<日々是勉強> 資産運用EXPO

新しいシリーズ「日々是勉強」を始めようと思う。

新規事業の仕事を担当している関係で、最近いろんな分野のセミナーを聞いている。たとえば、「空飛ぶクルマ」とか「渋谷再開発」とか「協働ロボット」とか・・・。

ただ、残念なことにすぐに忘れてしまう。そこで、面白いと思ったセミナーについてはその内容を簡単に書き残しておくことにした。あくまで私の記憶力低下を補うためのブログである。

さて、第一回となる今回は、東京ビッグサイトで開かれた「資産運用EXPO」。2日に渡ってたくさんのセミナーを聞いてきた。株やFX、不動産、副業、美術品まで、様々な分野の専門家や業者が、金儲けの極意を熱く語っていた。

私にとっては、これまで一度も聞いたことのない金儲けに特化したセミナー。

ちょっと、新鮮な体験だった。

 

まず最初に聞いたのは、タイトルが「老後資金3分法のすすめ」。

有限会社ストックアンドフローの浅井秀一社長による講演から、気になったポイントを書き留めておく。

「短期金利が長期金利を上回ることがごくたまに起きるが、これは景気の最終局面、株価がピークに来たことのサインだ。昨年末から、短期金利が長期金利が逆転し始めた。」

浅井さんの話の中には出てこなかったが、この長短金利の逆転現象は「逆イールド」と言うらしい。これで株の暴落が予想できるなら、これは使える情報だ。

「日本は今、人口減少の“逆高度成長期”。人が増えると景気は良くなり株は上がるが人が減ると株は下がる。だから日本株の長期保有はダメ、上がったら逃げないといけない。今年は何とか持つかもしれないが、そろそろ9年続いたダウの上昇局面は終わりだ。」

こうした前置きの後、本題の3分法のお話へ。

「老後資金をどう運用するかはそれぞれの人の考え方による。まずは自分のお金をどのように使いたいかライフプランに従って運用を決めることが重要。それが決まればその目的に適した運用方法を選択すればいい。 ①子供にお金に残したいか? ②旅行など元気なうちに使うお金はいくらか? ③長生きに備えていくら蓄えておくか? この3つに分ける3分法で運用を考える。子供に残すなら終身保険(宛名機能あり、解約も可能)、使うお金は一時払い保険や不動産など収入が得られる資産に、そして備えるお金は株や外貨を組み合わせた分散投資という具合で。」

まず最初にお金を目的別に分けて、お金に役割を与えるという話は、とても腑に落ちた。

 

続いて勉強になったのは、「大学教授が教える堅実で科学的な株式投資法」。講師は青山学院大学大学院の榊原正幸教授だ。

ポイントは、投資対象の選び方だった。

「投資先は、絶対に優良企業に絞ること。まず東証一部上場企業に限り、その中で海外売上比率30%以上、1日の売買代金30億円以上、BPSが500円以上、自己資本比率30%以上といった基準で選ぶ“国際優良企業”、および純資産500億円以上、1日の売買高1億円以上、BPS1000円以上、自己資本比率60%以上に当てはまる“財務優良企業”だけを投資対象とする。さらに問題があったり条件にあっていない企業を外していくと5−10社しか残らないので、そこに投資する。

長期投資(半年〜2年)は配当利回りが高いものを狙う(過去10年を調べる)、中期投資(3ヶ月〜1年)はPBRが低い企業を狙う、短期投資(3ヶ月以内)は四半期決算を精査し10%以上の増益企業の中から評価点(PBR、PER、ROE、配当利回り、昨年来安値からの上昇率)を用いて割安企業と成長企業を選び出して投資する。ナンピン買いも加えて勝率は85%。9%上がったら利食い売りをルールとする。これで年率40%の儲けが出る。勘ではなく自分なりの客観基準を持って取引することが重要だ。

ただし今年は年央にかけて下がるので、今は売り。木だけでなく、森も見ないといけない。」

とても大学教授の話を聞いているとは思えない、株屋さんのような立て板に水のトークだった。榊原教授は、米中摩擦はすでに中国の負けが決まっていて、負けた中国の影響が日米に出ることに注意する必要があるとの見解だ。

この人は本当に、株が好きなんだろうなと感じた。

 

この展示会で一番人を集め熱気を感じたのが、副業アカデミーという会社だった。

「副業のプロが解説!自己資金をどんどん増やせる5つの副業!」。講師は副業アカデミーの小林昌裕社長。この人、異様に話がうまい。ちょっと危険な臭いもする。

この日紹介した5つの副業は、株式投資、FX、物販、不動産。もう一つは何だったか忘れた。アカデミーと名乗るだけあって、それぞれの副業のスペシャリスト達がそのニッチな技を伝授する学校のようだ。

「株式投資については一日15分か30分だけチャートを見る訓練をして、取引は2−3分だけ。ザラ場の動きは一切見ない。これで生徒さんの中には1ヶ月6000万年稼いだ人がいる。そんな世界があるのを知っておいてください。

FXの先生は元本500万円で1ヶ月の利益が1200万年稼いだ。その経過を生徒に教えている。

物販は、Yahoo!オークションで仕入れてアマゾンで売る、または中国のショッピングサイトで購入してメルカリで売るという手法で利益30%が出る。在宅で仕入れだけ自分で行い、梱包や発想の実務は外注を使う。」

いかにも怪しいが、この熱気は何だろう?

不動産投資とかに比べると少額で始められそうなので、副業という響きはより多くの人を惹きつけるのかもしれない。

 

最後に話を聞いたのは「個人でもヘッジファンド投資! その魅力と今後の展望を語る」。講師はヘッジファンドダイレクトの執行役員・柿本さん。海外のヘッジファンドの調査研究をする会社で、投資家にアドバイスする個人向けの最大手だと言う。

「ヘッジファンドは本来リスクを下げるもので、ハイリスクハイリターンのものはごく一部。リスクを下げるために空売りやレバレッジ取引という手法をとる。2000年ごろまでは富裕層向けだったが、2000年ぐらいから機関投資家が分散投資の対象とするようになり運用残高が増えた。300兆円程度、日本ではまだまだ。分散投資効果が薄れている中で、ヘッジファンドが注目される。リーマンショックの際、世界株が50%下げたのに対しヘッジファンドは50%上がった。ただこのところヘッジファンドは横ばい。

ヘッジファンドは通常10万ドルや100万ドルから。運用対象は株やFXに限らず何でもあり。優秀なファンドマネージャーに任せるという人には適している。広告は出せない。ヘッジファンドマネージャーは自分の資金も一緒に投資している。市場の下落局面でも一定の利益を出すことを目指すところが投資信託とは違う。

投資信託マネージャーの目標は運用残高を増やすこと、ヘッジファンドマネージャーは利益を出すことを目指す。高値を更新すると成功報酬をとる。」

昔から株価が暴落するとニュースで名前を聞くヘッジファンドだが、いまだにちゃんと理解できていない。その意味では初めて専門家の話を聞くことができた。今日の話だけではよく理解できなかったが、もし本格的にヘッジファンドのことを知りたいと思ったら、柿本さんを知っておくのは役に立つと思った。

 

この他にも知らない話をいろいろ聞くことができた。

60年の人生でいかにお金の勉強をせずに、何も知らないまま勘だけを頼りに無謀な投資をしてお金を失ってきたか、今更ながらに思い知らされたような気分である。

でも、私はやはり金儲け向きの人間ではないということも、この会場にいると感じた。ここに集まっている人たち、特に言葉巧みに商品を売り込もうとしている人たちは目つきがどことなく卑しく人間的な魅力に欠けているように私には感じられた。

これは多分に私の偏見かもしれない。しかし金儲けが目的化していて、人生って金だけじゃないだろうと思わず言いたくなる自分がいた。

もし仮に、投資によって何億円ものお金を手にしたとしても、私は今以上の幸福感を感じるとは思えない。もちろん海外旅行にもっと行けるし、もっといいホテルに長期間滞在することもできるだろう。しかし、限られた条件の中で工夫しながら旅を組み立てることにこそ、楽しみがある。逆に何でもできてしまうと、驚きも感動もすぐになくなってしまうと思うのだ。

人間の幸せとは、不思議なものだ。

ただ、資産運用の話を聞くことは面白いし、きっと役に立つこともあるだろう。

来年もまたこの展示会には足を運んでみたいと思っている。

 

 

 

 

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