<吉祥寺残日録>身体が固い人でもできる10分間「朝ヨガ」 #200715

今年の梅雨は、梅雨らしい梅雨。東京でも毎日、雨が降ったり止んだりの日が続いている。

昨日は雨の中、妻を誘って朝の散歩に出かけた。

半ば強引に妻に「井の頭自然文化園」の年間パスを購入させた。ケチな妻は最初難色を示していたが、最後は折れて1600円の年間パスを買って園内に入る。

平日、しかも雨がしっかり降っているため、園内にはほとんどお客さんの姿はなかった。

梅雨時の緑は青年のような力強さをたたえ、雨に濡れた姿は一段と美しい。

「動物はどうでもいい」と妻が言うので、私が見つけた静かな散歩道へと妻を誘導する。

鹿園の脇を抜けて野鳥の森へ。

この辺りには週末でもあまり人がおらず、緑に囲まれたベンチで鳥のさえずりを聴くことができる。

さらに進むと、茶室「童心居」がある。

「七つの子」や「シャボン玉」などの童謡で知られる詩人・野口雨情の書斎を移築したものだ。

草庵の縁側に腰をかけて、雨に濡れた庭を眺める。

吉祥寺の街にいるとは思えない静かな場所。

雨の日の自然文化園、こんな散歩も吉祥寺ライフの楽しみである。

童心居から猿山へ。

猿たちは雨を気にするそぶりも見せずに、それぞれに過ごしていた。

屋根がある場所にじっとしている猿もいれば、盛んに動き回る猿もいる。いろんな性格の猿がいて、それで社会が成り立っていると言うことの縮図のようにも見える。

じっと見ていると、自分に似ている猿も見つけることができる。

お湯が流れる滑り台のような場所で好奇心旺盛に快楽を求めている猿は、私に似ている感じがする。

屋根のある雨に濡れない場所でじっと動かない猿はさしずめ私の妻といったところだ。

そんな妻が、ここ数日、よく眠れないと愚痴をこぼしている。

心配性でストレスを発散することが苦手な妻は、子育てから解放されて常にどこか身体の不調を抱えているようだ。

私はそんな妻に、ストレッチを毎日することを提案した。特にお腹と背中を柔らかくすることを心がけて身体をほぐせば、いい眠りに繋がるのではないかと考えたからだ。

ふと、思いついてユーチューブで「ヨガ 初心者」を検索してみた。すると、こんな動画が見つかったのだ。

動画のタイトルは、【身体が固い人でもできる10分間「朝ヨガ」】。

詳しいことはわからないが、「ヨガロータス」という大阪の方のヨガスタジオがアップしている無料動画のようだった。

試しにテレビ画面に再生してみた。

これがなかなかいい感じで、時間もちょうど良い。動画に合わせて身体をゆっくりと動かすと、身体のあちこちが固まっているのを感じる。10分やっただけで、身体も気持ちもずいぶんほぐれた感じがした。

珍しく妻もこの動画には興味を示し、一緒にやっていた。

そして気に入ったらしいので、いつでも動画が再生できるように妻のスマホにアプリをダウンロードしてあげた。

私も時々、意識的に10分ヨガをやってみようと思っている。

そんな朝の出来事があった後ベランダに出て、NHKラジオのアプリで「ラジオ英会話」を聴き始めると、なんとその回のテーマがヨガだったのだ。初めてヨガ教室に行った生徒と先生の会話、しかも会話の中で生徒が「私はリラックスするのが苦手なんです」といい、先生が「それならここは最適の場所です」と答えるのだ。

私の妻は、いい加減な私から見ると信じられないほど、リラックスするのが下手なので、ヨガを妻に勧めたのはとてもナイスなアドバイスだったんではないかと、なぜか英会話を聞きながら自画自賛したのだった。

果たして、ヨガのルーディーンがいつまで続くか心もとないが、会社を辞め自分で自由に時間を使えるようになると、こうして毎日のルーティーンも自分で作っていかないといけないと考えている。

そんな時に出会った1本のヨガビデオ。

私たち夫婦にとって無料で使えるこの動画は、衰えていく身体を整えるとても大切な生活の一部になる予感がした。

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