音楽の未来

幕張メッセで開かれた「ライブ・エンターテイメントEXPO」に行ってきた。

CDが売れなくなったと言われて久しいが、それに反比例してライブは年々売り上げを伸ばしている。2020年の東京五輪に向けて政府も全国で文化イベントを支援するという。

この会場で、ソニーミュージックとユニバーサルミュージックという音楽業界に君臨する2大企業のトップの対談が行われた。

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かつて音楽業界はレコードやCD/DVDというパッケージで稼いでいた。それが急速に変化し、欧米ではストリーミングの売り上げが大きくなってきている。これらを総称して「音源ビジネス」と呼ぶらしい。この音源ビジネスの規模は世界市場で1兆5000億円、そのうち日本市場は3000億円ほどで世界第2位の市場だという。

日本市場の特徴は、今でもパッケージの売り上げが全体の8割を占めていることだ。これは世界的に非常に珍しく、海外ではストリーミングに押され4割程度まで下がっている。日本でパッケージの売り上げが多い理由について説明はなかったが、AKBや嵐といったコアファンによって音楽業界が支えられているからだろう。

私は完全にストリーミング派に移行している。持っていたCDは全部売ってしまった。音楽はもっぱらアマゾンミュージックだ。

こうした環境の変化の中で、音楽業界もどんどん変化している。

ソニーミュージックの場合、ビジネスの多角化を進めている。アニメやゲーム、タレントのマネージメント、ライブハウス経営、展覧会など、音楽関係はもはや一部門に過ぎなくなっているらしい。今後、若者が減り国内市場が縮小することを見越して、海外、特にアジア諸国への進出を積極的に進めている。

ユニバーサルの社長は、今後の飛躍の可能性は「ストリーミング+IoT」「中国市場」「バーチャルリアリティー」だと語った。「ストリーミング+IoT」の代表が、アメリカで人気の「アマゾン・エコー」だという。「アマゾン・エコー」はアマゾンが開発した家庭用の人工知能で、エコーに向かって「◯◯が聞きたい」と曲名やアーティスト名を言うだけで、人工知能が曲を瞬時に探し出し流してくれる。もはやデバイスを操作する必要もないのだ。

一方で、そんな時代にアナログのレコードがここ数年売り上げを伸ばしていると言う。お年寄りが懐かしくて買うのではなく、若者たちがあえてレコードを買うのだ。2人の社長はその理由として、どんな曲でも簡単に聞ける時代になり、逆に面倒臭い、手のかかることが音楽好きな若者たちには「価値」と感じられているのではないかと話した。

不思議な現象だ。私も昔はLPを買っていたが、無精者なのでホコリを丁寧に吹いたりするのが面倒で仕方がなかった。だからCDが登場した時には本当に感激した。

ただ確かにストリーミングで音楽を聴くようになると、特定のアーティストが好きということがなくなってくる。昔は音楽はラジオで知り、なけなしのお金をはたいて1枚のレコードを買った。そして何度も何度も同じレコードを聴く。だから思い入れが強くなった。どんなレコードを持っているかは、ある意味でその人間の人格を表すような自己表現でもあった。

私たちの生活が音楽がなくなることはないだろう。ただ音楽との関係性は時代とともにどんどん変わっていく。

せっかくなら、努力してできるだけ時代についていきたいものだ。

 

 

 

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