<吉祥寺残日録>学校なくとも子は育つ #200517

長男の家からすごい写真が届いた。

私にとって最初の孫、つまり私の長男の長男がレゴブロックでこんな観覧車を作ったのだと言う。

何かお手本があって、それを見て真似をしたのではなく、自ら設計した完全なるオリジナルだと言うのだ。

しかも、この観覧車・・・・回る。

グルグルと、回る。

あまりにすごいスピードで回転するので、もし本当に人が乗っていたら、ゴンドラの中で気絶してしまうだろうと思えるような絶叫マシーン級の観覧車なのだ。

細部の写真も送られてきた。

最近のレゴは随分と進化を遂げていて、別売でモーターやスイッチ、歯車のようなものまでいろいろと売られている。

以前、誕生日か何かのプレゼントで、レゴ用のモーターをリクエストされ贈ったことがあったが、そのモーターが観覧車の動力源に使われているという。

どうやって、オリジナルでこんなものが作れるんだろう?

純粋文系頭の私には、とても理解できない。

ちなみに、孫はレゴのユーチューブチャンネルまで立ち上げたという。

もしお暇ならこの観覧車だけでなく、孫のユーチューブチャンネル「作ってみLEGO」もぜひご覧いただければと思う。

https://www.youtube.com/channel/UCZNXsnUe7ZZWO0tICnGvyrw

孫は、今年小学校6年生になったが、学校は一向に始まらず、在宅でずっと過ごしているのだが、自らの頭で考えて何かを作り上げるという作業は、持て余すほどの時間がなければ成せないことかも知れない。

学校で基礎的な知識を身につけて、一律で与えられた課題をこなすことも大切だろうが、それは得てして子供たちから「暇」というものを奪い、個性というかオリジナルな才能を埋もれさせてしまう危険性もある。

コロナがもたらした膨大な「暇」が、将来この子たちに何をもたらすのか?

10年後、20年後、この世代がどんな日本人と育っていくかを観察することで、面白い研究テーマとなる予感がする。

AIが人間の仕事を奪っていくこれからの時代、単純作業はどんどんAIに置き換えられ、人間に求められる能力は自らの頭で考えたり、それまでの常識を打ち破るようなオリジナリティーだと思う。

他の4人の孫たちも、友達と遊んだり、「どうぶつの森」というゲームに夢中になったり、それなりに楽しく暮らしている様子が動画や写真で送られてくる。

学校がなくても、子供は育つ。

孫の観覧車は、私にそんなことを感じさせた。

面倒を見る親たちは大変だろうが、一生のうちでこれほど濃密に親子が過ごす時間はもう二度とないかもしれない。むしろこの非常時を天が与えてくれた貴重な時間と前向きにとらえ、家族の楽しい思い出を作ってもらえればと願っている。

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さて、以前このブログにも書いたが、私は「9月入学」賛成派である。

知事さんの多くが前向きなのに対し、案の定、教育関係者からは慎重な声が上がっているようだ。

しかし、安倍政権としては、「やる気だ」と私は踏んでいる。

昨日の日本経済新聞にこんな記事が出ていた。

見出しは、『9月入学「21年以降」で議論加速 20年開始は見送り』。

その一部を引用しておく。

政府・与党は学校の始業や入学の時期を9月に変える「9月入学」を巡り、2021年以降の導入をにらんだ議論を加速する。今年9月の開始は見送る。十分な審議や財源の確保が間に合わず、教育現場にも混乱が生じると判断した。

政府は地方自治体などの要請を受け、杉田和博官房副長官をトップに文部科学、厚生労働、経済産業各省などで検討に入った。自民党、公明党なども議論を始めた。

出典:日本経済新聞

今年の9月実施など、最初からありえない話である。当然、来年9月導入を目指すべきだろう。

私は知らなかったが、自民党は2012年の衆院選で大学の9月入学を公約に掲げていたそうだ。

なんとかして最長政権としてのレガシーを残したい安倍総理としても、「9月入学を実現した総理」として歴史に名を刻みたいところだと推測する。

導入にあたって検討すべき課題として、日経新聞はこんな点をあげている。

来年9月に制度を導入した場合、今学年の期間を5カ月延ばし、17カ月にする案が出ている。休校期間中の授業不足を補完できる。

小学校などへの入学は5カ月間遅れ、7歳5カ月から義務教育を始める子が出る。幼稚園や保育所を春に出てから小学校に入るまでの期間も延びる。導入した年の9月に入学する小学1年生は17カ月分の人数に増えるため、教室や教員の確保が必要となる。

卒業が5カ月遅れるのに合わせ高校や大学などの冬の入試を来年春や夏にずらせば休校で授業が減った受験生の準備期間を確保できる。大学卒業も8月になり、4月に新卒を一括採用している企業は秋採用や通年採用などの変革を迫られる。

出典:日本経済新聞

どれも、想定内の話ばかり、やる気さえあればクリアできない課題はない。

一つだけ、ちょっと厄介なのが、来年入学の1年生だけ人数が増えてしまう問題だ。

教室をどうするのか? 1クラスの人数を増やすのか? それとも教師を増やして対応するのか?

教室の数や教師の数を急に増やすとなると大変だ。間違いなく現場から反対論が噴出する。

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そんな時、妻が素朴な疑問を私に投げかけてきた。

次男のところの末っ子が、来年4月に3歳になる。普通なら幼稚園に入るのは再来年なのだが、9月入学が導入されると来年9月には3歳になっているので入園できるようになるのだろうか?

妻は、9月入学になった場合、4月生まれの末っ子は来年の9月に入園できるのか、それとも再来年の9月入園になってしまうのかが気になったらしい。

妻としては、早く入園できれば、お嫁さんが喜ぶと思ったようだ。

男の私は、9月入学問題をどうしても大局的に考えがちだが、妻の場合、身近な問題にこそ関心が向く。女脳から発せられた質問だった。

でも、そう問われて、私はしばし答えが見つけられなかった。

「それは、政府がどう決めるかじゃない・・・」

私が、そんな曖昧な答えをしたため、妻は納得できなかったようで、こんなことを言った。

「でも、9月入学になったからと言って、8月生まれの子まで全員入学するんじゃなく、今まで通り3月生まれまでにする案も出てくるかも」

なるほど。そんな考え方も確かにある。

これは案外、名案かも知れない。

私は、9月入学になれば当然9月から8月生まれの子供が同じ学年になると考えていた。

しかし、9月入学にするタイミングで8月生まれの子まで入学を認めると、その学年だけ突出して生徒数が多くなってしまう。いろんな意味で問題が生じるだろう。大学の定員が同じなら、他の学年よりも人数が多いその学年の子は不利になってしまう。

一番簡単なの方法は、妻が言う通り、9月入学を導入したとしても、入学できるのはこれまで通り4月から3月生まれの子供たちにすることだ。そうすれば、学年ごとの人数は平準化できる。

要するに同級生になる子供の顔ぶれは同じで、入学できる時期が単純に遅くなるだけなので、余計な手間はかからないというわけだ。

日経新聞の記者も、どうやら私と同じ男脳で考えているようなので、妻のアイデアを教えてやりたいと思った。

今年、幼稚園の年長に通っている子供たちは通常よりも長く、来年の夏まで幼稚園に通い、9月から小学校に入学する。新しく幼稚園に入園する子供は、来年3月までに3歳になっている子供という具合だ。

そうなると、次男のところの末っ子は、再来年の4月に入園する予定だったのが、再来年の9月に遅れるということになる。

妻としては、そうなるとお嫁さんが困るだろうと心配しているようだが、私はこの際、子供を早く幼稚園に預けたいと思っているお母さんたちには少し我慢してもらうしかないと思った。

いずれにせよ、来年から9月入学が実現すれば、今の学年に1年4ヶ月在籍することになり、休校によって減ってしまった授業時間も十分確保することができる。運動会や修学旅行などの大切なイベントも中止しなくて済むし、夏休みを削って無理やり授業時間を確保する必要もなくなる。

春に続いて夏の大会も中止になりそうな高校野球も、ひょっとすると来年春に今の3年生が出場できる大会を開催できる可能性も出てくるのだ。

そっちの方が、いいように私には思える。

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とにかく、大きな改革に大切なのは、勢いだ。

今回できなければ、9月入学など永久にできないだろう。

学校がなくても子供は育つが、学校があった方がいいに決まっている。学校は授業が全てではなく、友達と一緒に作る数々の思い出こそが大切なのだ。

来年からの9月入学導入を何としても実現してもらいたいと、老婆心ながら願ってやまない。

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