<吉祥寺残日録>第二波の足音を聞きながら・・・ #200711

都内の新規感染者が3日連続で200人を超え、昨日は243人と過去最多を更新した。

テレビでも第二波を警戒する声が高まる中、昨日の昼過ぎ、妻と連れ添ってわざわざ都心まで行ってきた。

この秋に予定している三男の結婚式で着る貸衣装を試着するためである。

これって、「不要不急じゃないの?」と私などは思うのだが、普段はビビリの妻はそうは思わないらしく、先方のお母さんに電話して当日着る服を調整したりしている。

「不要不急」の概念は、人によって大きく違うという典型例だろう。

吉祥寺から東西線に乗り、日比谷線に乗り換えてやってきたのは東銀座。

駅を降りるとそこはもう歌舞伎座だ。

駅直結の地下のスペースでは、「歌舞伎座 ねこ展」なるイベントを行っていた。11日から月末まで開かれるイベントでは、ねこグッズ専門店や有名作家の作品が販売されているようだが、あまりお客さんはいない。

普段なら平日でも多くのおばさま方で賑わっているスペースなのに、歌舞伎座で予定されていた7月公演「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」がコロナで延期となったためお客さんはさっぱりなのだ。

ちなみに来月の「八月花形歌舞伎」のチケットは、今月15日から発売予定だという。

演劇界も恐る恐る前に進もうとしている。

第二波の足音が日々大きくなる中で、プロ野球とJリーグも昨日から観客を入れての試合を再開した。

観客5000人までの大規模イベントの実施を政府が認めたことを受けたものだ。

大声を出さない、応援歌は歌わない、隣の人とハイタッチはしない、ジェット風船は禁止など、コロナ前には考えられなかった厳しい観戦ルールを守ることを条件だが、それでも待ちかねたファンたちはうれしそうだ。

大相撲も昨日、七月場所の開催を正式に決めた。初日は今月19日だ。

また政府は、苦境に陥っている観光産業を救うため、国内旅行の代金を補助する「Go To キャンペーン」を、当初の予定を前倒して今月22日から実施すると発表した。

東京都の新規感染者数が4月のピーク時を超えたタイミングで次々に踏まれるアクセル。

政府の反応も国民の緊張感も、4月ごろの第一波の時とは全然違っている。

そんな中、私と妻は、歌舞伎座タワー19階にあるブライダル衣装の「フォーシス・インターナショナル」へ。

私たちの時の貸衣装屋とは比べ物にならないほど立派なお店だった。

純白のウィデングドレスがずらりと並ぶ店内。

しかし、平日ということもあるのだろう。やって来るお客さんはほとんどいない。

コロナはブライダル業界も直撃しているのだ。

結婚式の延期や縮小が増えているという。

それはそうだろう。家族だけならまだしも、一般の招待客はコロナが収まるまでは呼ぶのがむしろ失礼になる。本当に厄介なウィルスだ。

私は豪華な試着室に案内され、一番安いモーニングを選んでサイズ合わせを行った。新郎の父親が着ている衣装など気にする人などまずはいない。さっさと済ませて、これで私の準備はすべて完了だ。

でも、9月の結婚式は本当にできるのだろうか?

キャンセル料の説明を聞きながら、「延期の場合はどうなりますか?」と思わず聞いた。

結婚式が延期の場合は、追加料金は発生しないとの言葉でひとまず安心して契約書にサインをした。

東京の感染者は今後どこまで増えるのだろう?

政府もメディアも、夜の街関連に注意を向けさせようとしているが、本当に心配なのは通勤電車であり、企業活動の方なのだ。

「感染経路不明」と発表されている感染者が果たしてどんな人たちなのか、その実態はなかなか見えてこない。

夏場には一旦感染は落ち着くという楽観論はあっけなく覆ろうとしている。

安倍さんが事あるごとにもて囃した治療薬「アビガン」は、その有効性が実証できないとの悪い知らせも伝えられた。

会社を辞めた私の決断は、ひょっとするとコロナ時代を生き抜くための野生の勘だったのかもしれない。

せいぜい、自分の身は自分で守る、そんな意識を忘れずに自身の行動を律していかねばと改めて心に誓った。

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