落選させるという選択肢がある。

そうして行政のトップに脅しをかけ、トップの責任において市役所や地元医師会にハッパをかけさせることも民主主義社会では重要なことだろう。

そんな感じで、コロナ禍でそれぞれが迎えた2度目の水無月。

東京オリンピックまでもう2ヶ月を切った中で、外国選手団の先陣を切ってオーストラリアの女子ソフトボールチームが今日来日した。

群馬県太田市で長期キャンプを張るということだが、五輪反対の世論が燃え盛る中で選手たちに不測の事態が起こらないことを祈るばかりだ。

感染収束が見えない中で、東京オリンピックの開催に不安を感じる人がいるのは理解できる。

しかし、一部の反対派による感情的な攻撃には目に余るものがあり、行きすぎた悪意が暴走し、それがアスリートたちに向けられるのではないかと心配でならない。

立憲民主党は7月に予定されている都議会選挙の公約として「オリンピックの延期または中止」を掲げるようだが、外国人選手が来日し始めて今さら「延期」など無理だろう。

もし日本政府や東京都が巨額の賠償を覚悟で「返上」を判断するのならば、それはそれで英断だとは思うが、タイミングは完全に失している。

私自身は、オリンピックが著しい感染爆発の原因となる可能性は低く、むしろ街をうろつく一般の国民の行動と甘い水際対策によってこれからもダラダラと今程度の感染が続いていくだろうと考えている。

日本には、自らオリンピックレースに名乗りを挙げ、巨額の資金を使って承知した責任がある。

コロナが深刻化した去年の春、森会長が「2年延期」を政府に進言しIOCもその方針を承諾していたというが、当時の安倍総理が「1年延期」に固執したためそれが国際公約になったという。

世界中のアスリートたちに対し開催場所を提供すると約束している以上、今頃になって中止や延期はできないだろうと私は思う。

だから、自分自身の責任ある行動を心がけつつ、私はテレビでオリンピックを楽しむつもりだ。

こういう時にこそ、日本人の真の「おもてなし」精神と問題対処能力が問われている。

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そんな中、今朝また新たな心配事が飛び込んできた。

東京オリンピックでの活躍が期待されていたテニスの大坂なおみ選手が、現在開催中の全仏オープンを棄権することを発表したのだ。

しかも、理由は彼女のメンタルだという。

大坂選手は1回戦に勝利した後、事前にアピールしていた通りに記者会見を拒否、大会主催者から1万5000ドル(約165万円)の罰金を科せられた。

さらに、四大大会主催者の連名で「今後も記者会見に応じない場合は、全仏オープンの失格だけでなく、他の四大大会出場停止などにもつながりかねない」と警告されていた。

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これに対し、大坂選手は長年「うつ病」に苦しんでいる事実を明かしたうえで、これ以上の迷惑をかけないため「大会を棄権する」と発表した。

その衝撃的な大坂選手のツイッター全文が共同通信から配信されていたので、転載させていただく。

みなさん、こんにちは。私が数日前に(ツイッターに)投稿した時には意図したり想像したりしていない状況です。

大会や他の選手、自分の健康にとっての最善は、みんながパリでのテニスに集中できるように私が棄権することだと思います。邪魔になりたいとは思っていません。理想的なタイミングではなかったこと、より明確にメッセージを出せたかもしれないということは理解しています。重要なことは、私は心の健康やその言葉を絶対に軽んじてはいないということです。

2018年の全米オープン以降、長い間うつ病に悩まされてきたことが真実です。対処にとても苦しんできました。私を知る人は誰でも私が内向的であることを知っています。大会で私が不安を和らげるためにヘッドホンをつけている姿に気づいたと思います。でも、テニスの記者はいつも私に優しかった(そして私が傷つけたかもしれない記者のみんなに特に謝りたいです)。私は元々人前で話すのが得意ではなく、世界のメディアに向けて話す前は大きな不安に襲われます。本当に緊張し、常に最善な答えを出そうとすることがストレスになります。パリでは既に弱気になり不安を感じていて、自分を守るために記者会見をやめたほうがいいと考えました。先に公表したのは(記者対応の)ルールの一部がかなり時代遅れだと感じたためで、それを強調したかったのです。大会側には個人的に手紙で謝罪し、大会中は大変だと思うので大会後に話せたらとてもうれしいと伝えました。

少しの間コートを離れますが、時期が来たらツアーと協力して選手、報道機関、ファンにとって事態を改善するための方法を話し合いたいです。とにかくみんなが元気で安全でいることを望んでいます。みんなを愛しているし、また会いましょう。

大坂なおみ選手のツイッター全文

自らの言葉で明かされたスーパースターの心のうち、それはかなり心配な内容だ。

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大坂選手はもともとメンタル面に課題があると言われてきた。

しかしここ数年、見違えるようにメンタル面が成長し、それが彼女の快進撃を支えていると誰もが信じていたのだが、彼女は人知れず悩んでいたのだ。

極限の戦いを強いられるトップアスリートの心の中は、私のような凡人には想像もできない。

ものすごいプレッシャーと常に戦いながら掴んだ栄光。

しかし、人間が持って生まれた「個性」というものは容易には変わらない。

大坂選手らしい率直な表現で今の自分の状態、今回の騒動の原因について発信したことで、今後何かが変わるだろうか?

女性アスリートとして世界一稼いでいると発表されたばかりの日本期待のスーパースターが、東京オリンピックに出場するのはどうやら難しそうだ。

最後まで踏んだり蹴ったりのオリンピックではあるが、この夢の舞台にすべてをかける多くのアスリートたちが世界中にいる。

ここまで来たら腹を括って、彼らを全力で応援したい、私はそう思うばかりだ。

400Mリレー

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