幸せの4条件

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今日、おもしろいセミナーを聞いた。

ソフトウェア会社「サイボウズ」が開いたイベントでのセミナーで、慶應大学大学院の前野隆司教授が講師だった。

前野先生は、大学院の中に設けられた「システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)」の委員長を務めている。

大学のサイトを見ると、『SDMとは、現代世界が直面する環境・安全・健康・平和・幸福等に関わる複雑な問題をシステムとして解決し、より良い世界を築く、文理融合の大学院です』と書かれている。

さらに、『学問分野の枠を超え、「人間にかかわるシステムであれば何でも対象にする」「人類にとって必要なものを創造的にデザインする」という方針で研究・教育を行っています。すなわち、理工学から心理学、社会学、哲学まで、様々な分野にまたがる研究を行っています。学生・メンバーの興味に応じて、どんな新分野にも挑みます。』と、何やら面白そうなのだ。

前野先生の著書のタイトルも面白い。

たとえば、『記憶 ー 脳は「忘れる」ほど幸福になれる』。

いいですね。私のようにすぐ忘れてしまう人間は幸福度が高いということだろうか? ぜひ一度読んでみたいと思う。

そして今日のセミナー。前野先生はサイボウズの青野社長を相手に、「幸せになるための4つの条件」というテーマで話をした。「幸福」という抽象的な概念を科学的に研究しているのだという。

では、前野先生が導き出した「幸せの4条件」とは何か?

① やってみよう

とにかく何かをやってみようという気持ち。夢とか目標を持っている人は幸福感を感じやすい。大事なのは「ワクワク感」。仕事にワクワク感を感じる人は、そうでない人に比べ生産性も高い。

② ありがとう

自分の周囲の人たちに感謝の気持ちを表すこと。人から「ありがとう」と言われるよりも、人に「ありがとう」と言う方が幸福感は高いと言う。人のためにお金を使うと、自分のためにお金を使うよりも幸せを感じるのだそうだ。利他的、協調性といった日本人の得意な分野でもある。

③ なんとかなる

楽観性は幸せの重要な要素。ちゃらんぽらんとは違い、物事を前向きに捉えることだ。先生によれば、日本人は世界でも最も悲観的な民族だそうで、悲観的要素が強い人が国民の9割を占めるのだと言う。これは、私が最も得意とする分野だ。

④ ありのままに

人の目を気にしすぎないこと。人と比較しないこと。逆に言えば、人の多様性を受け入れることでもある。これも日本人が苦手な部分だそうだ。

以上の4つが幸せになるための条件だと先生は結論づけた。一応、学問的な裏付けもあるようだ。

セミナーを聞きながら、「この4条件、私にはかなり当てはまっている」と思った。

私は何事につけ、「やってみよう」精神はある方だと思う。むしろ周囲を振り回す傾向がある。

人に対する「ありがとう」の気持ちもある。ただ、感謝の気持ちを口に出して伝えているかと問われると、不十分な気はする。

「なんとかなる」は私の専売特許のようなものだ。会社では「ラテン系」と呼ばれていた。ただ、私の場合やや「ちゃらんぽらん」とか「いい加減」と言うニュアンスも含まれていた。

「ありのままに」は歳をとって身についたと思う。若い時は、自分をよく見せようとする気持ちがあったが、今ではまるでない。平常心は、やはり私の得意技である。

自分で言うのも恥ずかしいが、実際に私はかなり幸福感の強い人間だと思っている。その理由が、前野先生の話を聞いて、少し学問的に分析できた気分になった。

一方私とは対照的に、私の妻は「幸せの4条件」の点数が低い。

まず何事にも慎重で、子供の頃から「やってみよう」精神が弱い。それでも私と結婚したことにより、いろんな国に連れ回され、従属的ながら様々な経験をした。

集団行動が苦手で、「ありのままに」人前で振舞うことができない。だから会食やパーティーなどに参加するとストレスになるようで、同窓会などにも絶対に行かない。

またかなりの心配性だ。ネガティブな思考回路を持っているが、私と結婚したことや子育てを経験したことで「なんとかなる」精神が少しずつ身についたと本人は言っている。

その一方で「ありがとう」精神は強い。利己的ではない。ただ生真面目で不器用なので、おかしいと感じたことは指摘しないと気が済まず、言った後で自分を責めるところがある。

そして妻の最大の欠点は「自己肯定感」の低さだ。3人も子供を育て上げたのだから、もっと自分に自信を持っていいと何度言っても、「自己肯定感」は低いままだ。

そんな妻は、このところ体調が悪く、ここ数日は不眠症に苦しんでいる。体調が悪いとネガティブ思考に拍車がかかる。これから迎える老後、体調の悪さともうまく付き合っていかないといけないと思うのだが・・・。

いずれにせよ、人間というのは、本当に違うものだ。

「幸せの4条件」では、私は妻に比べて圧倒的に点数が高いが、私に欠けている注意力とか事務処理能力とか慎重さによって我が家のピンチを幾度となく救ってくれたのは妻だ。

おかげで、子供たちも無事に巣立ち、それぞれの生活を始めた。客観的に見て、我が家はリアルに幸せで、とても恵まれた家庭だと思う。妻にはいくら感謝しても感謝し足りない。

幸せの4条件に課題を抱える妻だが、そんな彼女を幸せにしてあげることが、私が幸せを感じるための最大の条件なんだろうと思っている。

今のままでいい。このままで十分幸せだ。

妻には、短調の悪い時にはゆっくり休んでもらい、また元気になったら楽しいことを一緒に計画したいと思っている。

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