<吉祥寺残日録>トイレの歳時記🌾七十二候「禾乃登(こくものすなわちみのる)」、霊園の当選通知が届いた日に妻がワクチンを射つ #210902

今日は朝から冷たい雨が降っている。

最高気温も20度そこそこということで、数日前から比べると10度も下がったことになる。

9月に入り、目に見えて秋の気配が色濃くなってきたが、暦は今日から七十二候の「禾乃登(こくものすなわちみのる)」となる。

「穀物が実り始める頃」という意味のようだ。

稲刈りにはまだ早いが、稲穂が実り日に日に色づいていく季節。

井の頭公園からは、夜になると虫の音がよく聞こえるようになった。

虫の音を動画で撮影してみた。

この音色が果たして「スズムシ」なのか、それとも他の虫なのか、私にはわからない。

花の名前、鳥の鳴き声などを少しずつ覚えてきたコロナ禍の一年だが、秋になると虫の音を勉強した方が良さそうだ。

さて、そんな雨の1日、私はわざわざレインコートを着込んでお医者まわりをした。

まずは朝イチでかかりつけのクリニックへ、いつものように高血圧の薬をもらう。

血圧計を買い替えたら血圧が大幅に下がった話をかかりつけ医に伝えたが、薬の量は特に減ることはなかった。

まだ下の数値が少し高いようで、「75以下になるといいんですがね」と言われた。

今月、胃カメラと大腸カメラの検査もこのクリニックで予約しているので、検査の前日に食べる特別食と当日に飲む下剤をもらって一旦帰宅する。

11時には歯医者の予約が入っていて、3ヶ月に一度お願いしている歯のクリーニングにも行った。

会社を辞めた時にちょうど会社で歯の治療を受けていた途中だったので、吉祥寺にある近所の歯科に診てもらうようになり、その後も定期的に口の中をチェックしてもらっている。

やっぱり、歯がなくなると困るだろうと想像するからだ。

40分ほどかけて丁寧に歯垢などを除去してもらった後、女医さんにチェックしてもらったが、全く異常はないということだった。

家に戻ってメールをチェックすると、「公益財団法人東京都公園協会 霊園課」というところからメールが届いていた。

以前、衝動的に共同墓地を申し込んだ結果が届いたようだ。

8月に霊園のサイトにアクセスし落選を確認していたので、その通知が届いたんだろうと思ってメールを開くと、なんと「当選」と書いてあるではないか。

すぐに妻を呼び、「お墓、当たったみたいだよ」と伝える。

妻はなぜか異常に喜んだ。

私たちが申し込んでいたのは、多磨霊園に今年初めて設けられたという「樹林墓地」。

墓石はなく、個人名なども刻まれない合同墓なので、生前の申し込みが可能なのだ。

広大な多磨霊園の中に新しく作られたばかりだというので、まだその場所も見ないまま申し込みをした。

妻は、「自分たちのお墓が決まった」と早速息子たちにLINEで知らせたりしてひとしきり喜んだ後、ちょっと嫌な予感がよぎったらしくポツリと言った。

「これからワクチンを打つという日に、お墓のメールが届いたんだね」

妻は昔から薬に過敏な体質で、過去にもアナフィラキシーの症状が出たことがある。

そのため、最初からワクチン接種には後ろ向きで、私が自分の分だけ予約をしてさっさと接種を済ませても、もじもじと悩んでいた。

それでも認知症の伯母を入院させるため、嫌がる伯母に無理やりワクチン接種をさせた罪の意識があるせいか、ようやくワクチンを打つ気になり、武蔵野市の大規模接種会場で今日1回目の接種を受けることになっていたのだ。

「もしワクチンで死んじゃったら、すごい予知能力ってまた言われるね」と妻は言った。

妻は昔から霊感が強く、未来のことを言い当てることが時々ある。

ただし、良い事を言い当てることはなく、予言するのは悪い事ばかりなのだ。

妻の予知能力については私の家族の間では有名であり、ワクチン接種の日に届いたお墓当選のメールに何事も信じない私でもちょっぴり不吉なものを感じたりした。

ということで、大規模接種会場に行く妻に私もついていくことにした。

もしも接種後に異変が起きたとしても、すぐに対応できると思ったからだ。

武蔵野市の大規模接種は3カ所で行われているが、妻が選んだのは武蔵野市役所の前にある「武蔵野総合体育館」だった。

せっかちな妻は予約時間の30分も前に到着した。

別に混雑しているわけではないので、やっぱり一本遅いバスでよかったじゃんと思ったが仕方ないのでロビーで待つ。

予約時間の10分前に妻は接種会場内に入っていった。

私はロビーで待つ。

妻が戻ってきたのは50分後だった。

通常は接種後15分の経過観察でいいのだが、妻の場合過去にアナフィラキシーを起こしたことがあるため、30分の経過観察が求められたらしい。

注射を射った後なぜか血が止まらなかったというが、特別気分が悪くなったりすることはなかったようだ。

まずは一安心。

夕食は外で何か買おうかと話していたのだが、結局自宅で妻が自分で調理していた。

とりあえずは不吉な予感が当たらなくてよかった。

霊園の当選通知が届いた日に妻が受けた1回目のコロナワクチン。

でも、本格的な副反応が出るとすれば明日だろう。

お墓など私たちにはまだ必要ないかどうか、安心するのはもう少し待ったほうがいいかもしれない。

<吉祥寺残日録>かかりつけ医で1回目のワクチン接種、若干の違和感あるも目立った副反応はなし #210628

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